【F1 2019 続報】第3戦中国GP「1000戦目、勝つべくして勝つ」

2019.04.14 自動車ニュース
F1第3戦中国GP、F1にとって記念すべき1000レース目を制したのは、メルセデスのルイス・ハミルトン(写真)。この週末、チームメイトのバルテリ・ボッタスに主導権を握られ、ハミルトンは予選で0.023秒差の2位に甘んじるも、スタートでトップを奪うことに成功。その後は盤石のレース運びで2連勝。中国GPでは最多となる6勝目、通算75勝目を完勝で飾り、ポイントリーダーの座に躍り出た。(Photo=Mercedes)
F1第3戦中国GP、F1にとって記念すべき1000レース目を制したのは、メルセデスのルイス・ハミルトン(写真)。この週末、チームメイトのバルテリ・ボッタスに主導権を握られ、ハミルトンは予選で0.023秒差の2位に甘んじるも、スタートでトップを奪うことに成功。その後は盤石のレース運びで2連勝。中国GPでは最多となる6勝目、通算75勝目を完勝で飾り、ポイントリーダーの座に躍り出た。(Photo=Mercedes)拡大

2019年4月14日、中国の上海インターナショナル・サーキットで行われたF1世界選手権第3戦中国GP。記念すべきF1の1000レース目は、ハイブリッド時代の雄が勝つべくして勝ったレースとなった。

FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスが上海に持ち込んだフロントウイングがルールにのっとったつくりではないと判断。メルセデスは急きょ、その対応に追われたものの、コースを走り始めるとその影響を感じさせない好パフォーマンスでフロントロー独占に成功。中でもボッタス(写真)は2回目、3回目のフリー走行でトップ、予選でもチームメイトのハミルトンを上回る好調さで、今季初ポールを獲得した。しかしレースでは、スタートでホイールスピンし2位に転落。その後ハミルトンを脅かすことはできず2戦連続の2位。ハミルトンには6点差をつけられ、ポイントリーダーの座も奪われた。(Photo=Mercedes)
FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスが上海に持ち込んだフロントウイングがルールにのっとったつくりではないと判断。メルセデスは急きょ、その対応に追われたものの、コースを走り始めるとその影響を感じさせない好パフォーマンスでフロントロー独占に成功。中でもボッタス(写真)は2回目、3回目のフリー走行でトップ、予選でもチームメイトのハミルトンを上回る好調さで、今季初ポールを獲得した。しかしレースでは、スタートでホイールスピンし2位に転落。その後ハミルトンを脅かすことはできず2戦連続の2位。ハミルトンには6点差をつけられ、ポイントリーダーの座も奪われた。(Photo=Mercedes)拡大
フェラーリはストレートでは最強。ただ、コーナリングスピードを含めたトータルなパッケージングではメルセデスに一日の長があった。予選でポールタイムから0.301秒遅れたセバスチャン・ベッテル(写真)は、3番グリッドからスタートでチームメイトのシャルル・ルクレールに抜かれ4位に落ちるも、チームオーダーを受けて3位を回復。しかしシルバーアローを追うには速さが足りず、表彰台では最後の一角どまりだった。(Photo=Ferrari)
フェラーリはストレートでは最強。ただ、コーナリングスピードを含めたトータルなパッケージングではメルセデスに一日の長があった。予選でポールタイムから0.301秒遅れたセバスチャン・ベッテル(写真)は、3番グリッドからスタートでチームメイトのシャルル・ルクレールに抜かれ4位に落ちるも、チームオーダーを受けて3位を回復。しかしシルバーアローを追うには速さが足りず、表彰台では最後の一角どまりだった。(Photo=Ferrari)拡大
レッドブルは、中国GP予選でメルセデス、フェラーリに次ぐ3列目という“いつものポジション”。しかし2台とも予選最後のアタックはできずに終わっていた。Q3セッション終了間際にコースに出たマシンがあまりにも多く、コース上は混み合い、レッドブルを含め計時に間に合わないマシンが出てしまった。通常はアタック前のアウトラップで前車を抜くことはマナー違反だが、マックス・フェルスタッペン(写真)の横をセバスチャン・ベッテルとルノーの2台がすり抜け、フェルスタッペンの怒りを買うことに。気を取り直して迎えたレースでは、5番グリッドからフェラーリの一角を切り崩して4位フィニッシュ。開幕から3戦、トップ2チームとの決して小さくない差を前に、マシンの改良を進めているという。(Photo=Red Bull Racing)
 
