アストンマーティン・ヴァンキッシュ(前編)

2017.01.26 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回のテーマは「アストンマーティン・ヴァンキッシュ」。576psの6リッターV12自然吸気エンジンを搭載するフラッグシップアストンに、谷口が果敢に立ち向かう!

旋回性能が素晴らしい

抜けのいいV12エンジンの快音を響かせながら、谷口信輝はいつものワインディングロードでアストンマーティン・ヴァンキッシュを走らせていた。

100年を超す歴史を有するイギリスの名門スポーツカーブランドは、今後、新ジャンルのニューモデルを次々に投入すると予告しているが、現在その基盤を成しているのはGTカーの「DB」シリーズ、スポーツカーの「ヴァンテージ」、そしてスーパースポーツカーであるヴァンキッシュの3モデル。

このうちヴァンキッシュは、6リッターのV12エンジンこそ「DB9」と基本的に共通なものの、いくつものアルミパーツを組み合わせた「VHアーキテクチャー」のボディーにはカーボンコンポジットなどを活用することで高剛性化と軽量化を実現した特別なモデルである。

試乗を終えてヴァンキッシュから降り立った谷口はいつもと変わらぬクールな表情を浮かべていて、どんな印象を抱いたかを読み取るのは難しい。そんな彼が最初に発した言葉は「これ、タイヤなんですか?」というもの。スポーツカーのOEタイヤとしては一般的な「ピレリPゼロ」が装着されていたのでその旨を伝えると、「Pゼロっていいタイヤですか?」と畳みかけるように尋ねてきた。

世界の名だたるスポーツカーメーカーがこぞって指名する銘柄だからグリップレベルにはもちろん不満はないし、その割に乗り心地は良好でロードノイズも低いと説明すると、谷口はひとしきり黙り込んだ後で、こう語り始めた。

「この駐車場から発進して、あそこに見える最初のカーブを曲がるまでは結構イヤな感触だったんですよ。タイヤがまだ冷えていた影響もあるのかもしれないけれど、ステアリングをちょっと切ったときの遊びみたいな部分がちょっと大味でね。定規の目盛りでいえば、よくある1mm単位じゃなくて1cm刻みになっているみたいで、ちょっとガサツに思われたんです。それがなんか違うんだよなって感じたんですが、そこからさらにハンドルを切ったときの接地感は非常によかった。フロントもいいし、リアもいい。だから、旋回性能自体はかなり高いんですよ。すごくいいと思います」

 
アストンマーティン・ヴァンキッシュ(前編)の画像拡大
 
アストンマーティン・ヴァンキッシュ(前編)の画像拡大
 
アストンマーティン・ヴァンキッシュ(前編)の画像拡大
アストンマーティン・ヴァンキッシュ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4728×1912×1294mm/ホイールベース:2740mm/車重:1739kg/駆動方式:FR/エンジン:6リッターV12 DOHC 48バルブ/トランスミッション:8段AT/最高出力:576ps(424kW)/6650rpm/最大トルク:64.2kgm(630Nm)/5500rpm/タイヤ:(前)255/35ZR20 (後)305/30ZR20/価格:3335万円
アストンマーティン・ヴァンキッシュ
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4728×1912×1294mm/ホイールベース:2740mm/車重:1739kg/駆動方式:FR/エンジン:6リッターV12 DOHC 48バルブ/トランスミッション:8段AT/最高出力:576ps(424kW)/6650rpm/最大トルク:64.2kgm(630Nm)/5500rpm/タイヤ:(前)255/35ZR20 (後)305/30ZR20/価格:3335万円拡大
あなたにおすすめの記事
関連記事
  • アストンマーティン・ヴァンテージ(FR/7MT)【試乗記】 2020.6.4 試乗記 アストンマーティンのピュアスポーツカー「ヴァンテージ」に、新たに伝統的なMT仕様車がラインナップ。多くのスーパースポーツがAT化する時代に、あえてMTを選ぶ意味とは何か? 試乗を通して、その魅力に迫った。
  • フェラーリF8トリブート(MR/7AT)【試乗記】 2020.10.14 試乗記 「フェラーリF8トリブート」に試乗。一般公道で試す限り、この最新ミドシップベルリネッタの仕上がりに隙はまったく見られない。純粋な内燃機関車としては最後のV8モデルといううわさがあるが、その真偽は別に、フェラーリはこれでひとつの頂点に達したといえるだろう。
  • アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ(FR/8AT)【試乗記】 2019.1.15 試乗記 「DB11」比で+117psとなる、最高出力725psの5.2リッターV12ツインターボを搭載するフラッグシップモデル「DBSスーパーレッジェーラ」。アストンマーティン史上最速をうたうGTを公道に連れ出してみた。
  • アストンマーティンDBX(4WD/9AT)【試乗記】 2020.9.25 試乗記 デビューから1年近くがたち、ようやく日本上陸を果たした「アストンマーティンDBX」。英国のラグジュアリーブランドが初めて手がけたSUVは、待ち焦がれたファンも納得するであろう上質な走りを味わわせてくれた。
  • アストンマーティンDB11 AMR(FR/8AT)【試乗記】 2019.7.10 試乗記 「AMR」とは、アストンマーティンレーシングの頭文字。競技車両開発のノウハウが注ぎ込まれた、アストンマーティンの高性能市販モデルに冠される名称だ。日本でも販売が開始された最新作「DB11 AMR」は、その名にふさわしい存在なのか。パフォーマンスを確かめてみた。
ホームへ戻る