レクサスRZ550e“Fスポーツ”(前編)

2026.07.02 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 「ステアバイワイヤ(SBW)」をはじめ、最新のテクノロジーが注がれた電気自動車「レクサスRZ550e“Fスポーツ”」。そのクルマづくりについて、トヨタでさまざまな車両の開発を取りまとめてきた多田哲哉さんが語る。
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感慨深いテクノロジー

レクサスを含めたトヨタ初のSBWを搭載したレクサスRZ550e“Fスポーツ”のドライバーズシートに座って、航空機の操縦かんのようなステアリングホイール(もはや、ホイール=車輪型とはいえないけれど)を握った多田さんは「未来感が満載ですね」と目を細めた。

「バイワイヤ化の最初はエンジンでした。エンジンのスロットルバイワイヤの場合は、故障したときの“リンプホーム”機能をどうするかというのが重要で、私もそうしたシステムの研究に従事したこともあります」

多田さんのいうリンプホーム(Limp Home)とは、日本語でいうと“帰宅”モードといった意味になる。スロットルバイワイヤにも必須のフェイルセーフ機能だ。

クルマ好きの間では「86」や「スープラ」のチーフエンジニアとして有名な多田さんは、もともとは制御畑出身の技術者である。

「スロットルの次がブレーキバイワイヤで、そのときも大騒動でした。で、最後に残ったのがSBWだったわけですが、エンジンやブレーキ以上にハードルが高かったんです」

「トヨタでも当然研究開発はしていました。SBWで一番むずかしかったのは、そもそもSBW化によるお客さまのメリットは何なのか? ということでした。大層なシステムでフェイルセーフの対応も大変なのに、お客さまにお金を払ってもらうための決定的なメリットというのがなかなか決め切れない」

 
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