トヨタ・プレミオ2.0G(CVT)【ブリーフテスト】
トヨタ・プレミオ2.0G(CVT) 2002.03.15 試乗記 ……242.4万円 総合評価……★★★高めの平均点
「コロナ」という伝統的な名前は消滅し、単に「プレミオ」と呼ばれるようになったものの、トヨタのミディアムセダンとしてのポジショニングは確たるものがある。そしてクラウンやカローラと同じように、若者むけに装ったなかにも、年配者の支持を集めるだけの、ある種保守的な雰囲気がある。その辺が、カリーナ改め「アリオン」という若向け姉妹車との棲み分けとなろうか。
かつては、ラック&ピニオンの支持方法などにまで差をつけて、カリーナに対し走りにこだわりを見せたコロナだった。しかし今回はそうしたところもなく、内容的に共通化されてしまったのは少々寂しい。コロナは大トヨタの中でも、古武士的な骨太さを持った良心的な造りが魅力だった。
とはいえ、全体に拡大傾向のある世の中で、頑に5ナンバーサイズにこだわり、全幅を1.7m以内に収めたことは評価されるべきだ。これで5ナンバー車ナンバーワンの座は約束されたも同然、鶏口牛尾の例をひくまでもなくありふれた3ナンバー車を見下せる。
デザインはトヨタのトレンドに則って、パッケージングを優先させた実用車らしい形態を採るが、適度に新しく、また存在感を強く押し出した顔など、地味なだけのセダンではない。
内容的には、直噴のD4エンジンやCVT自動変速機など、けして時代遅れではない。正統的な4ドアセダンの需要が落ち込むなかで、素直に受け入れやすい存在である。また特別なものは要求しないと言いながら、高めの平均点を平然と求めるような、クルマをよく知り尽くしたエンスーOBなどが選んでも、破綻をみせないだけの実力をもつ。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
プレミオ/アリオンは、2001年12月25日から販売が開始されたトヨタのミディアムセダン。プレミオはコロナ、アリオンはカリーナの後継モデルとなる。グリル上下やドアハンドル、細いモールなどにメッキ調の“光りモノ”を使用したのがプレミオ。アリオンはボディ同色となる。5ナンバー枠内のサイズながら、長いホイールベースによる広いキャビンと豊富なシートアレンジを実現。特にリアシートは、荷室との隔壁をなくすことで、背もたれを大きく後にリクライニングできるようになった。エンジンは、いずれも1.5、1.8、2リッターの3種類。FFのほか、1.8リッターモデルには4WDも用意される。
(グレード概要)
プレミオは排気量によって小さい順に「F」「X」「G」と分けられる。最上級グレードは、本革巻ステアリングホイール&シフトノブが標準装備。アルミホイールや、ファブリックながらより滑らかな感触のエクセーヌ調シート表皮、本革+木目調のステアリングホイールなど、さらに豪華装備となる「G“EXパッケージ”」。しかしグレードにわけへだてなく、上級車と同等の装備を持つのが、プレミオ/アリオンのウリの1つだから、「G」も本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、ファブリックシート表皮などを標準装備する。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
ドイツ車的な雰囲気もあるが、よりすっきり整理されており、フィニッシュのレベルも高い。タコメーターを右に配したあたりも、走り屋(!?)をうなづかせる。レバーやスイッチ類も特別に凝った操作を要求せず、これまで馴染んだ使いやすさを継承する。ナビをセンターコンソールにはめ込んで見やすくしたのはいいが、そろそろ走行中の操作を全面的に解除すべきだ。ドライバーだけが操作するものではないのだから。木目パネルの使い方も厭味がなくなってきた。
(前席)……★★★
大きさも形状も、なかなかの出来。シートポジション合わせも問題ない。ステアリングホイールの調節はチルトのみだが、テレスコピック(前後調節)も欲しいところだ。カローラと同じ、地上から550mmのヒップポイントと、1.5m近い全高により、ヘッドクリアランスは十分。スカットルが低くて見晴らしが良いので、運転席からボンネットが見えなくても見切りに不安感はない。
(後席)……★★★
セダンではあるがミニバン並のシートアレンジを誇るのが、プレミオの「特別」な部分。リアシートのリクライニング機構や、トランクスルーによってスキー板などの長尺物も積み込める。2700mmあるホイールベースのおかげで、楽に足がくめるレッグスペースを確保する。
(荷室)……★★
462リッターと、ミディアムクラスではトップレベルを誇るトランク容量。しかしホイールハウスの張り出しがやや大きい。またキャビンとトランクの間に隔壁がなく、ボディ剛性確保のため左右に横断する補強材が入れられた。そのため座面奥が盛り上がり、完全なフラットフロアではない。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
D4エンジンはずいぶん静粛になった。カチカチ言うようなディーゼル的硬質音も気にならないレベルだ。CVTは低速からの加速時にうるさいというイメージがあるが、これは十分遮音に成功している。機構上、変速ショックというものがなく、スムーズな加減速はお手のものだ。クリープ用のトルコンは介在しても、上の方ではロックアップされ、ダイレクトなレスポンスもある。CVTとしては後発なだけに、スロットル開度と加速感の関係を、違和感のないように調教された努力のあとが伺える。D4の低速トルクの大きさも、このCVTによくマッチしている。これをトヨタのCVT第一世代とするならば、今後は更に期待できそうだ。現状ではマニュアルシフト機構は付加されていない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
全長は同じまま、ホイールベースを2700mmに延長した効果は、乗り心地のフラット化に効果をあらわしている。またタイア位置がドライバーから遠のいたような、ロードノイズからの隔絶もうまくいっている。
パワーステアリングの軽い操舵力は、一見頼り無げにも感じるが、復元性は強い方だ。大きめのスクラブによる路面反力も確かで、走りだしてしまえば、カローラ的な軽快さを持ったまま、信頼感も増してくる。ただし乗り心地の面にも共通する感覚は、やや落ちつきがないことで、ひょこひょこっと速めに納まる挙動は高級感が不足する。初期作動の素早さは認めるところながら、収める段階ではもっとゆったりとした対応が好ましい。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2002年1月10日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:−−
タイヤ:(前)195/65R15 91S(後)同じ
オプション装備:2灯式マルチリフレクターヘッドランプ ディスチャージ(4.5万円)/DVDボイスナビゲーション付きワイドマルチAVステーション(6.5型ワイドディスプレイ、MD・CDチェンジャー付きAM/FMマルチ電子チューナー付きラジオ、TV、6スピーカー)+TVアンテナ+バックガイドモニター(29.9万円)/音声案内クリアランスソナー(4.0万円)/エアピュリファイヤー(2.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(8):高速道路(2)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

笹目 二朗
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