徹底したキープコンセプトは何のため?
新型「Gクラス」の開発キーマンに話を聞いた

2018.06.13 デイリーコラム
独ダイムラーで「Gクラス」の商品企画責任者を務めるミヒャエル・ベルンハルト氏。新型の開発は2014年にスタートした。
独ダイムラーで「Gクラス」の商品企画責任者を務めるミヒャエル・ベルンハルト氏。新型の開発は2014年にスタートした。拡大

いよいよ日本でも発表された新型「メルセデス・ベンツGクラス」。“孤高のオフローダー”が、40年ぶりのフルモデルチェンジによって手にしたもの、そして失ったものとは!? 本国ドイツで開発を主導したミヒャエル・ベルンハルト氏に話を聞いた。

Aピラーからルーフサイドを通ってリアに抜ける黒いトリムやホイール付近のモールは、役に立つ部品ではないが、取り払ってしまうと「Gクラス」に見えなくなってしまうとベルンハルト氏は語る。
Aピラーからルーフサイドを通ってリアに抜ける黒いトリムやホイール付近のモールは、役に立つ部品ではないが、取り払ってしまうと「Gクラス」に見えなくなってしまうとベルンハルト氏は語る。拡大

新型開発でデザイナーは盛り上がったが……

新型の発売にあたり、記者が最も気になっていたのは、インポーターであるメルセデス・ベンツ日本のプレスリリースに「フルモデルチェンジ」というフレーズが一度も出てこないことだ。サスペンション形式やステアリング形式までもが変更されているというのに、「機能をアップデート」とか「Gクラスの歴史の中で最も大幅な改良」とか、フルモデルチェンジであることを巧妙に避けた言い回しが用いられている。

――フルモデルチェンジではないんですか?

実は、ドイツでもフルモデルチェンジという言葉は使っていないんだ。型式名が「463」のままだということを示したかったし、急に「Gクラスの新型が出ました!」と言ったときに、人々に受け入れられるか、正直怖かったというのもある。中身は新型なんだけどね。

――見た目を変えていないのもそのためですか?

角張った形を捨ててしまうと、他のSUVと同じになってしまうからね。新型を開発すると決まったときに、デザイナーは「古くさいクルマをようやく新しくできるぞ」と盛り上がっていたんだけど、ボクは言ったんだ。「でも、最後は前のと同じに見えるようにしてね」って。

同じように見せるっていうのは、結構難しいんだ。例えばAピラーから始まるルーフのトリムは、空力的にはまったく意味がないもの。でも、あれをなくしてしまうとGクラスに見えなくなってしまう。ボディーサイドのモールも同じで、ドアのところなどは傷の予防に役立つけど、ホイールのところはフェンダーよりも内側に付いているんだから、実用性はない。でも、あれがないとやっぱり“らしく”見えない。Gクラスというのは、そういうところがいっぱいあるクルマなんだ。リアのスペアタイヤカバーも同じだね。

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