ロータスが新型電気自動車「エレトレ」を世界初公開 2022年後半に生産を開始

2022.03.30 自動車ニュース webCG 編集部
ロータス・エレトレ
ロータス・エレトレ拡大

英ロータスは2022年3月29日(現地時間)、新型電気自動車(EV)「Eletre(エレトレ)」を発表した。

「ロータス・エレトレ」は、タイプ132のコードネームで開発が行われてきたロータス初のオールエレクトリックハイパーSUV。
「ロータス・エレトレ」は、タイプ132のコードネームで開発が行われてきたロータス初のオールエレクトリックハイパーSUV。拡大
ボディーサイズ(電動リバースミラーディスプレイ車)は全長×全幅×全高=5103×2135×1630mmで、ホイールベースは3019mm。
ボディーサイズ(電動リバースミラーディスプレイ車)は全長×全幅×全高=5103×2135×1630mmで、ホイールベースは3019mm。拡大
高さ30mm未満の薄型の液晶メーターパネルが組み込まれたインストゥルメントパネルは、「必要のないものは取り除く」というロータスのライトウェイト哲学に基づきデザインされている。
高さ30mm未満の薄型の液晶メーターパネルが組み込まれたインストゥルメントパネルは、「必要のないものは取り除く」というロータスのライトウェイト哲学に基づきデザインされている。拡大
シートにはウール混紡生地を使用。従来の本革よりも50%軽い素材だとアナウンスされている。
シートにはウール混紡生地を使用。従来の本革よりも50%軽い素材だとアナウンスされている。拡大
後部座席が2座となる4人乗り(写真)もしくは3人掛けの5人乗り仕様が選択できる。
後部座席が2座となる4人乗り(写真)もしくは3人掛けの5人乗り仕様が選択できる。拡大
後席の中央部にセンターコンソールを配置(4座仕様)。角度調整が可能なインフォテインメント用の9インチタッチスクリーンが組み込まれている。
後席の中央部にセンターコンソールを配置(4座仕様)。角度調整が可能なインフォテインメント用の9インチタッチスクリーンが組み込まれている。拡大
整流効果を高めるカーボンファイバーのブレードが組み込まれた、23インチの5スポークデザインのアロイホイールが採用される。
整流効果を高めるカーボンファイバーのブレードが組み込まれた、23インチの5スポークデザインのアロイホイールが採用される。拡大
一充電あたりの航続可能距離はWLTPモード値で600kmが目標とされ、急速充電システムのほか、22kWのAC充電システムも標準装備している。
一充電あたりの航続可能距離はWLTPモード値で600kmが目標とされ、急速充電システムのほか、22kWのAC充電システムも標準装備している。拡大

ロータスのDNAを継承

今回発表されたロータス・エレトレは、タイプ132のコードネームで開発が行われてきたロータス初のオールエレクトリックハイパーSUVである。イギリス・へセルの本社が企画・開発を担当し、ドイツ・ラウンハイムのロータステクノロジーイノベーションセンターがスウェーデン・イエーテボリのエンジニアリングチームとともに耐久テストや認証作業を実施。中国・武漢に新設されたファクトリーで生産される。こうしたグローバルな体制をもってロータスはエレトレを「Born British, Raised Globally」と紹介している。

エレトレのデザインは、ベン・ペイン氏が率いるロータステクノロジークリエイティブセンター(LTCC)が担当。イギリス・コベントリーにあるLTCCは、前身のジーリー・デザインUKが2022年1月に改称した組織で、ノリッジにある従来のスタジオがスポーツカーのデザインを、LTCCがそれ以外のデザインを担当するというすみ分けがなされている。

キャブフォワードデザインを基本とし、ロングホイールベースとショートオーバーハングが特徴的なエレトレのフォルムは、2019年に発表されたハイパーEV「エヴァイア」のデザインランゲージを継承しているとされる。デザイン上のキーワードはエヴァイアと同じく「ポロシティー(多孔性)」で、フロントホイールアーチの前後やリアホイールアーチ後方、Dピラー上部に備わるベンチュリートンネルを用いて走行中に車両の上下や周囲に流れる空気をコントロール。空力学的な理論に基づき空気抵抗を低減し、航続距離や速度の向上など、より効率的な走行が可能になるというメリットが掲げられる。

ボディーサイズ(電動リバースミラーディスプレイ車)は全長×全幅×全高=5103×2135×1630mmで、ホイールベースは3019mm。ドアミラー車の全幅は2231mm(ミラーを含む)となる。

プラットフォームはエレクトリックプレミアムアーキテクチャー(EPA)と呼ばれるもので、アルミと高張力鋼板で構成されている。地面に近い「スケートボードデザイン」が良好なハンドリングに寄与するほか、簡単にバッテリーサイズやモーター、コンポーネントレイアウト、駆動方式の変更に対応でき、また必要に応じてアップデートが可能であるという。

素材にこだわったインテリア

インテリアは、ロータスのライトウェイト哲学に基づきデザインされている。「必要のないものは取り除く」というコンセプトにより高さ30mm未満の薄型の液晶メーターパネルが組み込まれたインストゥルメントパネルはシンプルにまとめられているが、リアスポイラーの形状をモチーフとしたダッシュボードの上部や、六角形のステアリングホイールなど、ユニークなデザインも目を引く。

運転席側のメーターパネルは主要車両情報とトリップ情報を表示し、AR技術を採用したヘッドアップディスプレイも装備されている。助手席側のメーターパネルでは各種メディアの選択が行えるほか、近くの名所などさまざまな情報が表示される。センターコンソールに置かれた15.1インチのタッチ式ディスプレイには収納機能が備わっており、不要な場合はフラットに折りたたむことができるのも同車の特徴である。

シートレイアウトは4座もしくは5座。4座仕様の場合は、後席の中央部にセンターコンソールを配置。角度調整が可能なインフォテインメント用の9インチタッチスクリーンと、ワイヤレス充電トレイ、カップホルダー、分割式のアームレストが備わっている。手に触れる部分にはプレミアム感と耐久性の高い人口マイクロファイバーを、シートにはウール混紡生地を使用。これらは従来の本革よりも50%軽い素材だが、さらなる軽量化も可能だという。

室内で使用されるカーボンは、端材を用いたリサイクルアイテム。樹脂で圧縮され、高級大理石のような仕上がりになっているとアナウンスされる。

標準装備となるオーディオシステムはイギリスの老舗オーディオブランドKEFによるもので、同軸上にツイーターとミッド/ベースレンジコーンを配置したUni-Qと呼ばれるスピーカードライバーとサラウンドサウンドテクノロジーを組み合わせた、800Wの15スピーカーシステムで構成されている。

前後にモーターを配置する4WDを採用

エレトレは、前後の車軸に各1基のモーターを搭載する4WD車で、800VのEVアーキテクチャーが用いられている。システム最高出力は603PS。駆動用バッテリーの総電力量は100kWhを超え、一充電あたりの航続可能距離はWLTPモード値で600kmが目標とされている。350kW の超急速充電器を使えば、20分で航続距離400km分の充電量を確保できるほか、22kWのAC充電システムにも対応している。

パフォーマンスについては、0-100km/hの加速タイムが3秒以下、最高速が260km/hとアナウンスされている。

エアサスペンションとコンティニュアンスダンピングコントロールが標準で装備されており、さらにステアリングやダンパー、パワートレイン、アクセルレスポンスを調整する「ツアー」「スポーツ」「オフロード」「インディビジュアル」の4種類から選択できるドライブモードも備わっている。

エレトレは2022年後半に生産がスタート。北米や中国を中心に販売が開始される予定だ。

(webCG)

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