「BMW X1」がフォトデビュー
2009.07.07 自動車ニュース「BMW X1」がフォトデビュー
独BMWは、今年9月のフランクフルトショーでデビュー予定の「BMW X1」のオフィシャルフォトを公開した。
■Xモデルの新しいエントリーカー
このところ活況を呈しているヨーロッパのコンパクト〜ミッドサイズSUV市場に、BMWがニューモデルを投入する。同社Xモデルのなかで、最もコンパクトな「BMW X1」だ。
Xモデルの新しいエントリーモデルとなるX1は、全長4454×全幅1798×全高1545mmと、X3よりひとまわり小さいボディが特徴である。とくに全高が低く、数字だけ見るとステーションワゴンに近いフォルムを想像してしまうが、実際はSUVらしいマッシブなスタイルに仕立て上げられており、ひと目でXモデルの一員であることがわかる。車両重量は、同等のエンジンを搭載する「X3」と比較して約200kg軽く、さらに俊敏な走りが期待できる。
インテリアは、X3に比べるとシンプルな印象を受けるが、ドライバーを中心としたコックピットデザインや、整然としたコントロール類のレイアウトなどは、まさにBMWスタイル。後席は40:20:40の3分割可倒式を採用し、バックレストは角度調整にも対応する。標準状態の荷室容量は420リッターで、バックレストを調整するだけで490リッターまで拡大可能。さらにシートを倒せば最大1350リッターの広大なスペースが手に入る。
■FR仕様もラインナップ
X1という名前から、ベースモデルはBMW1シリーズと思いきや、2760mmのホイールベースが、「3シリーズ」との強いつながりを示している。サスペンションは、フロントにダブル・ジョイント・スプリング・ストラット式、リアに5リンク式を採用する。駆動方式は、電子制御多板クラッチを用いたフルタイム4WDの「xDrive」に加えて、FR版の「sDrive」も用意される。
エンジンは、ガソリン仕様が3リッター直列6気筒(258ps)の1種類。一方、ディーゼル仕様は、204ps、177ps、143psの異なる3つの2リッター直列4気筒ターボを用意。ディーゼルエンジンは燃費に優れ、143ps版のディーゼルを積む「X1 sDrive 18d」(FRモデル)では19.2km/リッターを実現し、204ps版の「X1 xDrive 23d」でも15.9km/リッターの実力だ。いずれのモデルもブレーキエネルギー回生システムを採用し、マニュアルモデルでは自動アイドリングストップ機構を搭載するなど、燃費向上に努めている。
BMWはこのX1を今年9月に開催されるフランクフルトモーターショーでお披露目の予定。一方、BMWジャパンによれば、日本への導入はいまのところ未定ということだが、VWティグアンやアウディQ5など、比較的コンパクトで扱いやすいモデルの販売に勢いがあることを考えれば、BMWも黙ってはいないはずだ。
(文=生方聡)