フォルクスワーゲン・イオス2.0T(FF/2ペダル6MT)/V6(FF/2ペダル6MT)【試乗速報(後編)】
Eos いよいよ 日本で初乗り(後編) 2006.10.26 試乗記 フォルクスワーゲン・イオス2.0T(FF/2ペダル6MT)/V6(FF/2ペダル6MT)……484万2000円/537万9000円 フォルクスワーゲン「Eos(イオス)」が日本上陸。日本発祥の地(?)淡路島でその走りを試す。ずばりオススメは?V6?ターボ?さあドッチ?
イオスのオープンエアモータリングに、さらに楽しさを加えてくれる存在がエンジンである。ラインナップは2種類。上級グレードはR32譲りの250ps/6300rpm、32.6kgm/2500ー3000rpmを発生する3.2リッター「V6」。もう一方はゴルフGTIにも搭載される「2.0T」で、これが廉価グレードと言うには失礼なほどの実力(200ps/5100〜6000rpm、28.6kgm/1800〜5000rpm)を持っているのはご存じの通りだ。
そしてトランスミッションは伝家の宝刀DSG。V6は4MOTIONになるかと思いきや、今回はそれが却下された。よって駆動方式は揃ってFFとなったが、とにかくVWアイテムの良いトコ取りをしたのがイオスというクルマである。
結論から言って、イオスはV6に魅力を感じた。緻密に組み上げられた狭角エンジンの回転上昇音が、フロントノーズからダイレクトに聞こえてきたときの感激は、R32をもしのぐ。限界で攻め立てる必要もなくこの快感が手に入るという点でも、オープンルーフとV6の組み合わせは抜群だ。それは、快感指数で常に上位にいるアルファ・スパイダーよりも刺激的である。
では2.0Tが魅力に乏しいのか、といえばそうではない。ただしこのユニットは、ゴルフのような、「シャシーでスポーツする」マシンに対して忠実なパワー&トルクを発揮するタイプ。結果「そつなく速い」スタイルを生み出すから、V6とは対照的な印象なのだ。パワー的に50psの差があることは事実だが、それが両者の絶対的な差となることはないだろう。要するに好みで選べば良い。
ハンドリングに差はあるか?
シャシー性能に関しても「2.0Tの鼻先は軽く、V6は重い」という定説に縛られる必要はない。現行VWの足まわりは、そう単純に感じさせるほどプアなデキではないし、例えばオープン時には、後方トランクにルーフが収納されるために、V6であっても前後バランスが悪くないのだ。
比べてみれば2.0Tは確かに軽快だが、V6も自らの重量でフロントに適度な荷重を与え、通常走行範囲内では舵の追従性も非常に良い。しかもその重みがハーシュネスまで丸め込み、乗り心地もマイルドに感じさせる。むしろ2.0Tの方に、バンプ時の突き上げ感を軽く意識させられたほどであった。もっともこれは両者の相対比較であり、個々のレベルは非常に高い。
カッコいいとこ、気になるところ
イオスはとにかく秀逸なクルマである。
普段は大人4人を(実際は大人2人+子供2人か?)快適なクーペボディに乗せることで良きパパを演じ、ときには夫婦ふたりでロマンチックなオープンエアを満喫できる(リアシートはちょっと辛いのだ)。ひとりストイックに走りたければ、DSGを駆使しながらカッ飛べるだけのシャシー性能もある。全てが高いバランスで結ばれている。
色気が少し足りない…というジャーナリストの評価も聞いたが、個人的にはその絶妙なさじ加減こそがイオスのカッコ良さだと思う。
気になる部分があるとすれば、V6が498万円で、2.0Tは438万円というプライス。これにナビやレザーシートなどオプションを付けると21万〜46万2000円がさらに追加される。
内容的に見れば、BMWやメルセデス・ベンツ、そしてアウディなどのカブリオレに対して「これは破格である」と言えるが、V6を選んだ場合VWが500万円を超える価格を提示することに、市場がどう反応するかが非常に興味深い。ただしこのプライスタグは、単なるプレミアムな雰囲気やブランド料金で付けられたものではなく、その性能に対して純粋に付けられたもの。それがわかった人には、魅力的な一台となるだろう。
フォルクスワーゲンとは、どこまで行ってもまじめなメーカーなのである。
(文=山田弘樹/写真=高橋信宏/2006年10月)
・フォルクスワーゲン・イオス2.0T(FF/2ペダル6MT)/V6(FF/2ペダル6MT)(前編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018761.html

山田 弘樹
ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦経験をもつ、実践派のモータージャーナリスト。動力性能や運動性能、およびそれに関連するメカニズムの批評を得意とする。愛車は1995年式「ポルシェ911カレラ」と1986年式の「トヨタ・スプリンター トレノ」(AE86)。
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