星野一義がほれ込んだMobil 1オイル
愛車のポテンシャルをフルに引き出す 2019.01.17 Mobil 1 ~日本一速い男の選択~<PR> 「日本一速い男」こと星野一義氏率いるTEAM IMPULを、長年にわたってサポートし続けているオイルブランド「Mobil 1」。そのMobil 1のコンシューマー向け製品に、性能の強化とラインナップの充実が図られた。新世代のエンジンに対応したという、その進化のほどを探った。いい材料をそろえるのがオレの仕事
「35歳、星野です!」
カスタマイズカーの祭典「東京オートサロン2019」のホシノインパルブースに現れたのは、TEAM IMPUL監督の星野一義氏。本当の年齢はその2倍ほどのはずだが、所作も話し方も若々しさにあふれている。待ちかねた観客から大きな拍手で迎えられた。
ブースに並べられたスーパーフォーミュラとSUPER GTのマシンの前で行われたトークショーで、星野監督は今シーズンへの意気込みを語る。「今年はフォーミュラとGTのWタイトルを狙いますよ。チーム内でも競争が激しいんです。昔のオレと長谷見さんみたいな関係じゃないかな」
監督となった現在は、安心してレースに取り組める環境を整えるのが仕事だと話す。トークショーの相手として出席したのが、TEAM IMPULをMobil 1のオイルでサポートするEMGルブリカンツの潤滑油企画統括部 副統括部長の山内保宏氏。2008年から12年続く関係だ。星野監督は絶大な信頼を寄せている。
「オイルの性能を上げるのはMobilさんの仕事。いい材料をそろえるのがオレの仕事です。そして、オレはいいものしか使わない。言ってみれば、築地で最高の大間のマグロを仕入れるのと同じ(笑)」
奇抜な例えだが、言いたいことはよくわかる。
レースの世界でも問われる燃費性能
山内氏がトークショーに持ってきたのは、Mobil 1の新製品。
「1月にMobil 1シリーズのラインナップをリニューアルしました。新規格API:SN PLUSを取得するとともに、新たに低粘度の0W-16グレードを追加しています」
これまでの0W-20、0W-30、5W-30を新規格に対応させ、超低粘度の0W-16を新発売したわけだ。レースで使うオイルはもっと高粘度なものというイメージがあるが、山内氏によるとそれは時代遅れの考えらしい。
「0W-16のオイルは触るとサラサラです。ほとんど水のような感じ。以前だと摩耗が気になってもっと粘度の高いオイルを使いたがる傾向がありましたが、エンジンの性能が上がっていますからこれでまったく問題はありません。粘度が低ければシリンダー内の摩擦が減りますから、燃費が向上します。レースの世界でも燃費性能が重要なんですよ」
星野監督はわが意を得たりという表情。「オレは50年前からそう言ってる(笑)。エンジンにとってはフリクションが少ないほうがいいに決まっていますよ」
燃費が良くなければレースに勝てない時代なのだ。「TEAM IMPULではこれからもMobil 1を使い続けますよ。こうやっていいものをそろえたんだから、今年のオレの仕事は終わり。あとはドライバーとメカニックが頑張ればいい(笑)」
星野監督は自信に満ちた表情でトークショーを締めくくった。
エンジン性能に合わせてオイル性能もアップ
Mobil 1のリニューアルについて、山内氏に詳しい話をうかがった。まず、0W-16というグレードを新しくラインナップに加えた理由について。
「オイルのグレードはSAE(Society of Automotive Engineers)規格で決められています。これまであった0W-20よりもう一段粘度の低いグレードが0W-16ですね。ラインナップを拡大することで、エンジンに合わせて選択する幅を広げました」
SAEでは、さらに0W-12、0W-8という規格が定められているそうだ。Wというのは「Winter」の頭文字で、低温時の粘度を示す。0W-16ならば、低温時は0、高温時は16の粘度ということになる。
「0Wと5Wでは、触ってみるとまったく違いますよ。0Wは本当に水みたいなんです。15W-50なんてグレードだとドロドロですね。ものすごく硬くて抵抗が強いので、うっかりすると始動時にエンジンが壊れることもありますよ」
1950年代や1960年代のクルマはエンジンの内部パーツ間のクリアランスが大きくて低粘度のオイルは使えなかったが、今は精度が高くなって材質も進化しているからまったく問題はないのだという。
