プジョー、「ルマン2008」は豪華ドライバー&3台体制で挑戦
2008.02.21 自動車ニュースプジョー、「ルマン2008」は豪華ドライバー&3台体制で挑戦
仏プジョーは2008年2月15日、パリ近郊において、モータースポーツ部門「プジョー・スポール」の2008年活動計画を発表。そのなかで、6月に予定されるルマン24時間耐久レースのドライバーラインナップなどを明らかにした。
■3台体制で優勝を狙う
ディーゼルエンジンを搭載した「908HDi FAP」を昨年デビューさせたプジョーは、当初から公言していた通り“2008年は優勝する”ために、強靭な布陣をしく。
プジョー・スポールの代表ミシェル・バルジュが「ライバルと、少なくともスタートでは同じ体制を整えておきたい」と説明するように、圧倒的な強さを見せるアウディに対抗。昨年より1台多い3台体制で臨む。
昨年初めてルマンに参戦した元F1王者のジャック・ビルヌーブは、今年も挑戦。「優勝できなかったから、来年も是非出たい!」とマシンを降りるなり語っていた通りだ。
そのほかのドライバーは、昨年ルマンシリーズ(LMS)に参戦してシリーズチャンピオンに輝いたステファン・サラザンとペドロ・ラミー、フェラーリのテストドライバーも兼ねるマルク・ジュネとニコラ・ミナシアン。彼らは今年もLMSにフル参戦する。
■ドライバーも豪華な顔ぶれ
さらに豪華なのは、新メンバーだ。昨年はウィリアムズからF1に参戦し、今年はホンダのテストドライバーを務めるアレキサンダー・ブルツ、BMWのテストドライバー、クリスチャン・クリエン、昨年ルノーのテストドライバーだったリカルド・ゾンタに、スーパーアグリから参戦もあるフランク・モンタニと、いずれもF1経験が豊富なスーパードライバーばかりを集めた。
モンタニとクリエンによると、「F1のテストドライバーの役割が激減してしまった。だけどドライバーだから走りたいよ」とのこと。時間的余裕とドライバーの本能が、“新旧F1チーム”結成の背景にあるようだ。
ブルツは1996年にもルマンに「TWRポルシェ・ヨースト」から初出場し、大会史上最年少の22歳で総合優勝している。その翌年F1デビュー。ルマンは10年ぶりとなるが、再び勝利の女神を引き寄せられるだろうか?
チームは、テストドライバーのアントニー・ベルトワーズを加えた10人のドライバーで構成される。全員のF1参戦合計数は393戦。ルマンも計32戦にもなるという。プジョーの意気込みは相当なものといえよう。
各マシンに乗り込むドライバー構成は、体形やドライビングスタイルを考慮して、後日決定される。
■マシンの仕上がりは上々
「908HDi FAP」に関しては、スペックこそ2007年バージョンと変わっていないが、空力やエンジンを中心に、ミッション、デファレンシャル、サスペンションなど全てにわたって改良が加えられたという。開発は常に進行形で、発表会に持ち込まれたマシンのボディ形状が今後変わる可能性もある。
ただ、全ドライバーおよびスタッフの意見は、「マシンは非常にいい仕上がりだ」と異口同音。その証拠に、先月参加した米セブリングでの合同テストでも、好調ぶりを見せた。
2008年3月15日に決勝が行われる「セブリング12時間」に1台、つづく4月に開幕する「LMS」には2台が参戦する予定。あくまでルマン24時間に向けてのテスト的意味合いが強いものの、宿敵「アウディ」との直接対決となるため、大事な前哨戦となる。
(文と写真=野口友莉/YUYU)
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