第782回:アルピーヌF1チームの露払い!? webCGチームが特殊ルールを味方にカート大会優勝を目指す
2024.04.05 エディターから一言前座でも頑張ります
F1日本GPを目前に控えた2024年4月2日の夕刻にアルピーヌF1チームのエステバン・オコン選手とジャック・ドゥーハン選手が東京・お台場のシティ・サーキット・東京ベイにやってきた。2023年末にオープンしたばかりの電動カート場であるここで日本GPに向けた決起集会のようなイベントが開催され、両選手がレースへの意気込みを語るとともに、電動カートと「アルピーヌA110 Rチュリニ」でド派手なデモランを披露した(参照)。
さかのぼること数時間、同じ場所で実はわれわれも白熱していた。F1ドライバーによるデモランの前座というか露払いというか、メディア対抗の電動カート大会が開催されていたのである。競走ではなくタイムアタックで、計測は1回こっきり。純粋にスピードのみを競う個人戦に加えて、各チームからエントリーした2人のドライバーのタイムを合算するチーム戦も用意された。
経験の浅い人でも参加しやすいようにという配慮なのか、この合算の仕方が少し変わっていて、タイムの全体ではなくコンマ秒以下を合計。その数値が1.000に最も近いチームが勝ちというルールである。30.992秒と31.883秒のチームよりも45.663秒と48.326秒のチームのほうが優秀ということになる。
練習走行から手加減なし
webCGチームからは私・藤沢とともにU氏がエントリー。彼は普段は取材などに出ることはないポジションだが、今回は私とタッグを結成。本人のたっての希望なのか、人手が足りずに駆り出されたのかは聞きそびれてしまったが、とにかく2人で上位食い込みをもくろむ。
もくろむ……のだが、読者の期待が大きくなりすぎてもいけないので、先にわれわれのカート歴を明かしておこう。私は今回が2度目で約5年ぶりの参戦。U氏はなんと今回が初めてのカートだという。出かける前に「とにかく楽しいよ」「ミスるとアバラが2本折れるよ」などと声をかけられていた彼の心の針は期待と不安のどちらに振れていたのだろうか。
タイムアタックの前に6台の混走で5分ほどの練習走行のチャンスが与えられた。ほかの参加者は慣れた人ばかりのようで、最初から全開でコースとカートの特性を確認している。2度目の私はともかくとして、初めてにもかかわらずいきなり全開走行の輪に放り込まれたU氏の心中を思うと心が痛む。練習でもきちんとタイムは計測されており、私は最速が37秒ほど、U氏は42秒ほど、上手な人は33秒台のラップを重ねていた。一周400mのコースで4秒、または9秒の差はなかなかひどいが、最初からうまい人はいない。
間違っていた作戦
個人戦ではちょっと(どころではないが……)勝負になりそうにないものの、チーム戦ならチャンスはありそうだ。というか、「2人のコンマ秒以下のタイムを足して1.000に近く」なんて狙ってできることではないので、勝負の行方は偶然に委ねられたといえるだろう。
一度きりのタイムアタックはチームの2人が同時にコースインというルール。偶然頼みとはいえ無策で走るのも何なので、U氏が先導し、私がその後ろをぴたりとつけて走ることにした。当時は2人のタイム差が小さいほうがいいと考えていたのだが、あらためて考えてみるとこれは間違っている。2人のタイムのコンマ秒以下が0.400と0.500だったらいいが、0.800と0.900だったら全然ダメだ。ただし、そもそも偶然なのでどう走っても間違いではないのもまた確かだ。
アタックの結果はU氏が39.735秒で私が39.650秒。後ろを走った私のほうが速かったのはスタート時の差がゴール時に縮まっていたため。ルールに沿って合算したスコアは0.735+0.650=1.385。優勝は『Esquire Japan』チームで、1位しか発表されなかったためにわれわれの順位は不明である(追記:後日順位が発表され、なんと最下位でした)。練習走行から3秒もタイムを詰めたU氏に拍手を送りたい。
(文=藤沢 勝/写真=ルノー・ジャポン/編集=藤沢 勝)

藤沢 勝
webCG編集部。会社員人生の振り出しはタバコの煙が立ち込める競馬専門紙の編集部。30代半ばにwebCG編集部へ。思い出の競走馬は2000年の皐月賞4着だったジョウテンブレーヴと、2011年、2012年と読売マイラーズカップを連覇したシルポート。
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