マツダ・ロードスターSレザーパッケージVセレクション(前編)
2025.10.23 あの多田哲哉の自動車放談 トヨタで「86」や「スープラ」といったスポーツカーを開発してきた多田哲哉さん。今回は、今や日本を代表するスポーツカーのひとつとなった「マツダ・ロードスター」に試乗し、クルマづくりについて語る。すばらしいライバルに教えを乞う
今回連れ出したマツダ・ロードスターを前に、多田さんは「最近特に多いのですが、いろいろなイベントや講演などに呼ばれるたびに、『トヨタとマツダでスポーツカーの共同開発はしないのか?』と聞かれるんです」と明かす。
86とスープラの開発における多田さんの奮闘を描いたノンフィクション『どんがら トヨタエンジニアの反骨』(清武英利著・講談社刊)によると、多田さんがチーフエンジニアとして86の開発をするキッカケとなったのは、2007年1月某日、河上清峯トヨタ自動車常務取締役(当時)から突然呼び出されて、「明日からスポーツカーをつくってくれ」との命を受けたことにある。
そこから新型スポーツカーの思案を重ねていた多田さんが、マツダの貴島孝雄さんを訪ねたエピソードはファンの間ではよく知られるところだ。貴島さんとは言うまでもなく、初代「ユーノス」からロードスターの開発に携わり、2代目と3代目では開発主査を務めた、あの人である。
そんな貴島さんとロードスターについては、多田さんも「日本のスポーツカー文化をずっとけん引してきた功績には、尊敬の念しかありません」と語る。
「実際、86をつくりはじめたときには、日本には『GT-R』とロードスターくらいしかスポーツカーがなかったですから、2台については徹底的に調べました。貴島さんを訪ねたのは、量販メーカーとしてスポーツカーをつくるというのはどういうことなのかをお聞きしたかったからです。当時は貴島さんと面識もなかったので、人づてにメールアドレスを教えてもらって、いきなりメールしました」
「貴島さんの返事は『広島に来てもらえるなら……』とのことだったので、さっそく広島に出向いたら『本当に来たんだ!』と驚かれました」と多田さんは笑う。
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