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【スペック】全長×全幅×全高=4850×1920×1890mm/ホイールベース=2885mm/車重=2580kg/駆動方式=4WD/5リッターV8DOHC32バルブ(375ps/6500rpm、52.0kgm/3500rpm)/価格=794万円(テスト車=812万2000円)

ランドローバー・ディスカバリー4 HSE(4WD/6AT)【ブリーフテスト】

ランドローバー・ディスカバリー4 HSE(4WD/6AT) 2009.11.13 試乗記 笹目 二朗 ……812万2000円
総合評価……★★★★★

本格オフローダー「ランドローバー・ディスカバリー」が4世代目に進化。新エンジンを得た新型は、どんなクルマに仕上がったのか? 日本の道で試した。

一番おトクなランドローバー

ディスカバリー(以下ディスコ)は3世代目から4世代目への進化で、外観上も“御本尊”のレンジローバー(以下レンジ)に近づいたし、内装も立派になった。性能面では互角以上であり、お買い得感をさらに増したことになる。ジャガーとの共同開発になるV8エンジンは、ほぼ倍の価格であるレンジと共通。若干小振りで軽いボディは、オフロードでの走破性で有利(回転半径:ディスコ=5.5m/レンジ=5.7m)。3列シートは乗車定員数で勝る。と言う具合に、走るための実質的な内容は、最上級にある。
800万円クラスのお買い物としては、国産車にもオプション込みで該当するクルマがあるにはあるが、はっきり言ってディスコ4の走行感覚は比べ物にならないほどいい。V6とV8といったエンジンの違いだけでなく、足まわりの剛性感であるとか、内装の造りのよさなど比べるまでもない。走りだせば、さらなる格差が明らかとなる。また、ドイツ車勢と比べれば、繊細な運転感覚という点で優位。レンジの廉価版という地位にはあるが、本来の働き手を求めるならばディスコ4の方ほうが有能な手足となろう。

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【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
「ディスカバリー」は、本格4WD車メーカーであるランドローバーの中核モデル。2009年4月のニューヨークショーで、最新型となる4世代目がデビューをはたし、日本でも年内には発売される。
先代から大きく変わったのは、新開発の5リッターV8ユニットで、「スプレーガイデッドガソリン噴射システム」や「トルク駆動独立デュアル可変カムシャフトタイミング」といった新しいメカニズムを採用し、歴代最強となる375psを発生。従来の4.4リッターV8(299ps)より大幅なパワーアップをはたしつつ、燃費も7%向上したとアピールされる。
エクステリアは従来モデルに似たディスカバリーらしいデザインを受け継ぎながら、チタンフィニッシュのメッシュをもつ大型グリルなどでプレミアム感をアピール。対するインテリアは、ドライバー側に向けられたセンターコンソールや内張りの新しい素材感がポイントとなっている。
路面状況に合わせてエンジンから足まわりまでセッティングを変更する「テレイン・レスポンス」や「ヒルディセントコントロール」などコンピューター制御をアップグレードすることで、肝心の走破性も向上。フロント/リアのダンパーを改めるなど、乗り心地にも配慮したとされる。

(グレード概要)
ディスカバリーのラインナップは、ベーシックな「SE」と上級仕様の「HSE」の2モデル。試乗車は後者で、「プレミアムレザーシート」「ウッドトリム(センターコンソール、ドアインサート)」「プライバシーガラス」「コーナリングライト」などの装備が追加されている。

エクステリアに先代「ディスコ3」の面影を残す新型。最低地上高は215mm。渡河水深は700mm(ほぼホイール上端レベル)とされる。
エクステリアに先代「ディスコ3」の面影を残す新型。最低地上高は215mm。渡河水深は700mm(ほぼホイール上端レベル)とされる。 拡大
センターコンソール底部に備わる「テレイン・レスポンス」のスイッチ。オンロード/草・砂利・雪/泥・わだち/砂地/岩場の5モードで、エンジンから足まわりまでセッティングを変更し路面状況に対応する。
センターコンソール底部に備わる「テレイン・レスポンス」のスイッチ。オンロード/草・砂利・雪/泥・わだち/砂地/岩場の5モードで、エンジンから足まわりまでセッティングを変更し路面状況に対応する。 拡大

