ホンダ、「プラグインハイブリッド」技術を発表
2010.11.25 自動車ニュースホンダ、「プラグインハイブリッド」技術を発表
本田技研工業は2010年11月17日、2012年に発売を予定するプラグインハイブリッド車の概要を発表した。
■トヨタ vs GM vs ホンダ
2010年11月末現在、ハイブリッド4車種をラインナップし、トヨタに次ぐハイブリッド車メーカーとして名をはせるホンダが、次なる一手を見せた。それは、プラグインハイブリッド。車載エンジンによる発電以外に、家庭のコンセントからも電力を供給できるクルマで、大きめのバッテリーと相まって比較的長いEV走行が可能。いざとなれば普通のハイブリッド車としても走れるという、次世代カーである。
現在この技術の市販化に向けた具体的なめどがたっているのは、トヨタとゼネラルモーターズ(GM)のみ。トヨタは、「プリウスPHV」を2012年の初めまでに日米欧で市販開始するとし、GMは「ボルト」の2010年中の生産開始を発表している。そこに加わるホンダは、車名こそ発表していないが、プラグインハイブリッド技術を「中型クラスの車両」に搭載し、2010年中に日米で実証実験を開始するとしている。
発表の舞台に選ばれたのはロサンゼルスオートショー。そこでも実車展示は行われず、技術展示モデルの発表にとどめられた。発表によるとエンジンは、2リッター直列4気筒i-VTECを採用。熱効率を高めるためアトキンソンサイクル式を採用しているのは「プリウス」と同じだ。一方、モーターの持つ役割は、これまでのホンダ流ハイブリッドとは明らかに異なる。
従来のホンダのハイブリッドシステムは、小型モーターを使い、それをエンジンのアシスト役として機能させていた。そのためモーター出力は「シビックハイブリッド」で15kW、その他の車種では10kWと少なかったのだが、プラグインハイブリッドでは、ホンダ初の2モーター式を採用し、出力も120kWとこれまでとは段違いの数値を達成している。もっともプラグインハイブリッドは、モーターのみで駆動するEV走行時の動力性能と航続距離が重要になるため相応の出力が必要となる。とはいえ、1.8リッターの「プリウスPHV」や1.4リッターターボの「ボルト」よりエンジン排気量が大きいうえに、モーターももっともパワフルである点は興味深い。
バッテリーは6kWhのリチウムイオン式を搭載し、EV航続距離は10〜15マイル(約16〜40km)、総航続距離は500マイル(800km)以上とうたわれる。充電は、110V電源を使用した場合、2〜2.5時間以下、220V電源では1〜1.5時間以下で完了するという。
ホンダがこのプラグインハイブリッドの発表を行ったその同じ日に、トヨタは「プリウスPHV」の国内価格を300万円以下に設定し、年間販売目標を日米欧あわせて5万台以上とする発表を行うなど、臨戦態勢を見せている。各社によるプラグインハイブリッドの開発競争は、今後さらに加熱しそうだ。
(webCG 曽宮)
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