第151回:拝啓、アップルコンピュータ様 7月上旬に「iPod」を買った者より……。
2004.08.06 小沢コージの勢いまかせ!第151回:拝啓、アップルコンピュータ様 7月上旬に「iPod」を買った者より……。
■モノには大満足!
ウワサには聞いてたけど、直面すると言いようのない苛立ちを感じますなぁ、アップルコンピュータ!
先月、遅ればせながら「iPod」買ったのね。そ、アップルコンピュータの新世代音楽メディア。
で、大満足だったのよ。ハッキリ言って。前に取材で使ったことがあって、メリットは知ってるつもりだったけど、実際使ってみると便利さを痛感できた。
というのも、毎日のように違うクルマに乗る俺にとって、“音”をハードディスクに入れ、自由自在に運べるのって、とてつもないメリットなのよ。今はオプションのFMトランスミッター付けて、FMラジオを介して聴いてるんだけど、ホントラクチン。どんなクルマ、どんなカーオーディオでも使えるし、あらかじめ、事務所で本体にたっぷり充電しとけば、シガーライターソケットに電源コードを繋ぐ手間すら省ける。極端な話、カバンの中に入れっぱなしでイイのだ。
CDだと出し入れに意外と手間取るし、返却した試乗車にディスクを忘れることもよくある。すると、ついついCDを持っていかなくなるし、「聴くヒマないし……」って新譜も買わなくなる。
でもiPodなら古今東西、何千曲ってCD情報をブチ込めるうえ、セレクトも自由自在。唯一の懸念がFMトランスミッターを使ったときの音質の悪さなんだけど、使ってみると意外と悪くなかった。
前は「ちょっと音が眠いなぁ」って思ったけど、音質セレクトで「Vocal Booster」とか「Treble Booster」を入れると結構イイ音で聴けるのだ。ポップスとかロックはね。クラシック好きのご期待に沿えるかはわかりませんが。
ってなわけで、「こりゃ21世紀のモータージャーナリスト! にはもちろん、21世紀的ドライブ音楽ライフに最適!」とか思ってたのね。だってレンタカーとか、ヒトのクルマに乗っても、好きな曲が流せるじゃない。音楽好きの女の子が初デートでドライブ行っても、「ハイ、これ聞いて!」なんて“おせっかいCD”渡したりしなくて済むし、俺的には海外のレンタカーでも使えないかなぁ、なんて思ってます。とりあえず大満足!
■ガビーン!
……なーんて思ってたらさぁ、先日、ガビーンとショックなことが。ま、本質的な魅力に変わりはないんだけどね。相変わらず素晴らしいぜ! iPod様!!
ただ、「そりゃちょっとないんじゃなーい?」ってこともしてくれたんだよね。というのも、俺が買って2週間もしないうちに、まったく予告ナシで新型が出てやんの。もちろん「iPod mini」が出るのは知ってたよ。そうじゃなくって、普通のヤツが。いきなり価格下がって、薄型になって、8時間バッテリーが12時間バッテリーになって、さらに操作系がますますシンプル&オシャレになるという、超絶進化! 新製品のホームページ見てて、一瞬目が点になりました……。
くぅー、普通予告するよなぁ。家電製品の場合。実際、国産メーカーでそんなことする会社はないらしいし。クルマの場合は、たしかモデルチェンジの1ヶ月前以内は、末期型を買おうとする人にそれを告知する義務がある。ホント、ヒドイぜ。メーカーとして、旧型を売り切りたいキモチもわからんでもない。でも、こんなんじゃ次買う気なくなるよ、アップルの製品。現実問題、「買った翌日に新型が出た」って最悪の人もいるらしいし。お察ししますよ、そのお嘆き。
■なんちゅーかなぁ……
こんなハナシ、コンピュータの世界じゃよくあるらしい。特にアップルは頻繁らしくて、それ以外の会社でも、最先端製品の業務用とか、研究開発用の世界では、当たり前だとか当たり前じゃないとか。
でもさ、作って売る側の人間がね、翌日新型出るのを密かに知りつつ、目の前で旧型(になる製品)を喜んで買う客を見て、どう思うんだろう。「俺たちの製品は古くなっても最高!」とでも思うんだろうか。
なんちゅーかなぁ。たとえば、アナタが八百屋の店主でさ。目の前に明らかにおいしいスイカと、明らかにひと味落ちるスイカがあって、どっちを薦めるのだろうか。売れ残ると困るから、悪い方を買ってくれって思うんだろうか。
これはね、もはや人間性の問題なんじゃないでしょうか。“会社性”の問題というか。
いくらイイ製品を出しても、俺はどっか信用できないと思っちゃうね。アップルコンピュータ様!
(文と写真=小沢コージ/2004年8月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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