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第3回:タフな足まわりは悪天候で輝く!
「ルノー・アルカナ」は取材の足にも大活躍

2024.03.07 ルノー・アルカナ日常劇場 藤沢 勝
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スピードコントロールが自由自在

2月に「ルノー・アルカナ」で取材に出かけた。静岡県伊豆市の「自転車の国 サイクルスポーツセンター」まで、新しい「ホンダ・アコード」(プロトタイプ)に乗りに行ったのである。

このころの天候は実に不安定で、日替わりで気温が5℃も6℃も変化したり、雨だったり晴れだったり。取材した2月の22日、23日の伊豆地方は極寒の豪雨だった。

都内でライターの高平高輝さんをピックアップし、東名高速から新東名、伊豆縦貫道と進む。アルカナのシャシーはファーストタッチでは少しラフな印象を受けるが、一方でこうしたヘビーウエットの状況では大変頼もしい足まわりに感じる。何しろ接地感が鮮明なので、ところどころに水たまりができているような路面でもガシガシと踏み込んでいけるのだ。

このアルカナは「アントラクトE-TECHフルハイブリッド」というグレードで、最上級の「E-TECHエンジニアード」の装備を少し簡素にしたいわばお買い得モデルだが、多くの方が「あってよかった」と感じられるアイテムはひととおりそろっている。この取材でうれしかったシートヒーターやステアリングヒーターはもちろんのこと、360度カメラもスマートフォンのワイヤレスチャージャーも完備だ。移動中の高平さんは『CAR GRAPHIC』編集部からの原稿の取り立てにずっと対応しているようだったが、USBポートを私のスマートフォンが「Apple CarPlay」で占有していても、高平さんのスマートフォンもワイヤレスで充電できるのだ。そのおかげというべきか、最新の『CAR GRAPHIC』には高平さんの「カイエン」のインプレッションがきちんと載っていた。

新しいハイブリッドを搭載したアコードは静かでスムーズ、ホンダのこれからの旗艦にふさわしい堂々たる仕上がりだったが、アルカナの「E-TECHハイブリッド」もすっきりと気持ちのいいパワートレインである。

スムーズであることはもちろんだが、私が最も優れていると感じたのは繊細なスピードコントロールがしやすいということだ。ペダルを踏めば踏んだぶんだけ加速し、緩めれば緩めたぶんだけ減速するという自在な感触は、やはり有段の自動変速機があってこそといえるだろう。

また、エンジンとモーターの得意な領域をうまく組み合わせてトルクをデリバリーしてくれるので、常にトルクに余裕を感じながらドライブできる。いつでもペダルを通じて「まだまだいける!」という感触が伝わってくる。男らしいシャシーとE-TECHハイブリッドの組み合わせは、高速道路の巡行でも、伊豆スカイラインのようなワインディングロードでも、ステージを問わずにドライビングプレジャーを味わわせてくれるのだ。

「ルノー・アルカナ」で静岡県伊豆市を目指す! のだが、取材の都合で撮影はすべて帰り道で。これは桜が満開の写真ではなく、前夜に降った雨が木に付いたまま凍ってしまっている。
「ルノー・アルカナ」で静岡県伊豆市を目指す! のだが、取材の都合で撮影はすべて帰り道で。これは桜が満開の写真ではなく、前夜に降った雨が木に付いたまま凍ってしまっている。拡大
氷が付着した木に寄ってみる。まるでジュンサイのようだ。
氷が付着した木に寄ってみる。まるでジュンサイのようだ。拡大
霧にむせぶ伊豆スカイラインで。「アルカナ アントラクトE-TECHフルハイブリッド」の走りは頼もしいが、天候の都合による前方視界の悪さばかりはいかんともしがたく……。
霧にむせぶ伊豆スカイラインで。「アルカナ アントラクトE-TECHフルハイブリッド」の走りは頼もしいが、天候の都合による前方視界の悪さばかりはいかんともしがたく……。拡大
クーペタイプのSUVボディーはなかなかカッコいい。荷室には大人2人が1泊するだけの荷物が楽に積み込めた。
クーペタイプのSUVボディーはなかなかカッコいい。荷室には大人2人が1泊するだけの荷物が楽に積み込めた。拡大
伊豆市の「自転車の国 サイクルスポーツセンター」で。手前が新型「ホンダ・アコード」で、われらが「アルカナ」は奥に小さく見えている。
伊豆市の「自転車の国 サイクルスポーツセンター」で。手前が新型「ホンダ・アコード」で、われらが「アルカナ」は奥に小さく見えている。拡大
2台の「ZR-V」の向こうにたたずむ「アルカナ」。
2台の「ZR-V」の向こうにたたずむ「アルカナ」。拡大
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臨場感あふれるサウンドの源

