F1第6戦カナダGP決勝結果【F1 07】
2007.06.11 自動車ニュース【F1 07】第6戦カナダGP、波乱のレースで新人ハミルトンが初優勝を飾る!
F1世界選手権第6戦カナダGP決勝が、2007年6月10日、カナダはモントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキット(4.361km)を70周して行われた。
4度のセーフティカー、大クラッシュ、ペナルティ……稀にみる大荒れのレースをクールにこなした驚異の新人、マクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトンが、初ポールポジションから初優勝。自身わずか6戦目で早々に栄冠を手にした。
ハミルトンはポイントを48点とし、8点先行で堂々のチャンピオンシップリーダーとなった。
2位はBMWザウバーのニック・ハイドフェルド、3位は1ストップでのりきったウィリアムズ・トヨタのアレキサンダー・ブルツと、新鮮な顔ぶれがポディウムに並んだ。
4位はやはり1ストップが奏功したルノーのヘイキ・コバライネン、5位は不調フェラーリのキミ・ライコネン、6位にスーパーアグリ・ホンダの佐藤琢磨が入り今年2度目の得点に成功した。
コースオフ、ペナルティといいところがなかったマクラーレンのフェルナンド・アロンソが7位でゴール。大型ルーキーの影にすっかり隠れたかっこうだ。そして最後の1点は、8位でフィニッシュしたトヨタのラルフ・シューマッハーにわたった。
なお、大クラッシュを演じたBMWザウバーのロバート・クビサは、命に別状はなく、軽傷ですんだ模様だ。
■夢のようなシンデレラ・ストーリー
スーパールーキー、ハミルトンの初優勝は、自身の飛びぬけた力量に加え、運も味方した結果だった。
アロンソは予選アタックで失敗し2番グリッド。初めてのポールポジションからスタートしたハミルトンの横で、ワールドチャンピオンはコースオフをきっし3位へポジションを落とした。
トップのハミルトンにとっては、最大のライバルの前に2位ハイドフェルドが入ってくれたことで、幸先のよい出だし。15周でハミルトンは11.2秒のギャップを築き、レースをコントロールする立場についた。
コースが慌しくなったのは22周目。エイドリアン・スーティルのスパイカーがウォールにヒットし、程なくして最初のセーフティカー(SC)が導入された。
今年からレギュレーションが変わり、SC導入直後に給油することは禁止となった。このルールが、リザルトに大きな影響をもたらすことになる。
SCと同時にピットに飛び込んだアロンソとロズベルグに、給油を行ったことによるペナルティが科されたのだ。
順位を下げてしまった両者のいっぽう、ハミルトンはSC直前に最初のピット作業を終了していたことで、首位を難なく堅持できた。さらに自身2度目のピットイン直後にまたSC導入と、ハミルトンの動きは、まるで息を合わせたかのように有利にはたらいた。
アロンソはタイヤのグレイニング(ささくれ)にも足を引っ張られ、計4回もコースを飛び出した。さらにペナルティで15位まで落ちたポジションを挽回するも、終盤に走りの“さえ”はみられず。
残り2周、アロンソは佐藤琢磨のすばらしいレイトブレーキングで7位にダウンし、チェッカードフラッグを受けた。
「セーフティカーはレースをくじ引きにする。運が必要だということだよ」とは、ダブルワールドチャンピオン、アロンソのレース後の弁。
まったくいいところなしに終わったフェラーリ勢(ライコネン5位、フェリッペ・マッサはピット出口の信号無視で失格)とともに、アロンソの“不安”は広がるばかり、なのだろうか。
GP6戦目にして初V、しかも全戦表彰台、チャンピオンシップリーダー……ハミルトンの夢のようなシンデレラ・ストーリーが爆発した1戦だった。
北米2連戦の次はアメリカGP。レースは1週間後だ。
(文=bg)
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