不備が発覚してからはや半年……
完成検査不正問題にみるスバル喫緊の課題
2018.06.18
デイリーコラム
五月雨式に発覚した完成検査の不備・不正
2018年6月5日、スバルは東京・渋谷の本社において、完成検査の不備にまつわる記者会見を行った。前年10月の問題発覚以来、すでに半年以上が経過している。その間、五月雨式に不祥事が露見し、ディーラーへの客足は減り、2018年4月までの国内販売は6カ月連続で前年割れとなった。この1-4月における国内販売は、前年比マイナス16.3%の5万5874台である。
去年の今時分まで、スバルは日本自動車界のなかでも優等生と呼べるメーカーの筆頭だった。生産規模は小さくとも利益率は高く、付加価値のあるプロダクトが広く市場で受け入れられていた。米国での販売も右肩上がりで、過度なインセンティブに頼ることなく成長を続けるまれなメーカーだった。
契機となったのは、2017年10月27日に明らかにされた、完成検査員の不備である。国交省へ提出している完成検査要領とは異なり、本来であれば検査員として資格のない者が検査を実施し、認証を行っていたのだ。また、検査員を認定する社内試験において不正が横行していたことも明るみに出た。
さらに、この調査時のヒアリングにおいて、一部の検査員が燃費・排出ガスの抜き取り検査でデータを改ざんしたことがあると発言。その後の調査で、群馬製作所の本工場および矢島工場において、2012年11月以降に検査された6939台のうち、903台の検査で改ざんが行われていたことが判明した。
この問題について、スバルは不正の内容とその原因、再発防止策をまとめた報告書を2018年4月27日に発表。一連の不正問題も一段落かと思われた直後、今度は国土交通省の調査を契機に、さらなる不適切事案が発覚することとなった。懸案となっている燃費・排出ガスの抜き取り検査において、本来であれば検査をやり直さなければならないエラーが発生したところを、エラーがなかったものとして処理するか、データを書き換えて有効な測定結果に改ざんするという、“別の不正”が行われていたのだ。
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