アルカナは走るのも得意分野だが、それ以外のことも決して苦手ではない。今回、私が強調したいのはオーディオについてである。

出発日の早朝のこと。アルカナに「iPhone」を接続したところ、「え~、一席お付き合いを願っておきますが……」と落語の『転失気(てんしき)』が始まった。「当寺に13代伝わっておりまして……」というくだりでいつも笑いを抑えることができないのだが、それはともかく、サウンドに妙にリバーブがかかっていて、自家用車をはじめとしたほかのクルマで聞くのとはまるで印象が違う。

アルカナの設定メニューを少し深く掘り下げてみると、サウンドの項目でムードが選べるようになっており、これが「ライブ」に設定されていた。ほかに「ナチュラル」「クラブ」「ラウンジ」があり、ナチュラルは文字どおりだが、クラブでは音が自分を取り囲むように近くで鳴っているようで、ラウンジは取り囲むのは同じだが、もう少し距離を感じる。あらためて聞くとライブは車両の前方がステージ、フロントシートがホールの最前席のような聞こえ方だ。見ればウインドシールドの基部にこのクラスの車両としては異例に大きなスピーカーが付いている。

80km/hを超えるとロードノイズが強く発生するので、高速移動中はボーカルが力強い曲を選びたい。高平さんとの道中はクルセイダーズの『Street Life』がとてもよかった。

実はこのアントラクトE-TECHフルハイブリッドが全6スピーカーのところ、最上級のE-TECHエンジニアードには9つのスピーカーを擁するBOSEのサウンドシステムが備わっている。2つのグレードで機能面の違いといえるのは、このオーディオまわりだけなのだ。価格差は31万円。高速道路を走る機会が多い人は、9スピーカーを選んだほうが幸せになれるかもしれない。

(藤沢 勝)

のどかな春の日に見えるが、拡大すると雨が激しく降っていることが分かる。
のどかな春の日に見えるが、拡大すると雨が激しく降っていることが分かる。拡大
「アルカナ」のオーディオシステムは再生ムードが選べる。乗り込んだときは「ライブ」に設定されており、その臨場感に驚いた。
「アルカナ」のオーディオシステムは再生ムードが選べる。乗り込んだときは「ライブ」に設定されており、その臨場感に驚いた。拡大
「クラブ」「ラウンジ」「ナチュラル」も選べる。モードによる差はかなり大きいので、飽きることなく楽しめる。
「クラブ」「ラウンジ」「ナチュラル」も選べる。モードによる差はかなり大きいので、飽きることなく楽しめる。拡大
ウインドシールドの下に大きなスピーカーが付いている。これが「ライブ」モードの優れた臨場感を生み出している。
ウインドシールドの下に大きなスピーカーが付いている。これが「ライブ」モードの優れた臨場感を生み出している。拡大
ルノー車ではおなじみのステアリングから生えたオーディオレバー。ソースや曲の変更、ボリュームなどは設定できるが、ムードはここでは変えられない。
ルノー車ではおなじみのステアリングから生えたオーディオレバー。ソースや曲の変更、ボリュームなどは設定できるが、ムードはここでは変えられない。拡大
藤沢 勝

藤沢 勝

webCG編集部。会社員人生の振り出しはタバコの煙が立ち込める競馬専門紙の編集部。30代半ばにwebCG編集部へ。思い出の競走馬は2000年の皐月賞4着だったジョウテンブレーヴと、2011年、2012年と読売マイラーズカップを連覇したシルポート。

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