【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★★★
どちらかと言えば機能優先でそっけなかったディスコ3に対し、新型はウッドパネルを追加されたり、ステアリングホイールやセンターコンソールにはスイッチ類が増えて、豪華な印象を受ける。ATのシフトスイッチやパドル類が付かないおかげで、かえって“分別ある大人のクルマ”という雰囲気を醸す。こうなると、オフロードで泥遊びをするより、ファミリーカーとして寛ぐことのほうが似合いそう。車両情報などのわかりやすさも万全だ。

(前席)……★★★★★
シートはカッチリとした仕立てで、座り心地は申し分なし。表皮のデザインが変わり、座面も背面も腰の部分がすっぽり納まるようになった。キャプテンシートのアームレストはダイヤルで高さが変えられる。ドアの部分にも木目パネルが追加され、落ちついた雰囲気に。直線的にスッキリ角度のついたピラーにより斜め側方視界も良好。大型ミラーも比較的邪魔にならない低めの位置にある。30km/h以下なら5台のカメラによる360度のモニタリングも可能だが、欲を言えば、マニュアル操作でいつでも見られるほうが便利で好ましい。

(2列目シート)……★★★★
こちらは、折り畳んで荷室にすることができる。3つのシートは、均等分割で独立してフラット化するタイプであり、座面の後傾斜角はやや少なめ。なるべく凸凹にならないような配慮もみられる。フロアは高く、乗り込みは難だが、敷居との段差は少ない方か。3列目シートへのアクセスは背もたれを倒して前へスライドさせる方式。いたずらにドアが長過ぎないのはいい。座面は前と3列目の中間的な高さにあり、特別に見晴らしが良いわけではないが、カッチリと直線的に処理された大きな窓のおかげで、絵画的な風景が楽しめる。

(3列目シート)……★★★
通常はフラットな空間として折り畳まれており、必要に応じて起こして使うタイプ。よってサイズもミニマムであるし、平板でクッションも薄い。ヘッドレストも引き上げて使う。乗り降りは、2列目シートをずらして行うため、逃げ場のない空間となる。だがそれゆえに四方を囲まれて守られているような安心感もある。空間としての窮屈さは外から見るほどではない。「駅までちょっとの送迎」以上の役目を果たす。

(荷室)……★★★
上下2分割のハッチゲートは、上を屋根、下を簡易ベンチとする使い方もできて便利。取り付け剛性がしっかりしている。コンビニの買い物程度ならば、上を開けるだけですむ。下部は仕切りとなり小物は転げ落ちない。アルミ製なので重量そのものは軽いのだが、結構高さがあるので、電動スイッチなどのサポートが欲しいところ。トランク形状としては、四角い箱がスッポリ入るタイプで使いやすい。

 
ランドローバー・ディスカバリー4 HSE(4WD/6AT)【ブリーフテスト】の画像 拡大
 
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写真をクリックするとシートの倒れるさまが見られます
写真をクリックするとシートの倒れるさまが見られます 拡大
 
ランドローバー・ディスカバリー4 HSE(4WD/6AT)【ブリーフテスト】

【ドライブフィール】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
今回の改良点の目玉。5リッターV8エンジンは低速からトルクたっぷり。2.5トンを超える車体を軽々と高速までいざなう。このクラスはやはり排気量の恩恵によるところが大きい。かえって燃費も向上しており、10・15モードで6km/リッター走れば納得か。6段ATと2段の副変速機で非常に広い速度域をカバーする。きめ細かなギア配分によるものか、トルコンのスリップ感覚は少なく、スロットルの動きに対する加速開始のレスポンスもいい。

 
ランドローバー・ディスカバリー4 HSE(4WD/6AT)【ブリーフテスト】

(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
オールラウンドなタイヤによるゴロゴロ感はあるものの、微小ストローク域から大きな動きまで、エアサスペンションがもたらす許容量の大きさを実感できる。サスペンション剛性も高く、身体を揺さぶられるようなブルブルした不快な振動は無し。重量車の例に漏れず、概ねフラットな姿勢を維持する。ハンドリングは自然で、意思に逆らう部分は少ない。ラック&ピニオン式のパワーステアリングは、ギア比的にはややスローな設定だが、予想に反して奇妙な動きをすることもない。

(写真=高橋信宏)

【テストデータ】

報告者:笹目二朗
テスト日:2009年10月26日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2009年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)225/50R20(後)同じ(いずれも、ピレリ スコーピオンゼロ)
オプション装備:20インチアロイホイール=18万2000円
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地、一般道のみ
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

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