デビュー4年でどう変わる? 最新型「トヨタ・クラウン クロスオーバー」の詳細を予測する
2026.08.24 デイリーコラムポイントは尻にあり!
去る2026年7月15日、トヨタがあるプレスリリースを、2枚の写真とともに発信した。「クラウン クロスオーバー」に関するものだ。
タイトルは「新型クラウン(クロスオーバー)のデザインを先行公開」。その内容は「TOYOTAは、一部改良を予定している新型クラウン(クロスオーバー)のデザインを先行公開しました。発売は2026年9月中旬を予定しています」「リアデザインの変更により、安定感のあるワイドスタンスを実現」という極めてさっぱりとしたもの。一部改良の内容に関して、送り出されたプレスリリースの文字から分かるのは、残念ながらひとつだけ。リアデザインが変更されるということのみである。
というわけで、本コラムのテーマは「クラウン クロスオーバーは一部改良で何が変わるのか?」だ。デザイン先行公開のリリース以外に正式な資料などないので、あることないこと、もしくは“ないことないこと”になってしまうかもしれないが……。ではなく、一部改良における変更点をしっかり予想してみよう。
まずスタイル。「リアデザインの変更」とは、具体的にはリアバンパーの形状が変わることを示しているようだ。
公開された写真を見ると、フロントの違いはよく分からない(変更なし?)。一方で、リアはよく見ると明確に……とは言いにくいが、少し違う。現行型のリアバンパーはリアフェンダーからトランクリッド下にかけてリアコンビネーションランプとトランクリッドの垂直面を囲むように個性的なラインが入っているが、新型それが「テールランプの端を囲むだけ」になっているのだ。
ねらいはさらなる高級化?
新デザインは、現行型に対してスッキリした。個性が薄まったともいえる。その判断は人によって異なるだろうが、多くの人はスッキリしたことを歓迎するのではないだろうか。
ただ、ひねくれものの筆者は、ボンネットやルーフ&トランクリッドとともにそのラインの内側を黒く塗る超個性的なバイトーンカラー(ツートンカラー)の塗り分け方が廃止となってしまうであろうことに追悼の意を表したい。まあ、実際にクラウン クロスオーバーを買うとして、そんな超個性的なバイトーンを選ぶ勇気があるかと言ったら微妙だけれど(逆にそれを選んだ人には敬意を表したい)。
あとはどこが変わるのだろうか? これ以上の公式情報がどこにもないため、困る筆者が苦し紛れにインターネットの世界を調べていたら、驚きの事実が発覚。なんと海の向こうのアメリカでは日本に先立って改良を受けた「2027年モデル」が公開されているではないか。これはヒントになるかも。
日本のトヨタから前述のプレスリリースが出た1週間後の2026年7月23日に現地で行われた公式発表によると、スタイリングに関してはリアバンパーの形状が変更されたほか、アクセントが“高級感のあるグロッシーブラック”になっているとのこと。つまりどういうことかといえば、これまで樹脂の素地だった車体下やフェンダーの部分が光沢のあるブラック塗装になるようだ。スタイリングに関しては、いまのチャレンジングな精神は抑えられ、高級感アップへ踏み込んだと筆者は感じる。
ちなみに筆者が心配しているバイトーンカラーは、トランクリッドとリアバンパーの一部までブラック化される現行車に対して、それらは車体のメインカラーと同色になり、ボンネットとルーフだけがブラックになるもよう。個性が薄まってしまうのは残念だが、バイトーンが残されているのはひと安心だ。
外見も中身も違ってくる
もうひとつの大きなトピックはハイブリッドシステムの変更だ。クラウン クロスオーバーには、排気量2.5リッターの自然吸気エンジンを組み合わせる“シリーズパラレル式(旧称THS=トヨタ・ハイブリッド・システム)”と、排気量2.4リッターのターボエンジンを組み合わせる“デュアルブースト”の、2タイプのハイブリッドが存在する。前者が燃費重視タイプで、後者が動力性能&ドライバビリティー重視のタイプだ。
変更されるのは前者のシリーズパラレル式(国内だと「RS」を除くタイプに搭載)。現行世代は“第4世代”と呼ばれるタイプだが、新型では、今の主流となっている“第5世代”へと刷新されるという(ちなみに最新は第6世代)。現行型の「ヴォクシー/ノア」を皮切りに「プリウス」「カローラ」、そして新型「RAV4」(プラグインハイブリッド車は第6世代)など、すでにいくつかのモデルへ組み合わせている第5世代シリーズパラレル式ハイブリッドの美点は、効率を高めるとともにモーター出力を上げて高出力化し、さらに燃費も向上していることである。
またアクセル操作に対する反応がよくなり、加速時の運転感覚が向上している。加速の反応におけるダイレクト感は、かつての「ラバーバンドフィール=ゴムのベルトを引っ張った際に伸びるかのようにワンテンポ遅れる感覚」がうそみたいになくなっているのがうれしい。つまり“よりいいハイブリッド”になるということだ。加えて北米ではシフトパドルも標準装備されるという。
たしかに日本のトヨタからのプレスリリースは、ハイブリッドシステムの変更などメカニズムにまで踏み込んで書かれてはいない。だが、アメリカ向けの新型だけがハイブリッドを第5世代に変更するとは考えにくいので、日本向けにも搭載されると思うのが自然だろう。
