「オートモーティブ・ワールド2011」開催
2011.01.19 自動車ニュースEVの“いま”がわかる 〜「オートモーティブ・ワールド2011」開催
2011年1月19日〜21日、東京・有明の東京ビッグサイトで、「第3回国際カーエレクトロニクス技術展」、「第2回EV・HEV駆動システム技術展」、および「第1回クルマの軽量化技術展」の3つの展示会で構成された「オートモーティブ・ワールド2011」が開催されている。
■リアルに迫るEV時代
今回で3回目となる「国際カーエレクトロニクス技術展」は、そもそもは「インターネプコン・ジャパン」や「エレクトロテスト・ジャパン」といった歴史のある電子技術展から、自動車関連の出展者を集めて再構成されたものだった。
いっぽう2回目となる「EV・HEV駆動システム技術展」は、「国際カーエレクトロニクス技術展」から、さらにEVやHEV(ハイブリッド)関連の出展者のみを集めて始まったものである。
つまり自動車に用いられるエレクトロニクス関連の出展者が、どんどん細分化されては新たな展示会が生まれてきたわけである。それはとりもなおさず、自動車に占めるエレクトロニクスの割合がますます増加しており、それにしたがって出展者も増えているということなのだろう。
なかでも「三菱i-MiEV」に加えて「日産リーフ」が市販化され、いよいよ本格的な実用化に向けて幕が落とされたEV技術に関する「EV・HEV駆動システム技術展」は、前回と比べて着実に規模が拡大していた。
さらにそのなかでも目立っていたのは、急速充電器。EVの普及は充電インフラの整備にかかる部分が大だが、その市場を見込んでいくつもの企業が出展していた。充電性能やコストはもちろん、充電場所の環境やシステムづくりまでを含めたアピールを各社が行っており、どうやらEV本体よりひと足もふた足も早く市場競争が始まっているようである。
■エコの鍵? 軽量化技術の展示も
来場者の9割以上がスーツ姿という、まじめな技術展およびトレードショーではあるが、会場内のいちばん人気はやはりEVを並べたコーナー。前述した「i-MiEV」や「リーフ」、「プリウスプラグインハイブリッド」、日本でも実証実験が始まった「MINI E」など大手自動車メーカーの作だけでなく、以前から少数が流通していたベンチャー系中小メーカーの製品も展示されていた。
だが、そうしたベンチャー系EVは、目下微妙な位置に立たされているように思える。完成度や商品力の高さでは、とても太刀打ちできない製品が大メーカーから現実的な価格でリリースされ始めた以上、「ひとり乗りで、補助金を使って100万円以上」といった製品に今後もビジネスチャンスが続くとは考えにくいからだ。
もちろん当事者である中小メーカーは、そんなことは重々承知している。その上で新たな試みも見られたが、はたして今後はどういう方向に進んでいくのだろうか。
「オートモーティブ・ワールド2011」に今年から新たに加わったのが、「クルマの軽量化技術展」。エコロジーに欠かせない技術である、軽量化に必要な素材、加工技術、軽量化された部品などを展示した専門技術展だ。重量物であるバッテリーを大量に必要とするEVやHEVと関連の深い技術ということで、併催されたのかもしれない。
大ざっぱにいうと、材料を金属から樹脂に換えることで軽量化を果たした展示物が目に付いたが、実際に手にとって重さの違いを実感できるものも少なくなく、素人にもわかりやすかった。
回を重ねるごとに開催規模、入場者数とも上向いているこの「オートモーティブ・ワールド2011」は、1月21日(金)まで開催されている。事前にネットで申込みをすれば入場は無料だが、トレードショーのため学生は入場不可とのこと。
(文と写真=沼田 亨)
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