スバル吉永社長が退任、7年にわたる任期に幕

2018.03.02 自動車ニュース
スバル現社長兼CEOの吉永泰之氏(左)と、新社長に内定した中村知美氏。
スバル現社長兼CEOの吉永泰之氏(左)と、新社長に内定した中村知美氏。拡大

スバルは2018年3月2日、現社長兼CEOの吉永泰之氏が社長職から退任し、現専務執行役員である中村知美氏を社長兼COOとする人事を内定したと発表した。同年6月に行われる株主総会および取締役会を経て、正式に決定される予定となっている。

新しい人事の狙いについて説明する吉永泰之社長兼CEO(左)と中村知美専務。
新しい人事の狙いについて説明する吉永泰之社長兼CEO(左)と中村知美専務。拡大

後任にはスバル オブ アメリカの中村知美会長が内定

スバルは今回の社長人事について、自動車産業の変革期を乗り越え、自社がより質の高い会社として持続的に成長するためのものと説明しており、吉永氏とともに取締役会長の近藤 潤氏、代表取締役専務執行役員の日月丈志氏、取締役専務執行役員の笠井雅博氏も併せて退任。吉永氏については取締役会長兼CEOとなる予定だ。

吉永氏に代わって社長に就任する予定の中村氏は、現在スバルの海外第一営業本部長とスバル オブ アメリカ(SOA)の会長を兼任している人物である。富士重工業(現スバル)入社は1982年で、販売会社や三鷹製作所(現東京事務所)などへの出向を経て、2004年よりスバルの国内営業およびマーケティングに携わってきた。執行役員となったのは吉永氏が社長に就任した2011年のことで、リーマンショックに端を発する経営不振からの脱却、同年発生した東日本大震災からの復興に腐心。現在スバルが掲げている中期経営ビジョン「際立とう2020」の策定にも携わってきた。

また、中村氏は2013年にグローバルマーケティング本部副本部長に就任し、2014年より3年にわたりSOAの会長を務めるなど、ここ数年は北米を中心とした海外事業に携わっていた。中村氏がスバルの社長となった後は、SOAのトム・ドール社長兼COOがCEOに就任する予定となっている。

中村新社長を含む新しい経営体制の狙いについて、吉永氏は「経営陣の若返りと組織活力の強化、チャレンジ精神の強化」「経営全体の質の向上」「市場対応力の強化」「技術と技術マネジメントの向上」が狙いであると説明。特に「経営全体の質の向上」については2017年に発覚した完成検査における不正問題にも言及し、真に正しい会社となるために、企業体質の改善を果たすと述べた。

なお、この記者会見において吉永氏は、カタログ値や製品の品質に関わる開発工程ではないものの、新車の最終検査における抜き打ち検査で、燃費および排出ガスのデータ改ざんが行われていたことを発表。後日あらためて調査結果を公表すると述べた。

4年にわたり海外事業に携わってきた中村知美氏。新社長就任に際しては、「会社の近況に疎いので、少しリハビリが必要」と述べていた。
4年にわたり海外事業に携わってきた中村知美氏。新社長就任に際しては、「会社の近況に疎いので、少しリハビリが必要」と述べていた。拡大

「個人としても企業としても、きちんとありたい」

完成検査の不正問題や、その後に発覚したデータの書き換え問題などが注目を集めているスバルだが、今回の全取締役の退任については、それ以前から当人らの間で「そろそろ若返りを図った方がよいのではないか?」等の話し合いがなされていたという。そして、2017年9月には3人の取締役より吉永氏に退任の申し出があり、吉永氏自身も「9月末には退任を決めた」と述べた。

一方で、退任後の吉永氏が会長兼CEOに就くことについては、やはり取締役の間で「『(問題を)投げて逃げるのでは絶対ない』というメッセージを出すのも大事なのではないか」という話し合いがあり、体制の立て直しに責任を持って取り組むという姿勢を示すうえでも吉永氏が代表権を持ち続けるべき、という結論に至ったという。

一方で、後任となる中村氏の社長内定については、「取締役のみなが同じ意見だった」とのこと。中村氏は年末の帰国で突然伝えられた人事を「まさに青天のへきれきだった」と振り返ると同時に、「飛躍的な成長を果たした吉永の後を引き継ぐこと、われわれ自動車業界の大変革期にこのような任を拝命することになり、本当に身が引き締まる思いである」と、難しいタイミングでの社長就任に対して意気込みを述べた。

(webCG)
 

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