ホンダ・シビック/シビックフェリオ【試乗記】
「ハナマルの7代目」ホンダ・シビック試乗報告 2000.09.25 試乗記 2000年9月14日に、まずは5ドアハッチと4ドア「フェリオ」がデビューしたホンダの基幹モデル、シビック。注目の7代目に、webCG エグゼクティブディレクター大川 悠が、北海道で乗ってきた。MM改め「スマートコンパクト」
1972年に登場し、団塊の世代にとっては自分たちの時代を代表するクルマ。団塊ジュニアにとっては、昔からつき合いが深いクルマ。現代の若者にとっては、やや影が薄いクルマ。でもアコードとともに世界中でホンダを支えている小型車のエース。世代ごとに時代を引っ張ったり、妙にコンサバになって押されりしながら、変転の末の7代目。
最大の特徴は、シビックといえば3ドアハッチというイメージを覆し、5ドアハッチとなったこと。一方、何となく地味に徹してきた4ドアのフェリオは、それなりに「実質的価値の追求」を狙う。パッケージングは、久しぶりにMM(Man Maximum, Mechanism Minimum)思想を復活させ、スモールサイズの中にビッグキャビンを生み出すことによって、「気持ちよい生活」を狙った。だから謳い文句は「スマートコンパクト」。けっこう気合いが入っている。
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小さなアヴァンシア−5ドアハッチ
発表会でみんなが驚いたのが、シビックの象徴だった3ドアハッチが消え、5ドアハッチになったこと。全体のイメージは、明らかに2回り小さいアヴァンシアだが、格好はこっちの方がいい。
MM思想の再追求で、外寸に対するビックキャビンと広いユーティリティースペースを最重視したから、5ドアになったという説明だ。3ドア版は、いずれ違ったカタチでマーケットに導入される。
ともかくエンジンのモジュール化でノーズを縮めただけでなく、FFならではの本格的フラットフロアを実現したのがウリ。つまり室内にはトンネルの張り出しがなく、前後とも床は真っ平ら。だからといって別にフロア位置は高くはないから乗りやすいし、何となくくつろげる。ということは、つくる側は相当苦労しているのだろう。
「D」系4気筒SOHC16バルブのVTECエンジンは、リーンバーンの1.5リッターと、走り追求の1.7リッターの双方に、ともにCVT付きで乗った。1.5がずいぶん頑張るのには驚いた。しかもすごくナチュラルになったCVTとの相性もいい。昔のホンダのように回転だけでくすぐろうというタイプじゃなくて、「きちんと真面目に仕事をしまっせ」というエンジン。
一方の1.7リッターは、昔のホンダ・ファンに言わせると、「回らない、快音を発揮しない」といわれるかも知れないが、軽々しくなくなった分、VTECを巧妙に使ってトルクとCVTとの相性をうまく設定している。
飛ばすと、1.7は面白い。きちんとロールをさせながらグリップを重視し、かなり凝った足回りで四輪の位置を崩さない。ただし電動パワー・ステアリング(ESP)はどこか不自然。フロアのトンネルを無くしても、剛性は今まで以上で、ともかく「よく頑張りました。ハナマル」の7代目。
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これじゃあ寂しい−4ドア「フェリオ」
フェリオで乗ったのは1.5リーンバーン仕様のiE。エンジンのボア・ストローク比のバランスがいいのか、まとまりのいいエンジン。決してスポーティではないがなかなか静かで、トルクの出し方がうまい。しかもCVTとのマッチングもよく、「10・15モード燃費=20km/リッター」のウリ言葉はともかく、普通に走っても13〜15キロぐらい行けそうだ。
剛性の高まったボディと、ストロークの増えたサスペンションのおかげで乗り心地は本来いいはずだが、エコタイヤが台無しに。特に試乗した轍の強い路面とエコタイヤ、そしてESPの組み合わせは、もっとも悪い面を見せてしまって、操舵フィーリングという面では、ちょっと失望。
地味だけど、使い勝手のいいボディ、カローラには質感で負けるけれど、広いインテリア、そして洗練されたCVTとリーンバーンを考えると、「リタイアしたら、これでいいか」と一瞬思わせるが、「でもそれじゃあ寂しい」と感じてしまうのは、退屈なデザインのため?
(web CG 大川 悠)

大川 悠
1944年生まれ。自動車専門誌『CAR GRAPHIC』編集部に在籍後、自動車専門誌『NAVI』を編集長として創刊。『webCG』の立ち上げにも関わった。現在は隠居生活の傍ら、クルマや建築、都市、デザインなどの雑文書きを楽しんでいる。
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