レッドブルは、中国GP予選でメルセデス、フェラーリに次ぐ3列目という“いつものポジション”。しかし2台とも予選最後のアタックはできずに終わっていた。Q3セッション終了間際にコースに出たマシンがあまりにも多く、コース上は混み合い、レッドブルを含め計時に間に合わないマシンが出てしまった。通常はアタック前のアウトラップで前車を抜くことはマナー違反だが、マックス・フェルスタッペン(写真)の横をセバスチャン・ベッテルとルノーの2台がすり抜け、フェルスタッペンの怒りを買うことに。気を取り直して迎えたレースでは、5番グリッドからフェラーリの一角を切り崩して4位フィニッシュ。開幕から3戦、トップ2チームとの決して小さくない差を前に、マシンの改良を進めているという。(Photo=Red Bull Racing)
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前戦バーレーンGPでは、V6ターボエンジンのシリンダーにトラブルが起き、惜しくも初優勝を逃したルクレール(写真)。原因とされた電子コントロールユニットに対策を施し上海へとやってきたが、予選では自分のミスも響き、チームメイトのベッテルに先を越されて4番手。アタックを終えると、「シャルル、なんてことをしたんだ!」と無線で叫び、自責の念を吐露していた。レースではスタートでベッテルを抜き3位に上がるも、前のメルセデス2台を追うスピードはないと判断され、チームオーダーによりベッテルに3位の座を譲った。その後は作戦面でも妥協を余儀なくされ、フェルスタッペンにも前を行かれて結果5位。フラストレーションが残る週末となった。(Photo=Ferrari)
前戦バーレーンGPでは、V6ターボエンジンのシリンダーにトラブルが起き、惜しくも初優勝を逃したルクレール(写真)。原因とされた電子コントロールユニットに対策を施し上海へとやってきたが、予選では自分のミスも響き、チームメイトのベッテルに先を越されて4番手。アタックを終えると、「シャルル、なんてことをしたんだ!」と無線で叫び、自責の念を吐露していた。レースではスタートでベッテルを抜き3位に上がるも、前のメルセデス2台を追うスピードはないと判断され、チームオーダーによりベッテルに3位の座を譲った。その後は作戦面でも妥協を余儀なくされ、フェルスタッペンにも前を行かれて結果5位。フラストレーションが残る週末となった。(Photo=Ferrari)拡大

1000レース目のマイルストーン

第2次世界大戦で中断を余儀なくされていたヨーロッパでのモータースポーツが、「F1世界選手権」として装いも新たに再開したのは1950年のこと。この年の5月13日、イギリスはシルバーストーンで開催されたF1第1戦目の勝者は、戦前から強豪として名をはせていたアルファ・ロメオを駆るジュゼッペ・ファリーナだった。

それから70年目の2019年4月、F1は記念すべき1000レース目を迎え、映えある舞台となった中国GPはお祝いムードに包まれた。

しかし、見方によってはレースの数え方が変わり、「正確には1000レースではない」との声も聞こえてきたのも事実。例えば黎明(れいめい)期の1950年から11年間、便宜的にカレンダーに組み込まれたアメリカのインディアナポリス500マイルは、純粋なF1レースとは言い難いかもしれないし、また1952年から2年間は、F1の下のカテゴリーであるF2のレギュレーションで行われていた。さらに1980年のスペインGPは、当時の統括団体FISA(現FIA=国際自動車連盟)とチーム側FOCAの対立の影響で、チャンピオンシップから外されるということもあった。

とはいえ、長い間一度も途絶えることなく選手権が続いてきたことも、また紛れもない事実である。これまでF1が開催された国は32カ国。774人のドライバーが参戦し、誕生したワールドチャンピオンは33人、レースウィナーは2017年ロシアGPで初優勝したバルテリ・ボッタスまで107人を数えるに至った。1000戦目を前に、各節目のレースを制したドライバーやチームの名前を挙げるだけでも、F1の歴史の厚みというものを感じずにはいられないだろう。

