トヨタのハイブリッド専用車「SAI」デビュー

2009.10.20 自動車ニュース webCG 編集部

トヨタのハイブリッド専用車「SAI」デビュー

トヨタ自動車は2009年10月20日、ハイブリッド専用車となるミディアムセダン「SAI」を発表。2009年12月7日に発売する。

■小さな高級車

トヨタブランドとしては「プリウス」に続き2車種目となる、ハイブリッド専用車として「SAI」がデビューした。2009年7月に発売された「レクサスHS250h」と基本コンポーネンツを共有しつつ、“トヨタ車”としてデザインや機能をリニューアルさせたクルマである。
トヨタラインナップの中では、「クラウン」「マークX」と「プレミオ」「カローラアクシオ」の中間に位置づけられ、すでにラインナップから落とされた「プログレ」などと似た、「小さな高級車」のコンセプトを持つ。なお車名「SAI」は、優れた環境・安全性能を有する「才能」、上質感をお洒落・シックに演出する「彩り」の、「才」と「彩」に由来する。

2.4リッターエンジン+モーターのハイブリッドパワーはCVTを介して、駆動輪となる前輪に伝えられる。燃費性能は23.0km/リッター(10・15モード)。

価格はベーシックグレードの「S」が338.0万円、上級の「G」が380.0万円で、それぞれに安全装備などを充実させた「ASパッケージ」が用意される(385.0万円と426.0万円)。なお、「レクサスHS250h」の最廉価グレードは395.0万円。

■クラウンよりも静か

ボディサイズは全長×全幅×全高=4605×1770×1495mmとなり、バンパー形状などの違いによって、「レクサスHS」より若干小さくされた。ホイールベースは、2700mm。エアロダイナミクスが考慮された形状により、Cd値は0.27という良好な数値を示す。

ブルーの陰影が付いたトヨタエンブレムが備わるフロントグリルやバンパー、LED内蔵のヘッドランプの形状は、「レクサスHS」よりおとなしい印象。LEDが用いられるテールランプは、ターンランプ部のインナーレンズを青色とし、ハイブリッドであることを小さく主張する。

インテリアは、天井の表皮をはじめとして、室内面積の60%にエコプラスチック素材が用いられる。メーターナセル内は、スピードメーターを大きく表示し、インパネメーター上部の枠に充電状況や燃料系などのエコ情報を配置した。
さらにセンターコンソール上部のモニターには、エコ運転を支援する「ESPO」画面を呼び出すことができる。

トヨタ車では初となるリモートタッチも採用された。HSとは違った形状の操作ノブが与えられ、カーナビやオーディオ、エアコンなどの各種機能を集中操作できる。これによりボタン類が少なくなり、さらにオーディオはフタが覆われるなど、全体的にシンプルな見た目のデザインにまとめられた。

遮音材、制振材をボディ各所に配置し、アコースティックガラスを採用するなどで、車内はクラウンよりも静かと謳われる。

■ヘルプネットも備わる

機関面は「レクサスHS250h」のそれを引き継ぐ。2.4リッターエンジン+モーターが、システム最高出力190psを発生。モーターのみを使うEVモードも備わる。組み合わされるCVTには、モーターのトルクを増幅する、リダクションギアが採用され、モーターの小型化と高出力化に寄与している。
サスペンション形式は、前マクファーソンストラット、後ダブルウィッシュボーン形式となる。

安全装備としては、レクサス車で全車に付随するサービス、ヘルプネットが標準装備される。これはボタンを押すだけで警察や救急車の出動を要請できるというもの。G-BOOK mX Proを契約している場合は、エアバッグの展開に連動して救急信号がオペレーターに届く仕組みになっている。

さらに「ASパッケージ」では、前走車との車間を計り追突の可能性をドライバーに知らせる、ミリ派レーザー式のプリクラッシュセーフティシステムや、ブレーキ制御付きのレーダークルーズコントロール、車線逸脱を警告するLKA(レーンキーピングアシスト)が装着される。

(webCG 本諏訪)

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