ボルボEX30クロスカントリー ウルトラ ツインモーター パフォーマンス(4WD)
BEVの正解 2026.02.27 JAIA輸入車試乗会2026 おしゃれで速い、だけじゃない。ボルボの最新コンパクト電気自動車(BEV)「EX30クロスカントリー ウルトラ ツインモーター パフォーマンス」に試乗したリポーターは、その仕上がりに、今の時代のBEVの正解を見たのだった。バランスのよさが魅力
やっぱりボルボはしゃれてるなぁ。EX30クロスカントリーと対面して、そう思った。ベースとなった「EX30」のミニマルな雰囲気もいいけれど、このクロスカントリーが醸す「抜け感」を前にすると、素直に魅力的だと感じる。
外観で印象的なのは、前後とサイドに配されたマットブラックのプロテクションパネルだ。ルノーの「カングー」が樹脂バンパーで「カジュアルな実直さ」を演出するように、このEX30クロスカントリーもまた、ドレスダウンすることで「親しみやすさ」や「タフさ」を表現している。さらに、全長4235mmという凝縮されたボディーサイズが、日常使いでの「気楽さ」をもたらしてくれる 。
ドアを開ければそこは、ミニマリズムの世界だ。物理スイッチを排し、センターディスプレイにすべてを集約した空間は、時代の流行なのだろう。再生ポリエステルを用いたテイラードウールブレンド素材と、リサイクル素材、バイオ由来素材からなる「ノルディコ」シートは、レザーの贅(ぜい)とは異なる、知的でサステナブルな心地よさを提供してくれる。フロントウィンドウ下にあるharman/kardonのサウンドバーは洗練と新しさを感じさせる。
走りだせば、その外観からは想像もつかない「爆発力」に圧倒される。ツインモーターが発生させるトータル428PSという数値は、0-100km/h加速3.7秒という最新のスポーツカー並みの瞬発力を生む。アクセルを深く踏み込めば、BEVならではの反応のよさでボディーを運び、そのあまりの速さに驚くことになる。
しかし、このクルマの真の魅力はその「バランスのよさ」にある。単に速いだけでなく、路面の凹凸をしなやかにおさめる足まわりは、快適性に優れた最新のGTカーに通ずるものがある。全輪駆動(AWD)による安心感は、雨天や未舗装路といった悪条件下でこそ、その真価を発揮するはずだ。
EX30クロスカントリーは、いたずらに航続距離を追うのではなく、ユーザーのライフスタイルにどれだけ寄り添えるかを追求している。都市に適したサイズ、所有欲を満たすデザイン、そして十分以上のパフォーマンス。これほどバランスのとれたBEVはめったにない。これぞまさに、今の時代に求められる「BEVの正解」ではないか。
(文=webCGこんどー/写真=峰 昌宏/編集=近藤 俊)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4235×1835×1565mm/ホイールベース:2650mm/車重:1880kg/駆動方式:4WD/モーター:永久磁石同期電動機/フロントモーター最高出力:115kW(156PS)/6000-6500rpm/フロントモーター最大トルク:200N・m(20.4kgf・m)/5000rpm/リアモーター最高出力:200kW(272PS)/6500-8000rpm/リアモーター最大トルク:343N・m(35.0kgf・m)/5345rpm/タイヤ:(前)235/50R19/(後)235/50R19(グッドイヤー・エフィシェントグリップ パフォーマンスSUV)/一充電走行距離:500km(WLTCモード)/交流電力量消費率161Wh/km(WLTCモード)/価格:649万円

近藤 俊
-
メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ(4WD/9AT) 2026.2.26 ボンネットやソフトトップにおにぎり形エンブレムがちりばめられた「メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ」とは一体どんなクルマなのか。おしゃれと悪趣味の間で揺れ動く孤高のオープントップスポーツカーをドライブした。
-
シボレー・コルベット クーペ3LT(MR/8AT) 2026.2.20 JAIA輸入車試乗会より、孤高のアメリカンスポーツ「シボレー・コルベット」の魅力をリポート。より強烈な「Z06」やハイブリッド4WDの「E-Ray」もイイけれど、“ヴェット”はやっぱり素が一番? 今や貴重な自然吸気のプッシュロッド式V8 OHVの滋味に触れた。
-
テスラ・モデル3 RWD(RWD) 2026.2.19 年に一度の“輸入車イッキ乗り大会”ことJAIA輸入車試乗会より、電気自動車のパイオニア、テスラの4ドアセダン「モデル3」に試乗。2025年には過去最多販売を記録するなど、なんだかんだで日本でも支持されているテスラの、独創の魅力を再確認した。
-
NEW
メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ(4WD/9AT)【試乗記】
2026.3.4試乗記メルセデス・マイバッハから「SL680モノグラムシリーズ」が登場。ただでさえ目立つワイド&ローなボディーに、マイバッハならではのあしらいをたっぷりと加えたオープントップモデルだ。身も心もとろける「マイバッハ」モードの乗り味をリポートする。 -
NEW
始まりはジウジアーロデザイン、終着点は広島ベンツ? 二転三転した日本版「ルーチェ」の道のり
2026.3.4デイリーコラムフェラーリ初の電気自動車が「ルーチェ」と名乗ることが発表された。それはそれで楽しみな新型車だが、日本のファンにとってルーチェといえばマツダに決まっている。デザインが二転三転した孤高のフラッグシップモデルのストーリーをお届けする。 -
第863回:3モーター式4WDの実力やいかに!? 「ランボルギーニ・テメラリオ」で雪道を目指す
2026.3.3エディターから一言電動化に向けて大きく舵を切ったランボルギーニは、「ウラカン」の後継たる「テメラリオ」をプラグインハイブリッド車としてリリースした。前に2基、リアに1基のモーターを積む4WDシステムの実力を試すべく、北の大地へと向かったのだが……。 -
F1で絶体絶命!? アストンマーティン・ホンダになにが起きているのか?
2026.3.3デイリーコラム2026年のF1開催を前に、早くも苦戦が伝えられるアストンマーティン・ホンダ。プレシーズンテストでの大不振はなぜ起きたのか? ここから復活する可能性はあるのか? 栄光と挫折を繰り返してきたホンダが、ふたたびF1で輝くために必要なものを探った。 -
電動式と機械式のパーキングブレーキ、それぞれメリットは?
2026.3.3あの多田哲哉のクルマQ&A一般化された感のある電動パーキングブレーキだが、一方で、従来型の機械式パーキングブレーキを好む声もある。では、電動式にはどんなメリットがあって普及したのか? 車両開発者の多田哲哉さんに話を聞いた。 -
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】
2026.3.3試乗記「GRヤリス」の新仕様として設定された「エアロパフォーマンスパッケージ」装着車に試乗。レースフィールドでの知見を交え開発したというエアロパーツの空力・冷却性能は、リアルワールドでも体感可能なのか。高速道路を経由し、郊外のワインディングロードを目指した。





































