魅力アップは間違いなし! “アゲ系”カスタムがピッタリなクルマ5選
2024.04.29 デイリーコラム今は最高の“上げ時”だ!
それにしてもビックリですよ。「トヨタ・クラウン」の特別仕様車「クロスオーバーRS“ランドスケープ”」のことです。
あの伝統と格式のクラウンが現行世代になって(セダンの「クラウン」を除き)SUVになってしまうという大事件からして「トヨタは思い切ったなあ」という驚きしかないのですが、「クロスオーバー」に用意されたこの特別仕様車はさらに突っ走っているなあと思わずにはいられない仕立て。
車高を25mmアップしたのをはじめ、あえて細かい凹凸を付けたうえでリベット留め風としたオーバーフェンダーモールを装着し、足元はオールテレインタイヤにゴツいデザインのホイールをセット。しかもスタイリッシュとは真逆をいくデザインのマッドガードを装着しているのだから、気分はラリー車ですね。
それにしたってクラウンのラリー風なんて、伝統を重んじるクラウンファンが聞いたら卒倒しそうな内容。ですが、何を隠そう1957年に初めて海外のラリーに参戦した日本車は初代クラウンなわけで、ということは、この特別仕様車はある意味クラウンの……というか日本のモータースポーツの原点回帰だったりするわけです。
そして世界を見渡すと、この“車高アップ”は世界的なトレンドだったりするのをご存じでしょうか。例えばクルマ好きならみんな大好きな「ポルシェ911」ですが、その限定モデル「911ダカール」は、なんと911の市販車としては初めてのリフトアップ仕様。こちらもかつてパリ・ダカールラリーに参戦した「ポルシェ953」のオマージュというわけ。
また、ラリーとは全く関係ないけれど、ランボルギーニの「ウラカン」にも2023年、「ウラカン ステラート」という44mm車高を上げて樹脂製のクラッディングをコーディネートしたリフトアップ仕様が登場。今や時代はシャコタンではなくリフトアップなのです。そんなスタイルを“アゲ系”っていうらしいですよ。
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丸いのにも四角いのにも効く
それにしても、ポルシェ911とかスーパーカーのクロスオーバーSUVモデルが登場するなんて、クルマ好きとて誰が5年前に想像できたでしょうか?
それらのデビューの背景にあるのは、やっぱり全世界的なSUVブームなんでしょう。商品企画においてトレンドは正義であり、またユーザーメリットとして適度な車高アップは乗り降りのしやすさをもたらしてくれるもの。911ダカールは世界一乗降性に優れた911だし、ウラカン ステラートは世界一乗り降りしやすいスーパーカー。日常使いに最高じゃないですか!
というわけでここから先は、筆者の勝手な妄想。これをリフトアップして乗ったらカッコよくね? というクルマを提案しましょう。
その1:フォルクスワーゲン・ザ・ビートル
フォルクスワーゲンの「ビートル」系はその独特のスタイルからドレスアップに最適なモデルですが、“アゲ系”はあまりないですよね。でもやったら意外と似合いそう。気分は初代ビートルの「バハ・バグ」。そのオマージュということで。
その2:トヨタ・プロボックス
トヨタの「プロボックス」もリフトアップ+オフロードタイヤが似合いそう。カクカクしたボディーとクロスオーバーSUVスタイルのマッチングは悪くない、というか商用車なのに遊び心に満ちあふれた「楽しむ道具感」がサイコー。こうして提案するまでもなくやっている人を見かけますが、それを見るたびにカッコいいと思っている筆者です。
その3:ホンダN-BOX
日本一売れている乗用車の「ホンダN-BOX」もアゲ系のドレスアップが似合いそう。っていうか絶対に似合うはず。
そういえば先代モデルは、「エレメント」のオマージュといえる樹脂フェンダー風のドレスアップアイテムが純正品としてホンダアクセスから用意されていましたね。あの仕様、絶対にリフトアップ&オフロードタイヤが似合うはず。
ところで現行N-BOXには「デリカミニ」とか「スペーシア ギア」のようなSUVスタイルが用意されるなんていううわさがありましたが、どうなんでしょう?
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もはや「やったもん勝ち」
その4:日産フェアレディZ
「日産フェアレディZ」といえば、なにはともあれ初代モデルのサファリラリーですよ(ちょっと強引)。だから現行モデルのRZ34型だってサファリラリー風のアゲ系ドレスアップが絶対に似合うはず。
……と思ったら、すでに日産本体がRZ34をベースにしたアゲ系カスタマイズ仕様「サファリラリーZトリビュート」をアメリカのSEMAショー(アメリカにおける東京オートサロンのようなもの)に出展していましたね。これが文句なしのカッコよさ! サファリラリーに参戦した初代フェアレディZのオマージュなんだそうです。
ただ、アメリカに住む筆者の知り合いのクルマ好きが「クルマ自体はムネ熱なんだけど、アメリカのクルマ好きはサファリラリーなんて知らないよ」とボソッと言ったことはここだけの秘密です。でもそんなの関係ねぇ!
その5:トヨタ・センチュリー
気がつけば、「センチュリー」も標準タイプがSUVスタイルになり、従来ながらのセンチュリーが「センチュリー(セダン)」と表記される時代。センチュリーもせっかくSUVが登場したのなら、ここは思い切ってリフトアップとオフロードタイヤでもっと吹っ切れちゃってもいいのでは?
オフロードもしっかり走れるけれど車内は超快適。そんなセンチュリーなんてオツだと思うのですが、どうでしょうかね。新車価格2500万円のクルマをアゲ系カスタマイズして、まわりをアッと驚かせてやりましょうって。まあ、そもそもトヨタは新タイプのセンチュリーについて「SUV」だとはひとことも言っていないんですが。
SUVブームはさらに広がるどころか乗用車の定番になりそうな気配すらあるし、それに伴ってリフトアップ仕立てのカスタマイズもますます広がりそうな予感。みなさんも、愛車をアゲ系のドレスアップに挑戦してみてはいかが?
ただ、クルマがフラフラしないようにサスペンションはしっかり味つけしましょうね。
(文=工藤貴宏/写真=トヨタ自動車、ポルシェ、アウトモビリ・ランボルギーニ、本田技研工業、日産自動車、webCG/編集=関 顕也)
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工藤 貴宏
物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。
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