AMGが独自に開発 新型「メルセデスAMG SL」発売

2022.10.24 自動車ニュース webCG 編集部
メルセデスAMG SL43
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メルセデス・ベンツ日本は2022年10月24日、高級オープンスポーツカー「メルセデス・ベンツSLクラス」の新型たる「メルセデスAMG SL」の導入を発表。同日、販売を開始した。

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空力性能も徹底追求したという「メルセデスAMG SL」。空気抵抗を示すCd値は0.31と公表されている。
空力性能も徹底追求したという「メルセデスAMG SL」。空気抵抗を示すCd値は0.31と公表されている。拡大
ルーフの開閉に要する時間は、ともに15秒。60km/hまでであれば走行中でも操作できる。
ルーフの開閉に要する時間は、ともに15秒。60km/hまでであれば走行中でも操作できる。拡大
「メルセデスAMG SL43」には「AMGスポーツシート」が標準装備される。
「メルセデスAMG SL43」には「AMGスポーツシート」が標準装備される。拡大
2人乗りの後席。ただし身長150cm以下のパッセンジャーが想定されている。
2人乗りの後席。ただし身長150cm以下のパッセンジャーが想定されている。拡大

ソフトトップで後席もある

SLは、1954年に初代が誕生して以来、メルセデス・ベンツの最上級オープンカーと位置づけられてきたモデル。今回発売された新型は7代目にあたり、ハイパフォーマンスカーを扱うサブブランド、メルセデスAMGがその開発を担当した。

先代は「バリオルーフ」と呼ばれるリトラクタブルハードトップを採用していたが、新型はルーフがソフトトップであることに加え、4代目以来となる2+2レイアウトを採用していることもトピックとなっている。

ボディーサイズは2+2化に伴い、欧州仕様車の値で全長×全幅×全高=4705×1915×1353mmと、先代に対してひとまわり大型化。デザインにおいては、ロングホイールベース、ショートオーバーハング、ロングボンネットといったSLらしい要素を継承しつつ、メルセデスの基本思想「Sensual Purity(官能的純粋)」に、AMGのスポーティーな要素を融合したとのこと。14本の垂直ルーバーを持つAMG専用グリルや、優れた空力性能にも寄与する(空気抵抗係数のCd値は0.31)格納式のドアハンドルおよびリアウイングなどが特徴とされている。

Z型に収納される電動ソフトトップは防音マットを中間に挟んだ3層構造で、優れた静粛性を実現しただけでなく、金属製バリオルーフを採用した場合に比べて、21kgもの軽量化と低重心化を実現。開閉に要する時間は、ともに15秒で、60km/hまでであれば走行中でも操作が可能だ。

インテリアについては、左右対称の翼型ダッシュボードや彫刻的なデザインのAMGスポーツシート(標準装備)、新たな意匠のタービンノズル型エアアウトレット、縦型の11.9インチメディアディスプレイなどがポイント。このディスプレイには、ソフトトップ開放時に生じる光の反射を防ぐために画面の角度を調節する機能も備わる(調整範囲は12~32度)。

目玉とされる後席は、「あくまで日常における実用性を高めるもの」で、パッセンジャーの身長は150cmまで(チャイルドセーフティーシート装着時は135cmまで)とされている。前席のみ使用する際は、車内への巻き込みを防ぐドラフトストップを装着可能。ゴルフバッグなどを積み込む追加の収納スペースとしての使用が推奨されている。なお、トランクルームの容量は213リッター。ソフトトップを閉じ、トランクルーム内のパーティションを変えることで約240リッターにまで拡大できる。

ジェットエンジンのタービンを思わせるエアコン吹き出し口についても、新デザインが採用された。
ジェットエンジンのタービンを思わせるエアコン吹き出し口についても、新デザインが採用された。拡大
縦型の11.9インチメディアディスプレイは、角度調節が可能。外光の反射を抑えることができる。
縦型の11.9インチメディアディスプレイは、角度調節が可能。外光の反射を抑えることができる。拡大
AMGの職人が組み上げる直4エンジンは、F1由来の電動ターボ(写真中央)で過給される。
AMGの職人が組み上げる直4エンジンは、F1由来の電動ターボ(写真中央)で過給される。拡大
車速80km/hで立ち上がるリアウイング。角度は5段階に調節できる。
車速80km/hで立ち上がるリアウイング。角度は5段階に調節できる。拡大
 
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特別な仕立ての直4エンジン

新型SLのボディーシェルには、メルセデスAMGが独自に開発したまったく新しいアーキテクチャーが採用されている。アルミニウム、スチール、マグネシウム、繊維複合材を組み合わせることで、重量を抑えつつ可能なかぎりの高剛性を追求。ボディーのねじり剛性は先代モデルに比べて18%アップし、横方向の剛性を見れば既存のハイパフォーマンスモデル「AMG GTロードスター」に対して50%増、同じく前後方向の剛性は40%増を実現した。

今回、国内に導入されるグレードは、2リッター直4ターボエンジン(最高出力381PS、最大トルク480N・m)を搭載する「メルセデスAMG SL43」。このエンジンは、「One man, One engine」というAMGの主義にのっとって熟練職人が手作業で組み上げる、初の直4ユニットとなる。

電気モーターが直接ターボの軸を駆動するF1由来の電動ターボチャージャーを採用しているのも特徴で、その働きにより、アイドリングスピードから全回転域にわたってエンジンのレスポンスが改善され、ダイナミックな走りが楽しめるようになっているという。組み合わされるトランスミッションは9段の「AMGスピードシフトMCT」。パフォーマンスについては0-100km/h加速4.9秒、最高速275km/hと公表される。

足まわりは前後ともマルチリンク(5リンク)式で、軽量なアルミ製の可変ダンピング式ダンパーと軽量コイルスプリングを組み合わせた新開発の「AMGライドコントロールサスペンション」を装着。優れた応答性と快適性を両立させているという。走行モードは「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」「レース」「インディビジュアル」「スリッパリー」の6種類が用意されており、クルマの特性を快適性重視からダイナミックな設定まで広い範囲にわたって変化させることができる。

メルセデスAMG SL43の価格は1648万円。ハンドル位置は左右が選べ、同価格となっている。

(webCG)

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