・100戦目 1961年ドイツGP スターリング・モス(ロータス・クライマックス)
・200戦目 1971年モナコGP ジャッキー・スチュワート(ティレル・フォード)
・300戦目 1978年南アフリカGP ロニー・ピーターソン(ロータス・フォード)
・400戦目 1984年オーストリアGP ニキ・ラウダ(マクラーレン・TAGポルシェ)
・500戦目 1990年オーストラリアGP ネルソン・ピケ(ベネトン・フォード)
・600戦目 1997年アルゼンチンGP ジャック・ビルヌーブ(ウィリアムズ・ルノー)
・700戦目 2003年ブラジルGP  ジャンカルロ・フィジケラ(ジョーダン・フォード)
・800戦目 2008年シンガポールGP フェルナンド・アロンソ(ルノー)
・900戦目 2014年バーレーンGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

5冠王者ファン・マヌエル・ファンジオらと覇を競い、通算16勝を記録しながらも一度もタイトルを取れなかった“無冠の帝王”モスをはじめ、3度栄冠を勝ち取り、以後長年にわたり安全性向上にも尽力したスチュワート、ニュルブルクリンクでの大事故で瀕死(ひんし)の重傷を負いながら不死鳥のごとくよみがえったラウダ、ハイブリッド時代の覇者であるハミルトン&メルセデスなど、名だたる面々が並ぶ。さらには天才デザイナー、コーリン・チャップマンにより数々の名車を世に出したロータス、F1通算155勝の名機、フォードのコスワースDFVなど伝説的なチームやエンジンの名前も見つけられる。また当初は欧州各国が中心だったGPも、今ではアジアや中東を含め真の“世界”選手権となってきたのも分かるだろう。

昨今のF1は、チーム間による格差問題や世界的な人気の陰り、そして空力性能を先鋭化し過ぎたゆえに前車を抜きづらくなったことなど、多くの問題に直面している。果たして次の1100戦目、1200戦目に、F1をどのようなかたちで残していくべきなのか──2017年からF1のオーナーとして米リバティ・メディアがさまざまな改革に乗り出しているが、統括するFIA、チーム関係者、スポンサーの足並みは必ずしもそろっていない。

だが過去を振り返ってみれば、戦禍からの欧州復興の象徴でもあったF1は、数々の大事故や不幸な事故死、その時々の政治や経済情勢、度々訪れた分裂の危機など、幾多の試練に耐えながら今日を迎えていることが見えてくる。1000戦目が投げかけるのは、「過去」から「今」を知り、「明日」をどう生きればいいのかを、俯瞰(ふかん)的に捉えようとする視座ではないだろうか。

次の2000レース目がやってくるのはおよそ50年後。70年目のF1、1000レース目のマイルストーンに、勝者として名を刻むのは果たして……。

今季に入り、マシンのセッティングに頭を悩ませることが多かったレッドブル。開幕前の冬のテストでピエール・ガスリー(写真)が大クラッシュしたことが、マシン開発の遅れにつながっているのでは、との声も聞こえてきている。チームの中核をなすフェルスタッペンの僚友という、ただでさえ難しいポジションにいるガスリーは、3戦目にしてようやくQ3進出を果たし、チームメイトに大差をつけられつつも6番グリッドを獲得。レースでもそのポジションを守り抜いて2戦連続入賞を決めた。後続との間に十分なマージンを築いていた終盤には、ファステストラップを狙いにタイヤを交換、最速タイムを計時したことでボーナスの1点も持ち帰ることに。(Photo=Red Bull Racing)
今季に入り、マシンのセッティングに頭を悩ませることが多かったレッドブル。開幕前の冬のテストでピエール・ガスリー(写真)が大クラッシュしたことが、マシン開発の遅れにつながっているのでは、との声も聞こえてきている。チームの中核をなすフェルスタッペンの僚友という、ただでさえ難しいポジションにいるガスリーは、3戦目にしてようやくQ3進出を果たし、チームメイトに大差をつけられつつも6番グリッドを獲得。レースでもそのポジションを守り抜いて2戦連続入賞を決めた。後続との間に十分なマージンを築いていた終盤には、ファステストラップを狙いにタイヤを交換、最速タイムを計時したことでボーナスの1点も持ち帰ることに。(Photo=Red Bull Racing)拡大

最前列にメルセデス、ポールはボッタス

前戦バーレーンGPで、フェラーリはライバルを圧倒しながら、史上99人目のポールシッターとなったシャルル・ルクレールが初優勝間近でエンジントラブルに泣き3位、セバスチャン・ベッテルはドライビングミスで5位と残念な結果に終わった。

