プジョーは「Onyx」ブランドを前面に【パリサロン2012】
2012.09.29 自動車ニュース【パリサロン2012】プジョーは「Onyx」ブランドを前面に
地元ならではの広いブースを生かしたプジョーのステージには、車輪の数も動力源も異なる乗り物が並んでいた。名前はすべて「Onyx(オニクス)」だった。
■横断的なモビリティーブランド「Onyx」
「Onyx(オニクス)」の名を持つコンセプトモデルは3種類。3リッターV8ディーゼルターボエンジンを使ったハイブリッドシステムに6段シーケンシャルギアボックスを組み合わせたスーパーカーの「Onyx」、400ccガソリンエンジンを用いたハイブリッドシステムで走るトライク(三輪バイク)の「Onyxコンセプトスクーター」、カーボンファイバー製フレームを採用した自転車「Onyxコンセプトバイク」だ。クルマ、スクーター、自転車とさまざまなモビリティーを手掛けてきたプジョーならではのラインナップといえる。
そのステージ上にまず現れてブリーフィングを始めたのは、プジョーブランドCEOのマキシム・ピカ氏。続いてプロダクトディレクターのグザヴィエ・プジョー氏、デザインディレクターのジル・ヴィダル氏も登壇した。
スーパーカーのOnyxは、フェンダーとドアに使われた純銅の質感が印象的。それ以外の部分がマットブラックなので、銅の部分がより引き立って見える。このコーディネートは「コンセプトスクーター」と「バイク」にも適用されており、Onyxシリーズとしての統一感を図ることに成功していた。
■「208」ファミリーが充実
より現実的なコンセプトカーとしては、「2008」がある。全長4.14mというコンパクトなクロスオーバー車で、「3008」の成功を受け、欧州、中国、南米のデザイナーとエンジニアが協力して開発した。エンジンは「208」にも積まれる1.2リッター3気筒にターボを装着したものだ。近い将来、フランスとブラジル、中国で生産が開始される予定だという。
市販車の主役は、もちろん208。こちらはスポーツモデルの「GTI」とラグジュアリーバージョンの「XY」がラインナップに加わるとともに、プジョースポールの手によるラリー参戦用車両「208R5」が発表された。208ベースのコンペティションモデルとしてはすでに「R2」があるが、R5は数字から想像できるようにそれより強力で、2013年からWRC(世界ラリー選手権)のS2000カテゴリーに参戦するという。かつての「205ターボ16」を思わせるカラーリングも魅力だ。
■高性能な「RCZ R」は2013年発売
「RCZ」はマイナーチェンジで、顔つきが「208」や「508」に近い、最新のプジョールックになった。会場には高性能版の「RCZ Rコンセプト」を展示。エンジンを260psにスープアップし、専用サスペンションとLSDを組み込んだこのクルマは、2013年にまず欧州で発売予定という。展示車はルーフ両脇のアーチが、Onyxシリーズと同じ銅を思わせる質感となっていた。
シトロエン同様、プジョーも新興国のマーケットに熱心で、会場にはそのための新型車「301」もディスプレイされていた。全長4.44m、ホイールベース2.65mの3ボックス4ドアセダンで、トランク容量は640リッターを誇る。エンジンはガソリン1.2リッター3気筒をはじめ3機種を用意。間もなくスペインと中国で生産が始まる予定だ。
なおプジョーは、クルマ以外のデザインの分野に積極的に進出するために、2011年6月に「プジョー・デザインラボ」なる拠点を開設している。今回のショーではOnyxコンセプトバイクをはじめとする自転車や、ソルト&ペッパーミルなど、彼らの作品も並べられており、心地よい旋律を奏でるピアノもまたデザインラボの手になるものだった。
(文と写真=森口将之)
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