技術はあれど成功ならず 2代目「ホンダNSX」はなぜ短命に終わるのか?

2021.08.23 デイリーコラム

初代と比べて「あっという間」

先日アナウンスされた2代目「NSX」の生産終了については、さまざまな見解がメディアに取り上げられているのをご覧になられた方も多いのではないでしょうか。市場投入から5年余といえば、売れ筋のクルマでもフルモデルチェンジを迎えるか否かというタイミング。現行型「マツダ・ロードスター」が2015年に登場……と聞けば、ワンオフのスポーツカーの生涯としてはなんとも短いことがわかります。

バブル景気の波とF1常勝の追い風を受けて登場した初代NSXは、対峙(たいじ)するものが明快でした。端的には量産スポーツカーの世界で頂点に立つ「ポルシェ911」と「フェラーリ328」、この2つを超える存在であろうとしたわけです。ゆえに当時の両車が備えていなかったもの、優れた操縦安定性や信頼性、快適性などを携えた、ドライバーに優しいミドシップのスーパースポーツというコンセプトが立てられ、開発はそこに向かっていく作業となりました。

当初は「ヒリヒリするような快感がない」だの「ご立派なトランクですこと」だのといろいろ言われたわけですが、ゴードン・マレーがその多様性を褒めたたえ「マクラーレンF1」の開発にも影響を及ぼしたとか、ガンさん(黒沢元治)の超絶ドライビングでニュル8分切りのタイムをひねり出し、漢(おとこ)になったとか、いくつもの逸話に彩られて15年の歴史に幕を閉じたわけです。

ホンダの高性能スポーツカー「NSX」。2代目となる現行型は、2022年12月で生産終了することが決まっている。
ホンダの高性能スポーツカー「NSX」。2代目となる現行型は、2022年12月で生産終了することが決まっている。拡大
1990年に登場するや、それまでなかった高性能スポーツカー像を提案する一台として注目された初代「ホンダNSX」。以後、およそ15年にわたって生産された。
1990年に登場するや、それまでなかった高性能スポーツカー像を提案する一台として注目された初代「ホンダNSX」。以後、およそ15年にわたって生産された。拡大
初代「NSX」で特徴的だったのが、リアエンドに設けられたトランクルーム。高性能スポーツカーでありながら、ゴルフバッグを積んで出かけることもできた。
初代「NSX」で特徴的だったのが、リアエンドに設けられたトランクルーム。高性能スポーツカーでありながら、ゴルフバッグを積んで出かけることもできた。拡大
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