第3戦中国GPも、2本のロングストレートを持つ上海インターナショナル・サーキットが舞台ということもあり、直線スピードを武器とするフェラーリが優勝候補と目されていた。しかし、フリー走行が始まると、3回のうち2度もメルセデスにトップタイムを奪われ、予選でもシルバーアローに先行を許すことになった。予選Q3ではメルセデス同士が激しいポールポジション争いを繰り広げ、この週末を好調にこなしてきた開幕戦ウィナーのボッタスが今季初、自身通算7回目のポールを獲得。ハミルトンは0.023秒チームメイトに離され予選2位となり、メルセデスは今季2度目、通算では59回目の最前列ロックアウトを成し遂げた。

以降トップ10まで、各列に同じマシンが並ぶグリッド。これは2011年のシンガポールGP以来となる史上2度目の出来事だという。2列目にはフェラーリの2台が並び、ポールから0.301秒遅れたベッテル3位、ルクレールは僚友に 0.017秒及ばず4位。3列目はレッドブル勢で、マックス・フェルスタッペン5位、ピエール・ガスリーは3戦目にして今季初のQ3進出を果たし6位に入ったものの、フェルスタッペンとの間には0.8秒ものギャップがあった。4列目はルノーで、ダニエル・リカルドが移籍後の最上位グリッドである7位、ニコ・ヒュルケンベルグは8位。そしてケビン・マグヌッセン9位、ロメ・グロジャン10位とハースが5列目を占めた。

トップチームのレッドブルから、今季中堅ルノーに移籍したダニエル・リカルド(写真左)。慣れないマシンや環境、そして厳しいミッドフィールダー同士の争いに手を焼いていたようだが、3戦目にしてようやく今季初のQ3進出を果たし7番グリッドを獲得。レースでもそのポジションを守り切り、周回遅れながら7位完走を果たした。徐々に戦闘力を上げてきているルノーだが、それでもメルセデス、フェラーリ、レッドブルの「3強」との大きなギャップは認めざるを得ない。リカルドが再び表彰台の頂点に立つ日はくるのか?(Photo=Renault Sport)
トップチームのレッドブルから、今季中堅ルノーに移籍したダニエル・リカルド(写真左)。慣れないマシンや環境、そして厳しいミッドフィールダー同士の争いに手を焼いていたようだが、3戦目にしてようやく今季初のQ3進出を果たし7番グリッドを獲得。レースでもそのポジションを守り切り、周回遅れながら7位完走を果たした。徐々に戦闘力を上げてきているルノーだが、それでもメルセデス、フェラーリ、レッドブルの「3強」との大きなギャップは認めざるを得ない。リカルドが再び表彰台の頂点に立つ日はくるのか?(Photo=Renault Sport)拡大

ハミルトン首位、メルセデス1-2堅持

1000レース目にふさわしい、抜きつ抜かれつの好ゲームを期待しつつ、56周の戦いの火ぶたが切って落とされたのだが、結果からすれば、最前列に並んだメルセデスに敵はいなかった。

スタートではハミルトンがトップを奪い、ホイールスピンが多かったボッタスは2位に転落。ルクレール3位、ベッテル4位とこちらもチームメイト間で順位変動があり、フェルスタッペン5位、ガスリー6位とレッドブル勢が続いた。後方でダニール・クビアトのトロロッソとマクラーレンの2台が接触したことでバーチャルセーフティーカーが出たものの、2周目には解かれることとなった。

首位ハミルトンは5周で2秒、2位ボッタスも3位ルクレールに対して同程度のギャップを築く一方、フェラーリの2台は互いに1秒と離れず僅差で周回。11周目、フェラーリは「ベッテルを先に行かせろ」と指示し、ルクレールを4位に後退させるも、3位に上がったベッテルも4秒半前のメルセデスを追えず、赤と銀の差はどんどん開いていった。

トップランナーの中で最初にピットに飛び込んだのは5位フェルスタッペン。18周目にミディアムタイヤからハードに履き替えて第2スティントへ旅立つと、翌周には3位ベッテルがこの動きにならった。フェルスタッペンのアンダーカットを阻止したベッテルだったが、フェルスタッペンはフェラーリに必死に食らいつき、2台は激しいつばぜり合いを見せる。ストレート直後のヘアピンで、レッドブルがフェラーリの間隙(かんげき)を突いてオーバーテイクを決めたのだが、すかさず赤いマシンが抜き返すことに成功。昨年同様の2人のドッグファイトはこのレースの見せ場のひとつとなった。

