フランス自動車メーカー合同プレス試乗会【試乗記(後編)】
フランス自動車メーカー合同プレス試乗会(後編) 2006.11.15 試乗記 シトロエンC5 V6エクスクルーシブ(FF/6AT)/ルノー・ルーテシア(FF/5MT) フランスの3社が勢ぞろいした「フランス自動車メーカー合同プレス試乗会」。「プジョー・クーペ407」に続いて『webCG』コンドーと関が試乗したのは、大きな「シトロエン」と小さな「ルノー」。快適に速く走れる……シトロエンC5 V6エクスクルーシブ(FF/6AT)
関(以下「せ」):プジョーのクーペにつづいては、「シトロエンC5」。こちらも3リッターV6エンジンを積む、ハイクラスなモデルです。これだけ大きなボディでハッチバックというのが、面白いですね。
コンドー(以下「コ」):デビュー当初は、どこのクルマかわからへんほど地味やったけど、マイチェンですっかりシトロエンらしいデザインになってきた。たれ目のテールランプ、かつての「マセラティ3200GT」みたいや。
せ:それに比べて内装のデザインは常識的な印象ですが、熱心なシトロエンマニア以外には、むしろ馴染みやすいでしょう。
コ:運転して、どう?
せ:「プジョー・クーペ407」で通ったのと同じコースを運転して、違うのにビックリしました。路面の凸凹があまり感じられないからよほど足がソフトなのかと思いきや、コーナーではロール感もなく、しっかり曲がっていくんです。
コ:カルチャーショックやった?
せ:駐車場でよく見たら、車高が上がっていて、2度ビックリ。
コ:路面状況に応じて高さが変わる、シトロエンの専売特許「ハイドラクティブIII」サスペンションや。ガスとオイルがスプリングの代わりしてて、「魔法の絨毯」ていわれてる。
せ:快適なのはもちろん、安心して速く走れますよね。
コ:大柄は大柄なんやけど、それ以上にひろびろ感がある。リアの床面がフラットになんも嬉しいな。
せ:クーペ407同様、エンジンより乗り心地に気を取られてしまいますね。こんなに感心してナンですが、いままで「シトロエン」って縁遠いクルマだと思っていました。
コ:デザインもメカニズムも、革新性が身上のメーカーやから。
せ:この先、世界中のクルマが似通っていくなら、この個性は強みになるんじゃないでしょうか。
コ:新しく入ってくる「C6」もこれまた個性的で、大注目やしなぁ。
“らしさ”は、ちゃんと残ってる……ルノー・ルーテシア(FF/5MT)
せ:3リッター級の2台に続いて、最後はコンパクトカーの「ルノー・ルーテシア」。しかも、3ドアのMTモデルです。
コ:こらまた、極端なんにしたなぁ。ATモデルよりも20万円安い、189万8000円。スポーティなクルマでもないし、MTは価格競争上の戦略モデルっていうヤツやね。
せ:「ルーテシア」は、2006年欧州カーオブザイヤーの受賞車。ある意味、いまのフランス車の顔じゃないですか。
コ:先代「ルーテシア」も受賞してるから、2代つづけや。モデルチェンジで、すっかりオトコマエになったよな。内装の質感も格段に上がった。
せ:ただ、「クーペ407」「C5」の2台に比べれば、“どこかで見たような感じ”が漂いますね。
コ:いわゆる大衆車で、グローバル化の旗振り役やから、それはしゃぁない。代わりに色を13色も用意したり、気も遣ってるんやろ。でも、ルノーらしさはちゃぁんと残ってるで。
せ:「すっかり変わった」のにですか?
コ:見た目じゃナイねん。走ってるとき、そこかしこに感じられる「シッカリ感」な。安いクルマやのに、安っぽないやろ? ドッシリ感てゆうか、奥の深い安心感がある。電動パワステのフィーリングには馴染まれへんけど……。
せ:センターに戻ろうとする反力が強いですね。もっとも、これはフランス車の特徴ではないでしょうけど。
コ:そうそう、「フランス車」な。いまや、「ルーテシア」みたいなグローバルカーから「C5」みたいな個性派まで、いろいろあるわけやし、「フランス車らしさ」でひとくくりするのも、ナンセンスなんかもなぁ。
せ:いっぽうで、工夫はさまざまですが、どれも乗り心地や快適性へのこだわりは感じます。コンパクトなルーテシアですら、シートの感触はとてもいい。もちもちした独特のクッションで、長時間乗っても快適です。
コ:「プジョー・クーペ407」と「シトロエンC5」も、気付くと話題は快適性や。「快適に遠くまで」が、共通したキャッチフレーズかもな。
せ:それこそ最高じゃないですか。クルマなんだから。市場に反映されていないのが不思議ですね。
コ:乗り心地は、スペックでは表現しきれへんからな。料理のウマさ、ベッドの寝ごこちと同じ。自分で触れて味わってみることでしか、その良さがわかりにくい。
せ:多くのクルマに試乗している自動車ジャーナリストにフランス車好きが目立つのも、そういう理由でしょうか。
コ:まぁ、試してみる価値はあるんやないかな? ヒョンな機会に乗ってみたら、案外ハマってしてしまうかもしれんよ。
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=峰昌宏/2006年11月)
・フランス自動車メーカー合同プレス試乗会(前編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018753.html
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近藤 俊

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
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