メルセデスが“ディーゼルYes”をアピール
2008.07.01 自動車ニュースメルセデスが“ディーゼルYes”をアピール
メルセデス・ベンツ日本は2008年7月1日、東京・台場で「東京クリーンディーゼル体感フェア」と銘打った、ディーゼル車普及促進イベントを開催した。
■あの“ディーゼルNO運動”から9年
「東京クリーンディーゼル体感フェア」は、メルセデス・ベンツ日本が、最新のディーゼル車の実力や環境性能の正しい理解を促す目的で開催したイベントだ。同イベントでは、「メルセデス・ベンツ E320 CDI」を使用した一般ユーザー向け試乗会や環境省選任の“クールアースアンバサダー”こと石原良純氏、慶応義塾大学大学院教授の金谷年展氏によるトークショーが行われた。
現在のディーゼル車は、かつての「ディーゼルNO運動」が叫ばれていた時代(1999年)と比べ、劇的に静か、かつクリーンに進化したとされる。それでも現在、日本におけるディーゼル乗用車の登録数は0.1%ほど。ヨーロッパではそれが約50%を占めていることを考えると日・欧では大きな差が開いている。
金谷教授によると、ディーゼル車の比率が現在の水準から10%に増加すると、200万トンのCO2削減効果が得られるという。200万トンというのは千葉県全体が森林と想定して、そのすべてが吸収するCO2と同等の量。あるいは100万件の家に太陽光発電を設置し、削減できるCO2の量に匹敵するという。
■ディーゼルを取り巻く環境の変化
石原良純氏は、環境負荷低減装置の搭載によりコスト高になるディーゼル車の価格感を、耐用年数が長く、燃費がガソリン車比で20%ほど優れることを考慮すれば、けっして高い買い物にはならないだろうとクリーンディーゼルを擁護する立場をとった。
現在、メルセデス・ベンツ日本が国内で販売する「E320 CDI アバンギャルド」の価格は、848万円。同排気量のガソリン車「E300 アバンギャルドS」(775万円)と比べると、73万円高の設定だ。この価格差の「元をとる」という考え方をすると、かなりの年月を要することになる。それでもディーゼル車は発売以降、約3000台が販売され、Eクラス全体の約20%を占めるに至っている。これは燃費経済性の面だけでなく、環境性能や豊かなトルク特性などを理由にディーゼル車を選ぶユーザーから好評をもって迎えられている証拠だろう。
ディーゼル車を取り巻く環境は変わりつつある。各自動車メーカーによる次世代パワートレインの研究開発と並行して、2005年1月には低硫黄サルファフリー燃料が導入されるようになった。これにより燃料とパワートレインの両面からディーゼル排ガスのクリーン化が図れるようになった。また2008年1月には政府主導によるクリーンディーゼル車の普及案が検討されている。具体的には、2009年度からクリーンディーゼル車の購入に際して、十数万円の補助金が交付されることになりそうだ。
(webCG 曽宮)
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