「添加剤を加えることで、オイルの質を向上させています。昔と違って現在は0Wのグレードでも十分な性能を得られるんです」
ノッキングを予防する新規格に対応
API規格はAmerican Petroleum Instituteが定めるエンジンオイルのグレードだ。新しいMobil 1はLSPI (Low Speed Pre-Ignition :スパークプラグによる点火前に燃焼が起きる異常燃焼現象)防止性能が付与されて、最新の規格であるSN PLUS認証品となっている。
「最近は燃費改善のために1リッターや1.2リッターのダウンサイジングターボエンジンが搭載されるクルマが多くなっています。低回転からトルクを出すので運転しやすいんですが、高い熱を発生するのでオイルに負担がかかるんですよ。LSPIはエンジンを損傷させる恐れもありますから、添加剤の配合を変えることでこれを抑制するわけです」
直噴ターボエンジンは、低回転で異常燃焼を起こしやすいという弱点を抱えている。ピストンが上死点に達する前に燃焼が起きてノッキングが発生してしまうのだ。問題に対応するため2018年に定められた規格がSN PLUSであり、Mobil 1は対策を施した製品を2019年1月にいち早く発売した。
「Mobil 1はハイブリッド車で高い性能を発揮し、エンジン保護性能でも認められてきました。SN PLUSの認証を受けたことで、ダウンサイジングターボエンジンにも安心して使用していただけます」
低燃費で高出力という、優れたエンジン性能を支えるのはエンジンオイルの力である。Mobil 1の新しいラインナップは、愛車のポテンシャルをフルに引き出してくれる頼もしい相棒なのだ。
(文=鈴木真人/写真=荒川正幸)

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。
-
NEW
マツダ・ロードスターS(後編)
2025.10.12ミスター・スバル 辰己英治の目利き長年にわたりスバル車の走りを鍛えてきた辰己英治氏。彼が今回試乗するのが、最新型の「マツダ・ロードスター」だ。初代「NA型」に触れて感動し、最新モデルの試乗も楽しみにしていたという辰己氏の、ND型に対する評価はどのようなものとなったのか? -
MINIジョンクーパーワークス(FF/7AT)【試乗記】
2025.10.11試乗記新世代MINIにもトップパフォーマンスモデルの「ジョンクーパーワークス(JCW)」が続々と登場しているが、この3ドアモデルこそが王道中の王道。「THE JCW」である。箱根のワインディングロードに持ち込み、心地よい汗をかいてみた。 -
航続距離は702km! 新型「日産リーフ」はBYDやテスラに追いついたと言えるのか?
2025.10.10デイリーコラム満を持して登場した新型「日産リーフ」。3代目となるこの電気自動車(BEV)は、BYDやテスラに追いつき、追い越す存在となったと言えるのか? 電費や航続距離といった性能や、投入されている技術を参考に、競争厳しいBEVマーケットでの新型リーフの競争力を考えた。 -
ホンダ・アコードe:HEV Honda SENSING 360+(FF)【試乗記】
2025.10.10試乗記今や貴重な4ドアセダン「ホンダ・アコード」に、より高度な運転支援機能を備えた「Honda SENSING 360+」の搭載車が登場。注目のハンズオフ走行機能や車線変更支援機能の使用感はどのようなものか? 実際に公道で使って確かめた。 -
新型「ホンダ・プレリュード」の半額以下で楽しめる2ドアクーペ5選
2025.10.9デイリーコラム24年ぶりに登場した新型「ホンダ・プレリュード」に興味はあるが、さすがに600万円を超える新車価格とくれば、おいそれと手は出せない。そこで注目したいのがプレリュードの半額で楽しめる中古車。手ごろな2ドアクーペを5モデル紹介する。 -
BMW M2(前編)
2025.10.9谷口信輝の新車試乗縦置きの6気筒エンジンに、FRの駆動方式。運転好きならグッとくる高性能クーペ「BMW M2」にさらなる改良が加えられた。その走りを、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価するのか?