第46回:『バイクかクルマか 〜BMW C1〜』(後編)
2007.09.01 広告のススメ第46回:『バイクかクルマか 〜BMW C1〜』(後編)
バイクのようでバイクでない、BMWのシティーコミューター”「C-1」。日本には導入されていないが、それにはちょっとした理由がある。
セリングポイントが仇
BMW「C-1」は、125ccエンジンを積む「125」と、176ccエンジンを搭載する「200」の2グレードに大別される。“2輪車”であることに間違いないが、ライダー(?)を守る強固なアルミ製パセンジャーセルを備え、ルーフは1.5トンの荷重に耐える構造だという。強化ガラス製ウィンドウシールドには、ワイパーもついている。C1のセリングポイントは、シートベルトを装着することで、欧州各国でヘルメットをかぶらなくても、走ることが認められているという点だ。
しかし、日本ではBMWの主張が認められず、ヘルメットなしでの乗車ができないため、残念ながら輸入されていない。
バイクと車の融合をコンセプトにして、機動性と安全性、そして豪華さを売りモノにするC1。広告のキャッチコピーは、こういっている。「You'll feel like being in a car.」(あなたはクルマに乗っているように感じるでしょう)。運転席からの光景は、バイクではない。
洗車場へ入っていくBMW「C1」の姿、日本ではいつ見ることができるのだろうか。
(2003年5月17日)
BMW C1/Milan
アートディレクター:Stefano Rosselli/Vicky Gitto
コピーライター:Vicky Gitto/Stefano Rosselli
フォトグラファー:Pier Paolo Ferrari
エージェンシー:D'Adda Lorenzini、Vigorelli BBDO/Milan

金子 秀之
早稲田大学商学部卒業。資生堂のアートディレクターとして前田美波里のサマーキャンペーンを担当。1973年博報堂のクリエイティブ・ディレクターとして、サントリーの「ブランディ水で割ったらアメリカン」キャンペーンを手がける。1993年(有)クエスターを設立。広告製作及び海外広告の紹介をして現在にいたる。
-
最終回:がんばる菜食主義者 2007.9.1 「Vegetarians Served Daily.」 アメリカのステーキレストラン「LONGHORN STEAKS」では、菜食主義者が給仕する……? 菜食主義者といっても、動物性タンパク質をまったく口にしない人もいれば、卵はOKとか、魚介類は食べるなど様々だ。とはいえ、わざわざステーキレストランで働くのだろうか。
-
第93回:アメリカで見られるアフリカの動物 2007.9.1 1670年、イギリス人によるアメリカ大陸への、最初の入植が行われた。当時のイギリス国王がチャールスII世であったことから、入植地はチャールスのラテン語名である“カロライナ”と名付けられ、729年に“North Carolina”と“South Carolina”の2州になった。
-
第92回:ランドローバー「大地のサンプル」 2007.9.1 自動車メーカー(ディーラー)のダイレクトメールといえば、クルマの小冊子やカタログや、オイル交換割引券が入っているもの。しかし、クロスカントリーモデルで有名なランドローバーのダイレクトメールには、同社ならではのユニークなアイテムがついていた。
-
第91回:“隙間”があれば大丈夫 2007.9.1 「カンヌ国際広告祭」に「Direct」と「Media」という新しい部門ができて、2004年で3年目をむかえた。このカテゴリーは、広告そのものを評価するのではない。媒体の使い方がユニークであるとか、出演した特定のタレントによってキャンペーンが予想以上の効果をあげたとか、販売促進につけた景品が面白いなど、広告に付随する効果を評価する賞である。
-
第90回:南アのフォルクスワーゲン「お別れ」キャンペーン 2007.9.1 新車では手に入らないクルマの広告キャンペーン!? フォルクスワーゲンのワンボックス「トランスポーター3」(T3Bus)の生産が終わった南アフリカで、なぜかT3Busの広告キャンペーンが行われた、そのワケは?
-
NEW
開幕まで1週間! ジャパンモビリティショー2025の歩き方
2025.10.22デイリーコラム「ジャパンモビリティショー2025」の開幕が間近に迫っている。広大な会場にたくさんの展示物が並んでいるため、「見逃しがあったら……」と、今から夜も眠れない日々をお過ごしの方もおられるに違いない。ずばりショーの見どころをお伝えしよう。 -
NEW
レクサスLM500h“エグゼクティブ”(4WD/6AT)【試乗記】
2025.10.22試乗記レクサスの高級ミニバン「LM」が2代目への代替わりから2年を待たずしてマイナーチェンジを敢行。メニューの数自体は控えめながら、その乗り味には着実な進化の跡が感じられる。4人乗り仕様“エグゼクティブ”の仕上がりを報告する。 -
NEW
第88回:「ホンダ・プレリュード」を再考する(前編) ―スペシャリティークーペのホントの価値ってなんだ?―
2025.10.22カーデザイン曼荼羅いよいよ販売が開始されたホンダのスペシャリティークーペ「プレリュード」。コンセプトモデルの頃から反転したようにも思える世間の評価の理由とは? クルマ好きはスペシャリティークーペになにを求めているのか? カーデザインの専門家と考えた。 -
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。