というわけで、もうすぐ登場する最新型のクラウン クロスオーバーは、車体後部のデザインとバイトーンカラーの塗り分けが変わるほか、車体下部などの樹脂素地部が光沢ブラック塗装されてよりエレガントにブラッシュアップ。シリーズパラレル式のハイブリッドは第5世代へと進化し、シフトパドルも装着――北米仕様の状況に鑑みるに、日本仕様でもそれらが変更点となるはずだ。
ところで、クラウンといえばモデルライフ後半への切り替え時にパトカー仕様が展開されるのがこれまでの歴史の常。となるとクラウン クロスオーバーのパトカーがレギュラータイプとして出てくるのもそろそろだろうか? それとも、「カムリ」などほかの車種になる? さすがに「クラウン(セダン)」はサイズが大きいし車両価格も高いので、ないとは思うけれど。
(文=工藤貴宏/写真=トヨタ自動車/編集=関 顕也)
拡大 |
拡大 |
拡大 |

工藤 貴宏
物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。
-
これは“ヨーロッパ版軽自動車”か? 欧州の新自動車規格「M1E」とニッポンの軽の可能性 2026.8.21 欧州で検討されている、新たな小型電気自動車(BEV)規格「M1E」。手ごろなBEVの普及と域内自動車産業の保護を目的としたこの規格は、軽自動車という独自の小型車を育んできた日本にとってもチャンスとなるのか? 新たな自動車規格の展望と可能性を考察する。
-
FCEVで世界一の販売台数 「ヒョンデ・ネッソ」にみる水素の可能性と普及へのカギ 2026.8.20 フルモデルチェンジしたヒョンデの燃料電池車(FCEV)「ネッソ」は、1014km(参考値)の一充填走行距離を実現したという。進化したゼロエミッションの走りを味わいながら、ヒョンデが目指す水素社会の可能性とFCEVの未来について考えてみた。
-
新型「キックス」がスマッシュヒットの日産 次なる一手のコンパクトミニバンとはどんなクルマか? 2026.8.19 新型「キックス」が好評の日産が、次はコンパクトミニバンの発売をプランしているという。日産の国内ラインナップには(なぜか)なかったジャンルのモデルだが、果たしてどんなクルマになるのだろうか。「シエンタ」「フリード」といった強力なライバルに、どのような武器を手に挑むのだろうか。
-
次期「スカイライン」はこうしてつくられる! 日産が今やろうとしている開発効率化の取り組みとは? 2026.8.17 日産はいま車両開発期間の大幅短縮に向けて、大きなチャレンジをしているという。現在開発が進んでいる次期「スカイライン」に適用されるというその手法は、従来のやり方とどう違うのか? 世良耕太が解説する。
-
目指すは究極の走りと官能性 「ランボルギーニ・レヴエルトSV」の核心をキーマンが語る 2026.8.15 ランボルギーニが「レヴエルト」の進化モデル「レヴエルトSV」を発表。強力なV12エンジンとプラグインハイブリッドシステムを搭載したフラッグシップは、いかなる進化を遂げたのか? V12モデルのディレクターを務めるキーマンが、その核心を語った。
-
NEW
スズキeスカイ プロトタイプ(FWD)【試乗記】
2026.8.24試乗記スズキが満を持して世に問う、軽規格の新型電気自動車「eスカイ」。軽乗用車の本質である、生活の足としてのちょうどよい性能を追求したという一台は、どのようなクルマに仕上がっているのか? 2026年秋の正式発表を前に、プロトタイプモデルに試乗した。 -
トヨタRAV4アドベンチャー(前編)
2026.8.23思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「トヨタRAV4」に試乗。ご存じのとおり今やトヨタの屋台骨を支えるSUVであり、先代モデルではグローバルでの年間販売台数が100万台に到達。世界で最も多く販売されるトヨタ車の6代目だ。箱根のワインディングロードでの印象を聞いた。 -
DS N°8エトワールAWD(4WD)
2026.8.22試乗記DSオートモビルから登場した、新時代の旗艦モデル「N°8」。完全新設計のシャシーにアクティブサスペンションを組み合わせた電気自動車(BEV)は、往年の“ハイドロ”を思わせる乗り味と人車一体の走りを備えた、稀有(けう)なサルーンに仕上がっていた。 -
メルセデス・ベンツCLA220(FF/8AT)【試乗記】
2026.8.21試乗記メルセデス独自のオペレーティングシステムと、フル電動化を見据えた最新プラットフォームを組み合わせて開発された新型「CLA」。その先鋒として発売されたハイブリッドモデルの仕上がりを、セダンの上級グレードに試乗して確かめた。 -
これは“ヨーロッパ版軽自動車”か? 欧州の新自動車規格「M1E」とニッポンの軽の可能性
2026.8.21デイリーコラム欧州で検討されている、新たな小型電気自動車(BEV)規格「M1E」。手ごろなBEVの普及と域内自動車産業の保護を目的としたこの規格は、軽自動車という独自の小型車を育んできた日本にとってもチャンスとなるのか? 新たな自動車規格の展望と可能性を考察する。 -
FCEVで世界一の販売台数 「ヒョンデ・ネッソ」にみる水素の可能性と普及へのカギ
2026.8.20デイリーコラムフルモデルチェンジしたヒョンデの燃料電池車(FCEV)「ネッソ」は、1014km(参考値)の一充填走行距離を実現したという。進化したゼロエミッションの走りを味わいながら、ヒョンデが目指す水素社会の可能性とFCEVの未来について考えてみた。







































