これがウワサの「アウディQ1」?【パリサロン2012】
2012.10.05 自動車ニュース【パリサロン2012】これがウワサの「アウディQ1」?
フォルクスワーゲングループの中で最も多くのニューモデルを公開したのはアウディ。「フォルクスワーゲングループナイト」でお披露目した「A3アウトバック」をはじめ、初公開モデルは5車種以上に及んだ。
■「クロスラインクーペ」は「Q1」の予告編?
市販モデルの目玉である「A3アウトバック」とともにひな壇に飾られたのは「クロスラインクーペ」。次世代のSUVを模索したコンセプトカーだ。
全長4.21×全幅1.88×全高1.51m、ホイールベース2.56mというコンパクトな2ドアボディーの中には、2+2のシートレイアウトが展開されている。ちなみに屋根は開閉式で、運転席の後方に収納される。スタイリングはおそらく「Q1」を示唆したものだろう。「Q1」とはその名から想像がつくとおり、「Q3」の下に投入される小型SUVのこと。もちろん、このままデビューということにはならないだろうが、ある程度のテイストは反映されているはずだ。
ボディーは、アウディ自慢のアルミに加え、カーボンやグラスファイバーを組み合わせた「マルチスペースフレーム」構造を採用。これにより、大きなリチウムイオンバッテリーを搭載しながらも、車両重量は1390kgに抑えることに成功している。
バッテリーを搭載することからもお分かりのとおり、パワートレインはハイブリッドを採用。1.5リッター直3エンジンに2基のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムである。二つのモーターがどのように配置されているかは不明だが、一方がエンジンスターターと発電、他方が駆動と発電を受け持つ。これにより、走行状況に応じて「モーターのみ」「モーターとエンジン」「エンジンのみ」という3種類のモードを使い分けることができるという。システムの総出力は177ps。容量17.4kWhのリチウムイオンバッテリーにより、モーターのみで86km走行が可能だ。
そして驚くのはその燃費。軽量なボディーとの組み合わせにより90.9km/リッター、つまり100km走行するのに必要な燃料はたったの1.1リッターということになる。算定方法が特殊なプラグインハイブリッド特有の“マジック”が加わっているとはいえ、驚異的な数値だ。ちなみにCO2の排出量は26g/kmにすぎない。
■高性能な「S」シリーズが充実
このほか、アウディブースをにぎわしたニューモデルは「S3」「RS 5カブリオレ」「SQ5」、そしてフェイスリフトを受けた「R8」など。
S3は2012年のジュネーブショーで登場した新型「A3」の高性能仕様。エンジンは2リッター直4ターボで最高出力は300ps、最大トルクは38.7kgmで、クワトロ4WDシステムが組み合わされる。変速機は6段MTと6段Sトロニックの2タイプ。シャシーは車高を25mm下げているほか、前輪荷重を最適化するためにフロントアクスルを52mm前方へ移動させるなど、手の込んだチューニングが施されている。エクステリアは基本的にパッケージオプションの「スポーツライン」に準じているが、テールパイプを4本出しにすることで差別化を図っている。
「RS 5カブリオレ」はすでに発表済みの「RS 5」のオープンバージョン。クーペ同様、フロントに最高出力450psを誇る4.2リッターV8自然吸気エンジンが収まる。駆動方式はもちろんクワトロだ。
「SQ5」はSUVの「Qシリーズ」としては初めて「S」を名乗るモデル。同時に初めてディーゼルエンジンを搭載するSモデルでもある。発表はすでに終えているが、主要なモーターショーに出展されるのは今回が初めて。3リッターV6ディーゼルターボは313psを発生し、最大トルクは66.3kgmにも及ぶ。
フェイスリフトを受けた「R8」も、ショーでの一般公開はこれが初めて。外観の変更点は、ライト類など最小限にとどまっている。機能面ではトランスミッションがシングルクラッチからツインクラッチに進化した。V10エンジン搭載モデルをベースに、出力を25ps強化してよりスポーティーに仕立てた「R8 V10プラス」の追加もトピックだ。
(文と写真=新井一樹)
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