シボレー・コルベットZ06クーペ(後編)
2016.12.22 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回も引き続き「シボレー・コルベットZ06クーペ」に試乗する。6.2リッターV8 OHVスーパーチャージャーユニットのピークパワーは実に659ps。低く、広く構えたボディーは一体どんな走りを披露するのだろうか。谷口が愛をもって挑む!?659psがさく裂すると……
「いやあ、このクルマは面白いですよ」
谷口信輝がようやくコルベットZ06の走りの印象を語り始めてくれた。
「ここ(試乗のスタート地点)からブーンと出て行って、あの最初のカーブを曲がったとき、もう、笑っちゃいましたよ」
なにがおかしかったのか?
「もう、ガサツ。粗い。サスペンションが硬すぎて跳ねるし、ブッシュもグニャグニャ」
久しぶりに歯に衣(きぬ)着せぬ谷口が現れたようだ。
「エンジンはすごいパワフルですよ。もう、凶暴といってもいいくらい力がある。踏めばぐわっとエンジンパワーがわき上がってくるし、サウンドもいい。でも、シャシーはまったくダメ。本当に、冗談かって感じですよね」
私も試しに乗ってみたが、たしかにコルベットZ06のサスペンションは硬い。それもただ硬いだけでなく、ストロークするときのしなやかさが不足気味で、路面が荒れていると断続的にグリップを失う傾向がある。しかも、6.2リッターV8エンジンにはスーパーチャージャーが組み合わされて659psの暴力的ともいえるパワーを生み出すからたまらない。コーナリング中にリアのグリップが薄くなったところで不用意にスロットルペダルを踏み込めば簡単にトラクションコントロールが効き始めるし、発進時に乱暴な運転をすれば後輪は空転するばかりでちっとも前に進まないという状況にもなりかねない。
ただし、シボレーの名誉のために付け加えておくと、同じ6.2リッターV8エンジンでもスーパーチャージャーを組み合わせていない「コルベットZ51」であればそんな事態に陥ることもない。それも、単にZ06より最高出力が200ps近く少ないからというだけではなく、サスペンションがはるかにしなやかで、タイヤが路面にしっかりと追随してくれるからだ。しかもボディー剛性は高いから、「C6」までのコルベットとは別次元の、シュアで安心感の強いコーナリングを示してくれる。
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