4人乗りの新型フェラーリ「FF」が日本上陸
2011.07.05 自動車ニュース4人乗りの新型フェラーリ、「FF(フェラーリ・フォー)」が日本上陸
フェラーリ・ジャパンは2011年7月5日、新型の4人乗りモデル「フェラーリ・フォー」を国内で披露した。
■4人で乗れる、四駆の跳ね馬
「フェラーリ・フォー」こと「FF」は、2011年3月のジュネーブショーでデビューした、フェラーリの最新モデル。「612スカリエッティ」の後を継ぐ、新たな4シーターである。
とはいえ、「FF」はただの新型にあらず。その名「フォー(Four=4)」が示すとおり、座席はこれまでの2+2とは異なる、大人4人がしっかり乗れるフル4シーターで、「スポーツカーとしてのハイパフォーマンスと、GTモデルとしての使い勝手を両立した」と、フェラーリは主張する。
直接市場を分かつのは、「ポルシェ・パナメーラ」や「アストン・マーティン ラピード」などの“4人乗りスポーツカー”。
しかし、「FF」の姿かたちは、ライバルたちとはやや異なる。スポーツカーであることへの強いこだわりから、ドアは左右1枚ずつ。ルーフはセダンのごとく水平に長く伸び、フェラーリにしては珍しい、ハッチゲートをリアにもつ。
実際のボディサイズは、全長×全幅×全高=4907×1953×1379mm(ホイールベースは2990mm)の堂々たるもの。にらみのきいたフロントまわりと相まって、独自の存在感を主張する。
その鼻先におさまるパワーユニットは、660CV(486kW=651hp)/8000rpm、70.0kgm/6000rpmを発生する直噴の6.3リッターV12エンジンだ。
組み合わされるギアボックスは、7段のデュアルクラッチ式。基本的には後輪を駆動するが、1〜4速を選択中にスリップなどで後輪のグリップが失われた場合、エンジン前部に設けられた「パワートランスファーユニット」を介し、前輪軸へと必要なトルクを配分、四輪を駆動することができる。「4RM」と呼ばれるこの4WDシステムも、「フォー」の車名に象徴される、フェラーリ初のメカニズムである。
路面を選ばず高いスタビリティを発揮できるというのはもちろん、トランスアクスル・レイアウト(エンジンを車体前方に、ギアボックスを車体後方に切り離して置く構造)により47:53の前後重量配分を実現するなど、スポーツ走行性能にはこだわりを見せる。
なお、公称される0-100km/h加速タイムは3.7秒で、最高速度は335km/h。100km/hの速度からわずか35mで停止できる制動力、エコロジーなアイドリングストップ機構もアピールポイントだ。
インテリアも、ポルトローナフラウ社のレザーを用いた豪奢(ごうしゃ)な仕立て。前席の背面それぞれにモニターを設けるリアエンターテインメントシステムをはじめ、カーオーディオ、カーナビゲーションシステム、クルーズコントロールといった快適装備も完備する。
トランクルームは、4名乗車時で450リッター、後席を畳めば最大800リッターの容量が得られる。ゴルフや旅行はいわずもがな、近所の買い物にもパフォーマンスを発揮する(?)“使える跳ね馬”となっている。
かような「フェラーリ・フォー」の価格は、3200万円。日本国内での受注はすでに始まっており、秋口のデリバリー開始が見込まれている。
(webCG 関)
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