三菱デリカD:5 P(4WD/8AT)/デリカD:5アーバンギア(4WD/8AT)
13年目の進化 2019.03.30 試乗記 高い悪路走破性能を身上とする三菱のユニークなミニバン「デリカD:5」がマイナーチェンジ。“コワモテ”のフロントマスクばかりが話題を集めているが、実際に乗ってみると、パワートレインにもシャシーにもはっきり進化の感じられる、充実した改良となっていた。変わったのは“顔”だけにあらず
新しいデリカが出たと聞き、ついにフルモデルチェンジして6代目に生まれ変わるのか……と早合点したのはきっと私だけではないはずだ。今回はフルモデルチェンジではなくマイナーチェンジ。冷静になればすぐにわかりそうなものだが、“新型”というフレーズに、つい浮き足立ってしまったのだ。
ボクシーで背の高い特徴的なスタイルや、端正なリアビューなど、見慣れているはずのエクステリアであるにもかかわらず、三菱が「ダイナミックシールド」と呼ぶ新しいフロントデザインや、それを際立たせる縦型のLEDヘッドライトに、すっかりだまされてしまったというわけだ。まさに三菱の思うつぼである。
ちなみに、“新型”として販売されるのは、ディーゼルエンジンを搭載した4WD仕様だけ。ガソリンエンジン搭載車は、これまでどおりの顔で継続販売されるという。そのぶん、新型のディーゼルエンジン車よりも手ごろな価格設定になっているのはうれしいところだ。
大胆で厳(いか)ついフロントマスクに視線が奪われがちな新型デリカD:5であるが、ビッグマイナーチェンジだけに、さまざまな部分がアップグレードされている。目に見えるところでは、インテリアデザインが見直されて、格段に上質さを増したのは特筆すべき点だ。特にコックピットは、落ち着いた水平基調のデザインや木目調パネルの採用に加えて、インストゥルメントパネルやセンターコンソール、ドアトリムなどにソフトパッドを配し、さらにホンモノのステッチをあしらうなどしたおかげで、ワンランク上の雰囲気に浸ることができる。
一方、見えない部分では、いまや軽自動車でも当たり前の衝突被害軽減ブレーキが備わり、さらに、レーダークルーズコントロールや車線逸脱警報システム、オートマチックハイビームを標準装着として、弱点を克服している。
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