日本仕様車はどうなる!? 新型「スバル・インプレッサ」を勝手に大予想
2022.12.05 デイリーコラム乗り味には期待できる
2022年11月17日(現地時間)にアメリカ国内で公開された、北米仕様の新型「スバル・インプレッサ」。現行型と同じく、先行して発売された新型「スバルXV」こと「クロストレック」の兄弟車ということで、内外装の基本デザインは多くの点が共通。ボディーサイズの拡幅は最小限にとどまった。クロストレックと比較した場合、予想どおりフロントまわりのデザインはスッキリしたものになり、前後フェンダーにはアーチ状モールもなく、車高が下がったスタイルとなっている。
現行型の5ドアボディーは、明らかにSUV化に軸足を置いたデザインに見えたが、新型は予想したよりもクロスオーバー車ありきのデザインという風に見えないのはよかった。この点において、実用ハッチバック車とSUVの両立がよりうまくできた基本デザインだと思える。
最近のスバル車でよく指摘されるヘッドランプなどの灯火類の質感についても、クロストレック同様、上級グレードはランプにこだわる層も納得の仕上がりだ。ただ、やはりクロストレック同様、標準グレード以下ではフルLEDにならないと予想されるので、その点がどう評価されるだろうか。
最も期待したいのは、動的な質感を含めた運転フィール。操縦性や乗り心地などにかかわる車体とサスペンションについては、先に出たクロストレックの評価は極めて高い。フルインナーフレーム構造がもたらすボディー剛性の高さや、2ピニオン電動パワーステアリングの採用による甘美なステアリングフィールなど、「レヴォーグ」や「レガシィ アウトバック」、クロストレックで実績のあったものを生かしながら、車重はより軽くなり、タイヤの銘柄とサイズもより上質感の得やすいものへと変わる。乗り味の良さは競合車を上回る大きな魅力になるはずだ。
パワートレインは別になる?
気になるのはパワートレイン。北米仕様では、自然吸気の純ガソリン2.5リッターを搭載する「RS」というスポーツグレードを設定した。アメリカの「WRX」は昔から2.5リッターを積んでいたので、北米市場ではスポーツグレードと認識されやすいのだろう。エンジンルームの景観からして従来のFB25型の強化版と推察でき、最高出力は若干向上しているが、スポーツユニットと呼べるものではない。すべての水平対向エンジンをピュアスポーツユニットに変える効力のあるMTの設定があれば別だが、現状で公開されているとおり、北米市場向けからもMTがなくなるのならとても残念だ。セダンボディーの存在も、今のところ示唆さえされていない。
標準グレードも純ガソリンの自然吸気2リッターということで、日本仕様のクロストレックのような「e-BOXER」が搭載される気配はない。このご時世で環境性能に振ったモデルが皆無になるとは思えないので、今後の情報公開の拡大に注目したいが、いずれにせよ、今回公開された北米仕様の新型インプレッサのパワートレインがそのまま日本国内に導入されるのかどうかは不明。これまでの日米仕様の差異から考えると違うものになると予想できるが、北米仕様でも発売は2023年の春ということなので、判明するのはまだ先になりそうだ。
普通に考えると、今回公開された2.5リッターエンジンを日本仕様にも搭載することは考えにくい。しかし、かつてスバルは世界的なエンジンのダウンサイジング化が進んだ時代に、5代目「レガシィ」の前期型でまさかの排気量拡大ユニットを搭載した実績もあるので、予断を許さないといえる。
エントリーモデルで“新しさ”はみられるか
内装の11.6インチ大型ディスプレイや運転支援システムについても、おおむねクロストレックと共通になることが予想できる。日本仕様でもクロストレック同様、標準グレード以下は大型ディスプレイがオプション化され、低価格化を図るものと推察。「仙骨を押さえる」で注目された、医学的知見を取り入れた新しいフロントシートは国内の標準グレードでも採用されるのかどうか、注目したい。
運転支援システム「アイサイト」についても、おおむねクロストレックに準じたものになるのだろう。単眼カメラを追加し視野角を従来型の約2倍に拡大。画像認識ソフトや制御ソフトを改良した最新世代だ。現状ではハンズフリーなどの機能は上級車種向けの「アイサイトX」に限られており、おそらく今後も国内アイサイトは2系統で展開すると予想される。
繰り返しになるが、北米仕様も日本仕様も、パワートレインの全容が気になるところ。国内向けには1.6リッターは廃止されるので、これに変わる低価格グレードはどうなるのか。インプレッサはスバルのエントリーモデルだけに、ボトムレンジの仕様でどこまで新しさをみせてくれるのかに期待したい。
ちなみに、現行型のインプレッサは2022年12月11日までオーダーできる。セダンの「G4」と1.6リッター車が新車で買える最後のチャンスは、残りわずかしかない。
(文=マリオ高野/写真=スバル/編集=関 顕也)
拡大 |
拡大 |
拡大 |

マリオ高野
-
北米産の800万円級SUV「トヨタ・ハイランダー」「日産ムラーノ」「ホンダ・パスポート」で一番“買い”なのはどれか?NEW 2026.9.4 特例により国内導入されることになった北米生産のジャパニーズSUVは、3車種ともにサイズと価格帯が接近している。では、そのなかで最も“買い”なのは? それぞれの仕様を見比べてみた。
-
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解く 2026.9.3 本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。
-
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い 2026.9.2 5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。
-
興味があるのはたったの3割!? 自動車業界を揺るがすSDVやAIって本当に必要なの? 2026.8.31 自動車も、スマホのように機能がアップデートできるようになる! ……ということで注目されるソフトウエアディファインドビークル(SDV)だが、日本のユーザーの多くが「いらない」と思っていることが判明! 急速に進むデジタル技術の、必要性について考えた。
-
酷評もされたBEVのフェラーリが4000万ドル!? 「ルーチェ」の初物に誰が、なぜ大金を出したのか? 2026.8.28 フェラーリ初の電気自動車として話題になった「ルーチェ」。その特別仕様の生産0号車が、米国内のカーオークションにおいて4000万ドル(約64億円)という衝撃価格で落札された。その背景について、事情に詳しい西川 淳がリポートする。
-
NEW
北米産の800万円級SUV「トヨタ・ハイランダー」「日産ムラーノ」「ホンダ・パスポート」で一番“買い”なのはどれか?
2026.9.4デイリーコラム特例により国内導入されることになった北米生産のジャパニーズSUVは、3車種ともにサイズと価格帯が接近している。では、そのなかで最も“買い”なのは? それぞれの仕様を見比べてみた。 -
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解く
2026.9.3デイリーコラム本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。 -
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(後編)
2026.9.3あの多田哲哉の自動車放談ワインディングロードで新型「BMW iX3」のステアリングを握った多田哲哉さんは、その走りに感心した様子。どんなところが優れているのか、トヨタのエンジニアの視点で語ってもらおう。 -
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。







































