ホンダ・ステップワゴンG Lパッケージ(4AT)/24Z(4AT)【試乗記】
ホンダ風味が効いている 2005.07.06 試乗記 ホンダ・ステップワゴンG Lパッケージ(4AT)/24Z(4AT) …………244万6500円/329万7000円 「日産セレナ」と発売時期も“ガチンコ”の「ホンダ・ステップワゴン」。3代目の新型に乗った自動車ジャーナリストの笹目二朗はライバルと比較して、様々な面でホンダらしさを感じたという。“低さ”と“新しさ”
3代目「ホンダ・ステップワゴン」は、初代からしてホンダ製ミニバン軍団のなかでも力作の誉れが高い。今回同時にモデルチェンジした「日産セレナ」とはすこし趣を変え、ターゲットユーザーを同じ若いファミリー層としながらも、パパが一人で乗るときのホンダ流スポーツ風味を効かせている。
5ナンバーサイズ最大級ではあるが、旧型に比べやや低く短くなり、外寸は全長×全幅×全高=4630×1695×1770mmと、一見サイズダウンしたような印象もある。ちょっと突き出た短いノーズを持つワンボックス風のミニバンは、「オデッセイ」同様低く見せることに執着しており、低ステップによる乗降性の良さと、低重心による操縦安定性の向上を謳う。
やや低められたルーフには、オプションで日本的で障子を思わせる「トップライトルーフ」が備わり、室内に明るさと開放感を与える。同じくオプションながら、リビング感覚のフローリングフロアも新鮮でヤングミセスに受けそうだ。また外寸はそのままながら、2.4リッターエンジンも用意され、さらなる高性能仕様も選べる。2リッター/5ナンバー仕様だけのセレナに対する優位点といえるかもしれない。
明るくて開放的
ドライバーズシートに座った感覚は、遠目に大きな文字で見る黒い帯のメーターが新鮮で見やすい。ダッシュ水平面の蓋つきの物入れも便利ですっきりしている。前方の眺めはセレナより数段感覚的に新しく、ここにステップワゴンの魅力が集約されている。インパネシフトのレバーもアヴァンシア以来、経験を経てサマになってきた。
中央および3列目のシートを含むシート類全体のアレンジや、変化させる操作性には苦心のあとが見える。大きな違いといえば、中央席の回転対座がステップワゴンに出来てセレナにはできないことか。室内をパッと見た雰囲気としては、ステップワゴンの方が明るく開放的だ。これも天井の明かり取りが効いている。シートそのものは平板で座面の後傾角が少なめのいわゆる“腰掛け型”となる。よって長距離では疲れそう。ボディサイズが違うとはいえ、「クライスラー・ボイジャー」などを見習う必要があるだろう。
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キビキビ敏捷
セレナに較べてエンジンの表示馬力も大きく、ボディ重量も軽いステップワゴンは動力性能を確保しやすいとみえ、2リッターのトランスミッションは一般的なトルコン4段AT。2.4リッターモデルはCVTと組み合わされる。どちらのモデルがお勧めか? を率直に答えれば、排気量の大きなエンジンとトルクを効率的に使うCVTを搭載する2.4リッターモデルである。これはとりもなおさず、セレナに対するステップワゴンの強みでもある。
操縦安定性/乗り心地は高水準にある。ただし低重心を謳うステップワゴンであっても、古いホンダ車に特徴的だった爪先立ったロール感を未だすこし引きずっている印象を受けた。ロール角そのものはすくなく調教されているものの、ミニバンに求められる温和な安心感という点では、新型セレナに一日の長がある。
ステップワゴンのタイヤは205/65R15と太く、足まわり全体もやや硬い設定。とはいえ、目地段差などのハーシュネスはショックも音的にも、不快感のない巧妙な設定がなされており、同乗者が我慢を強いられるようなことはない。ミニバンにキビキビした敏捷な動きを求めるならステップワゴン、といえよう。
細かい部分や走りのキャラクターは違っても、セレナとステップワゴンの総合点はほぼ互角である。こちらはスタイリングなど見た目やインテリアの感覚が新しく、上記のキビキビ感などを考えると、ひとりで乗る機会が多い人にはステップワゴンか。
(文=笹目二朗/写真=高橋信宏/2005年6月)

笹目 二朗
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