F1は1000レース目、トロロッソは250戦目の節目を迎えた。今季デビューし、2戦目のバーレーンGPで9位完走、初ポイントを得たアレクサンダー・アルボン(写真)は、限られたF1経験ながら、マシンのコントロールやタイヤの使い方、エンジニアへのフィードバックなどチーム内でも高い評価を得ていた。しかし中国GPのフリー走行3回目で大クラッシュを演じてしまい、マシンは大破。予選不出走でピットレーンスタートと大きなハンディキャップを背負うことに。それでもステディーな走りでポイント圏内の10位まで挽回、最後はロメ・グロジャンのハースの猛追にも耐え、見事2戦連続入賞を成し遂げた。チームメイトのダニール・クビアトは、予選Q3まで0.022秒という僅差で迫り11番グリッド。レースではオープニングラップでマクラーレンと接触、その責任を問われてドライブスルーペナルティーを受けた後、43周してリタイア。なおホンダは、クビアトのパワーユニットに異常を見つけ、予防的措置としてパワーユニット交換を実施。クラッシュしたアルボンのマシンにも新しいものを載せる決断を下した。(Photo=Toro Rosso)
F1は1000レース目、トロロッソは250戦目の節目を迎えた。今季デビューし、2戦目のバーレーンGPで9位完走、初ポイントを得たアレクサンダー・アルボン(写真)は、限られたF1経験ながら、マシンのコントロールやタイヤの使い方、エンジニアへのフィードバックなどチーム内でも高い評価を得ていた。しかし中国GPのフリー走行3回目で大クラッシュを演じてしまい、マシンは大破。予選不出走でピットレーンスタートと大きなハンディキャップを背負うことに。それでもステディーな走りでポイント圏内の10位まで挽回、最後はロメ・グロジャンのハースの猛追にも耐え、見事2戦連続入賞を成し遂げた。チームメイトのダニール・クビアトは、予選Q3まで0.022秒という僅差で迫り11番グリッド。レースではオープニングラップでマクラーレンと接触、その責任を問われてドライブスルーペナルティーを受けた後、43周してリタイア。なおホンダは、クビアトのパワーユニットに異常を見つけ、予防的措置としてパワーユニット交換を実施。クラッシュしたアルボンのマシンにも新しいものを載せる決断を下した。(Photo=Toro Rosso)拡大

勝つべくして勝つ

ボッタスは22周目、続いてルクレール、ハミルトンとタイヤをハードに替えると、1位ハミルトン、1秒半離されて2位ボッタス、そこから7秒近く遅れて3位ベッテル、3秒半後に4位フェルスタッペン、さらに10秒後方に5位ルクレールというオーダーに。フェラーリはベッテルのポジションを優先し、5位に落ちたルクレールが割を食うかっこうとなった。

35周目、レッドブルが口火を切るかたちで、各陣営が2回目のタイヤ交換に踏み切った。4位フェルスタッペンがハードからミディアムに履き替えると、続いてベッテル、ハミルトン、ボッタスらもピットイン。その間、ルクレールはハードタイヤのまま周回を重ね、43周目までタイヤ交換を我慢。5位から最後のスパートに賭けたのだが、4位フェルスタッペンとの15秒のギャップを縮めるには残り周回は少な過ぎ、またギアの不調を感じ取ったことで5位を受け入れざるを得なかった。

結局、スタートを成功させたハミルトンが2連勝を飾り、ボッタスは最初の数秒で勝機を逸した。金曜日、土曜日とチームメイトに先行を許し、「この週末のバルテリ(ボッタス)は素晴らしい」とチームメイトの力量を認めつつ、最も重要な日曜日になると最良の仕事をこなし真っ先にチェッカードフラッグを受ける──今季、史上2人目の6冠を目指すハイブリッド時代の雄、ハミルトンの確実でしたたかな戦いぶりに、やはり王者は勝つべくして勝つものだと思い知らされた。これでメルセデスは3戦連続1-2フィニッシュを達成し、チャンピオンシップでフェラーリを57点も突き放すこととなった。

3位に終わったベッテルは、今年初めてポディウムに上ったものの、「表彰台はうれしいけれど、メルセデスはスタートから速すぎた」と語るように及第点には程遠い内容。次戦のアゼルバイジャンGPの舞台は、2.2kmの長いストレートを持つ市街地コースゆえ、今度こそ持ち前の直線スピードでライバルを蹴散らしたいところだが……。その第4戦の決勝は、4月28日に行われる。

(文=bg)

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