トヨタのブースはプレイグラウンド!? 未来を体感できる展示でアピール【東京モーターショー2019】
2019.10.24 自動車ニュース![]() |
トヨタ自動車は2019年10月23日、第46回東京モーターショーの会場においてプレスカンファレンスを開催し、同社が考える未来のさまざまなモビリティーを紹介した。
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市販予定車のない会場で
プレスカンファレンス開始のカウントダウンが始まると、スクリーンに映し出されたのはモリゾウらしき人物のシルエット。時間になると、“VTuber(ブイチューバ―)”のモリゾウが飛び出した。モリゾウがアニメーションの「e-Palette(eパレット)」で未来のモビリティー都市に移動すると、ステージの左手からリアルなeパレットが現れた。中から降りてきたのは本物の豊田章男社長だった。
やたらハイテンションな豊田社長が「(バーチャルな)キャラのままのほうがよかったかな?」と言うと、またVTuberモリゾウがスクリーンに。リアルとVRが交代しながら話を進めていく。
豊田社長は、「今日はクルマではなく、人の話をします!」と力強く宣言した。「ここには、来年発売されるクルマはありません。あるのはサービスを提供するモビリティーです」
例えば新型「ヤリス」は、会場の外にあるヴィーナスフォートという施設に移動しなければ見ることができないのだ。
次に登場したのは「e-Chargeair」ダンサーズ。白い衣装に白マスクで踊りまくり、プロジェクションマッピングで未来感を演出する。e-Chargeairというのは非接触充電システムを備え、自動運転で走行しては電動車に電力を補給してくれるというモビリティーなのだが、あまりに唐突すぎて関連性を理解できた人は少なかったようだ。
自動運転やシェアリングに関して積極的に取り組んでいるトヨタだが、何でも共有することにはならないと強調する。
「モビリティーを共有するからこそ、パーソナルなクルマが欲しくなります。例えば、こんなクルマはどうでしょう?」
そう紹介されたのが「e-RACER」。タンデム2シーターのスポーツカーだ。実際に発売されることはなさそうだが、クルマの個人所有はなくならないと確信しているということなのだろう。
豊田社長は「自分の意思でもっと速く、もっと遠くへ行きたいと思うのは、人間の基本的な欲求です」と語気を強めた。かつて移動手段が馬からクルマに移行した際も、競走馬は残ったと話す。
「クルマもAIで人と心を通わせるようになり、馬車と愛馬が共存することになるでしょう」
以前から“愛車”という言葉をアピールしてきた豊田社長らしい言葉だ。
スクリーンには再びVTuberモリゾウが登場。空飛ぶほうきをモチーフにした「e-broom」で飛び回りながらトヨタブースを紹介した。来場者はまず登録してレジデンスカードを取得し、「ヘルスチェッカー」や「e-RACERフォト」などのコーナーを体験するとポイントがたまる。出口にある「トヨタコンビニ」では、ポイントに応じてトヨタグッズと交換することができる。市販予定車の展示がないトヨタブースは、未来体験型のプレイグラウンドがコンセプトなのだ。
豊田社長が最後に触れたのは、トヨタの始祖である豊田佐吉翁。彼が開発した自働織機は「人間を機械の番人にしない」という信念から生まれた。だから、自動ではなくニンベンの“自働”という字を用いる。人を中心に置くのがトヨタの変わらない方針だと話す。
「トヨタは人間の力を信じています!」
高らかに声を上げて、豊田社長とVTuberモリゾウはステージを降りた。
(文=鈴木真人)
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