人件費不要の自動運転タクシー導入! で、料金はどうなる?
2026.10.05 デイリーコラム大きいのはむしろ配車アプリ
皆さまご承知のように、日本でも、自動運転タクシーの運行が始まるらしい。タクシー配車アプリの「GO」、米アルファベット傘下の自動運転車開発企業「Waymo(ウェイモ)」、タクシー大手の「日本交通」3社の協業によるもので、2027年中に東京の都心部で、自動運転レベル4の完全無人走行による、商用タクシーの運行を目指すとか。われわれが最も気になるのは「料金」と「安全性」だが、料金については、開始当初は有人タクシーと同程度で、事故時の責任は運営者が持つとのことです。
ところで私はカーマニア。クルマの運転は大抵自分でする。なので、タクシーにはほとんど乗りません。ただ最近、高齢の母の送迎のため、「GO」アプリをスマホに入れ、何度か利用しました。
感動しました! なんて便利なんでしょう! アプリでタクシーを呼べばすぐに来てくれて、しかもそのタクシーが、いまどこにいて、どんな経路でこっちに向かってるのか、地図上に表示されるんだから! こんな便利なものが、世の中アタリマエになっていたんですね。浦島太郎気分。
タクシーアプリのおかげで、利用者は大いに便利になり、タクシードライバーの労働効率は劇的に向上。収入も激増しているという。スバラシイことですね!
来年、自動運転タクシーの運行が始まっても、利用者としては、ドライバーが人からAIにチェンジするだけで、便利さは特に変わらないでしょう。もちろん昔ながらに、「有人タクシーには人情がある」とか、「地元の話題や世間話が聞ける」みたいなのを期待する人もいるとは思いますが、私としては、アプリで呼んだタクシードライバーって、行き先も当然ナビ任せなので、ほとんどロボットに近い気がしました。AIに置き換わっても、正直、あんまり変わらないかも。
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料金不変でいいんじゃないか?
ところで読者の皆さまは、もっと突っ込んだ疑問を抱くかと思います。
例えば料金。人件費がかからないなら、料金は安くできるはず。なにしろタクシードライバーの取り分は、料金の5~6割だといいますからね。
なのに「同程度」ってのは、ドライバーの生活を守るため? 自動運転車が高価だから? それとも、事故の際の賠償金を盛り込んでいるから?
海外の事例を見ると、アメリカでは自動運転タクシーのほうが有人タクシーより3割くらい高く、中国では逆に4割くらい安かったりするそうです。アメリカで高いのは、「車両の高さ」が主な理由。いろいろ高度なセンサーを付けなきゃならないし、まだ大量生産してないですからねぇ。中国は国策として強力に推進してるので、その分安いようです。
個人的には、料金は当面、有人タクシーと同程度でいいんじゃないかと思います。なにしろ利用者側の利便性は変わらないので。最終的にはほぼ全部自動運転タクシーになっちゃうんだろうけど、当面は共存共栄と申しましょうか、激変緩和措置といいますか。
基本的に料金ってのは、神の見えざる手(市場)が決めるべきものなので、神にお任せしましょう。安くしてくれるかもしれません。
自動運転タクシーの料金が、当面は安くならなくても、普及が進めば、利用者側には確実にメリットがある。なにしろ自動運転タクシーには、ドライバーがいらない。休憩も食事も睡眠もいらない。充電(たぶん全部EVなんだよね?)するだけでよし。どんな時間帯でも、どんな地域でも稼働できる。ドライバーのなり手のない過疎地でも、採算さえ取れれば働いてもらえる。まさに救世主!
日本ではつい2年前、自家用車のライドシェア解禁問題ですったもんだしたけど、もうああいうのは、アメリカでは「近い将来確実に消滅する」といわれているとか。はぁ~、展開速いなぁ。セミの一生。
(文=清水草一/写真=Waymo、webCG/編集=関 顕也)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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