アウディが縦置きエンジン用Sトロニックを開発
2008.03.20 自動車ニュースアウディが縦置きエンジン用Sトロニックを開発
アウディはA4やA5など、縦置きエンジン車に搭載可能な「Sトロニック」を開発、2008年度中にさまざまなモデルに導入する見通しだ。
■新しいSトロニックは7段変速
フォルクスワーゲンでは「DSG」、アウディでは「Sトロニック」と呼ばれる人気のトランスミッションは、マニュアルギアボックスをベースに、クラッチ操作やシフトアップ/シフトダウンを自動化した、いわゆる“2ペダル式MT”だ。変速用に2組のクラッチを用意し、それらを交互に切り替えることで素早くスムーズな変速を実現。トルクコンバーター式オートマチックに迫る快適さや効率の良さも手伝って、ユーザーからの高い支持を得ている。
アウディでは、A3スポーツバックやTTクーペ/TTロードスターにSトロニック搭載モデルがあるが、主力のA4やそれ以上のモデルには未搭載だった。というのも、現在のDSGやSトロニックは横置きエンジン用で、A4などエンジンを縦置きするクルマには対応していなかった。そこでアウディは縦置きエンジン用のSトロニックを新たに開発するに至ったのだ。
これまでの横置きエンジン用Sトロニックと同様、新しいSトロニックも2組の湿式多板クラッチを用意し、これらを交互に切り替えて変速する。ただし、ギアは6段から7段になり、また、耐トルク容量もこれまでの350Nmから550Nmと大幅にアップした。これにより、理論上はガソリンエンジンならS8のV10まで、ディーゼルなら3リッターV6までカバーすることが可能。フルタイム4WDのクワトロにも対応する。
具体的なSトロニック搭載モデルは明らかにされていないが、セダンやアバント、クーペはもちろんのこと、SUVにもその搭載範囲は広げられるようだ。一説によれば、7段Sトロニックのデビューは、A4/A5がベースとなるSUV「Q5」といわれている。Q5自体が4月に開催される北京モーターショーでお目見えすると噂されていることから、詳細が明らかになる日は近い。
(文=生方聡)
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