テスラ・モデル3 RWD(RWD)
依然としてトップランナー 2026.02.19 JAIA輸入車試乗会2026 年に一度の“輸入車イッキ乗り大会”ことJAIA輸入車試乗会より、電気自動車のパイオニア、テスラの4ドアセダン「モデル3」に試乗。2025年には過去最多販売を記録するなど、なんだかんだで日本でも支持されているテスラの、独創の魅力を再確認した。野心的だけど、意外とマジメ
特段BEVの専門家でもない記者からすると、テスラの取材は毎回、未知との遭遇だ。
クルマに近づけば勝手に開錠し、ドアを開けたらすでにクルマは起動済み。シートベルトをし、ブレーキを踏んだらパワートレインも準備完了で、アクセルに足を移せばスルスルと動き出す。開錠やイグニッションオン等の儀式めいた儀式は不要。日常からお出かけへの移行がシームレスで、気持ちを切り替える間もなく、ちょっと怖いくらい、抵抗なくドライブが始まってしまう。
シフトセレクターはタッチスクリーンに内蔵されていて、オートシフト(ベータ版)をオンにすれば、ドライバーの操作や周辺環境を読み取り、自動で前進/後退をセレクトしてくれる。まぁそれでも物理コントローラーがないと心細いのは、記者が原始人だからか? モデル3では直近の改良でウインカーレバーが復活しているので(以前はボタン式)、シフトレバーの再登場も、ないとは限りませんが。
なんてことを思いつつ、いざ出発。そしてやっぱり「あれ?」と思う。こんなに乗り心地が自然だったっけ? 目次段差の衝撃などはドシンと一発でいなすいっぽう、足が突っ張らかっているような印象はナシ。そのお味は、よくできた欧州セダンのごとしである。操作性に関しても、スロットルオンでポコンと出るBEVの悪癖は、遠い過去のお話だ。もちろん、動力性能にも不満はない。試乗車はラインナップ中もっとも穏やかな「RWD」グレードだったが、意地悪く減速してから西湘バイパスに合流しても、短い助走区間でアッサリ速度を乗せていってくれた。
また「テスラといえば!」の運転支援システム「オートパイロット」だが、個人的にはいたって普通の印象。白線がなくなると、わずかにそちらにクルマが寄る気配があるが、気になるのはその程度だ。世間にはオート~という機能名に目くじら立ててる人もいるが、システムの警告無視による強制解除が蓄積すると、機能が1週間使えなくなったりと、ハタで言われるより倫理的にもまっとうなものに感じられた。
出力250kWの超急速充電器に、コネクターをクルマに差すだけでOKな課金&チャージングシステムなど、テスラはしがらみに縛られることなく、BEVならではの体験価値を追求しているブランドだ。いっぽうで、そこへ向けた進化の道は、意外と丁寧に舗装されている印象。とっぴなところもけっこうあるが、こうして実車に触れるたびに思うのは、自動車として、普通にちゃんとしているということだ。BYDが伸長し、日欧勢の追い上げもすさまじい昨今ですが、テスラにはまだまだ大きなアドバンテージがある……と思います。BEVの専門家じゃないけど。
(文=webCG堀田剛資<webCG”Happy”Hotta>/写真=峰 昌宏/編集=堀田剛資)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4720×1850×1440mm/ホイールベース:2875mm/車重:1780kg/駆動方式:RWD/モーター:交流同期電動機/最高出力:283PS(208kW)/--rpm/最大トルク:350N・m(35.7kgf・m)/--rpm/タイヤ:(前)235/45R18 98V XL/(後)235/45R18 98V XL(ブリヂストン・トランザT005 EV)/一充電走行距離:594km(WLTCモード)/交流電力量消費率:119Wh/km(WLTCモード)/価格:531万3000円

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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