トヨタ・ライズZ(FF/CVT)
軽いはただしい 2020.01.21 試乗記 トヨタの新型SUV「ライズ」に試乗。全長4m以下のコンパクトなボディーに広い室内、そしてパワフルな1リッターエンジンなどさまざまな魅力を備えた同車だが、リポーターが何よりもしびれたのはその“軽さ”だった。スペックシートに驚く
ダイハツがつくり、トヨタでも売るのが1リッターのコンパクトSUV、「ダイハツ・ロッキー」とトヨタ・ライズである。フロントグリルなどの意匠は異なるが、いちばん違うのが月販目標台数だ。ロッキーの2000台に対して、ライズは倍以上の4100台を掲げる。トヨタがそれだけ売ってくれるからこそ、製造メーカーとしてはすっかり軽専門になっていたダイハツも安心してつくれたともいえる。
2019年の師走に入ってすぐ、トヨタの広報車デポに試乗車を取りに行く。FFの最上級モデル「Z」(206万円)。隣には「センチュリー」が黒い巨体を休めていた。この日は朝から妙に暖かく湿気があり、激しい雨が降っていた。かつてユーミンが歌った『12月の雨』とは違うゲリラ豪雨みたいな降りかただ。
こういう天気だと、SUVは心の“保険”かもなあと走りだしての第一印象。白ナンバーの車としてはちょっと軽っぽいなと思った。3気筒サウンドのせいもあるし、フロアまわりの剛性感を含む乗り心地も「RAV4」のようにはしっかりしていない。
しかし、あらためてスペックを見て驚いた。このクルマ、980kgしかないのだ。以前試乗した「ダイハツ・タントカスタムRS」より60kg重いだけ。1t以下だから、重量税は白ナンバー最安。押し出しのきくマスクと彫りの深いサイドパネルのおかげで、けっこう大きく見えるが、全長はぎり4m以下。佐渡や桜島のフェリーなら軽自動車と同じ運賃ですむ。