キャデラックXT4スポーツ(前編)

2021.05.27 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 アメリカのプレミアムブランド、キャデラックがSUV開発の技術を結集させたというニューモデル「XT4」。ワインディングロードでステアリングを握った谷口信輝は、その走りをどう評価する?
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ちゃんと“伝わる”クルマ

「あれ、これってディーゼルですか?」

キャデラック初のコンパクトSUVであるXT4のエンジンをかけた瞬間、谷口信輝の口からそんな言葉がこぼれ出た。試乗車の「XT4スポーツ」が実際に搭載しているエンジンは最高出力230PSと最大トルク350N・mを生み出す2リッター直4ガソリンターボであってディーゼルではないのだが、谷口の期待値に比べるとノイズとバイブレーションがちょっと大きめだったせいで、そんな誤解を招いてしまったようだ。

ただし、走り始めてからは、このエンジンのことを谷口はむしろ高く評価した。
「あー、普段乗りで使う領域のトルク感はすごくありますね。そこから加速していって3000rpmから5000rpmでもちゃんと力が出ている。もうちょっとエンジンの回転フィールは滑らかでもいいけれど、発進はシャープで気持ちいいです。いまも、軽くホイールスピンするくらいの勢いで走り始めましたよね。つまり、ドライバーが踏み込んだアクセル量がちゃんとエンジンに伝えられている感じ。これは、僕、好きですね」

裏を返せば、ドライバーが踏み込んだアクセル量をそのままエンジンに伝えないクルマが最近は多いということか?

「そうなんですよ」と谷口。
「僕がアクセルペダルを踏んでも、クルマがドライバーを信用してくれなくて、ちゃんとパワーを生み出すようにエンジンに指令を出さないクルマが最近は多いんですよ。まるで『オマエ、本当にそれでいいのか?』って言われているみたい。一種の過保護ですよね。それは、ミスを犯すかもしれないドライバーに対しては必要なのかもしれないけれど、僕に限って言えばミスはしないし、仮にしたとしてもコントロールできるから、そういう余計なことはしてほしくありません。ところが、このXT4は僕がアクセルペダルを踏めば踏んだぶんだけパワーを発生してくれる。しかも、エンジンのレスポンスがいいから出足は俊敏。もちろん、タイヤがスキッドしそうになったらトラクションコントロールが介入してくるけれど、そこまではドライバーの自由にさせてくれるところがうれしいですね」

 
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