ボルボV40 T-4 75th Anniversary Limited Edition(5AT)【ブリーフテスト】
ボルボV40 T-4 75th Anniversary Limited Edition(5AT) 2002.04.06 試乗記 ……398.5万円 総合評価……★★★回春剤
ボルボV40は、1995年のボローニャショーでデビューしたスタイリッシュなコンパクトワゴン。2001年にビッグマイナーチェンジを受け、走りがグッとよくなった。
2002年4月2日から販売が開始されたV40 T-4「75th Aniversary」は、その名の通り、ボルボ車生誕75周年を記念して販売された200台の限定モデル。日本ではカタログに載っていなかった200psの“ハイプレッシャー”ターボを搭載、価格も40シリーズとしてはハイエンドの395.0万円。
フロントドアに輝く「75」のエンブレムと、日本初導入のBBS社製「Crater」16インチホイール、そしてキセノンヘッドライトが、ノーマルモデルとの識別点。スタイルを重視してルーフレールは外され、かわりに(?)ルーフエンドスポイラーが装着された。
「アリーナ」と呼ばれるアイボリーの革シートに腰かけると、ブラックフェイスのメーター類と、随所に使われるメタルシルバーフィニッシュのパネルがクールにスポーティ。“ニヒャクバリキ”ターボは実際パワフルで、フラットアウトで走り始めると、タコメーターの針が3500rpmを超えるあたりでターボバンに入り、“ゴーマル”タイヤを履く前輪は空転し、ステアリングホイールが手の中で遊ぶ。ボルボ、がんばっちゃったな。
では、T-4は乱暴なクルマか、というとそんなことはなくて、普通に運転するかぎり、2500から4000rpmまでを意図的に平坦にしたトルク特性から読みとれるよう、余裕ある出力に裏打ちされた快速ワゴン。足まわりには、街なかでハードにすぎず、高速では安定する「ダイナミックシャシーセッティング」が施された。
ボルボライフへの入り口モデルとして若年層に、また、V70サイズではボディを少々もてあますと考えるご年輩にまで、幅広いユーザーにアピールする40シリーズ。現ダイムラークライスラー配下のオランダ工場で、2004年まで生産される予定だ。限定ホッテストモデル「T-4」は、息の長いモデルの、日本市場での回春剤。ただし、ヒトもクルマも根本的に若返るわけではない。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1995年に登場したボルボのボトムレンジモデル。ボルボ、三菱、オランダ政府の共同出資会社、オランダはネッドカー社で生産される。車型はセダン(S40)、ワゴン(V40)の2つ。日本には、いずれも1.9リッターのNAとターボが輸入される。2001年モデルから、トランスミッションが5段ATになった。衝撃によって膨張量を2段階に変化させる「デュアルモード」エアバッグ、カーテン状に開くサイドエアバッグを標準装備。ISOFIX対応チャイルドシートのアンカーも設置された。
(グレード概要)
ボルボV40 T-4「75th Anniversary」は、2002年4月2日から発売された200台限定の特別仕様車。ボルボ初のクルマ「ÖV4(愛称ヤコブ)」がラインオフされてから75年が経ったことを記念してリリースされた。日本でのカタログに載るノーマルターボモデルより37psと6.1kgm大きなアウトプット(200ps、30.6kgm)を誇る2リッター直4“ハイプレッシャー”ターボを搭載する。キセノンヘッドランプ、ボディ同色モールディング、専用革内装、BBS製アルミホイールなどが奢られる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
メーター類、ボタンやスイッチ類、樹脂のシボまで大きめなV40のインパネまわり。見やすさ、使いやすさに考慮され、虚飾を排したシンプルなデザインが、わかるひとにはわかるスカンジナビアンテイストを、そしてたいていのヒトに“ボルボらしさ”を感じさせる。スペシャルモデルとして、つや消しのシルバーのアルミパネルが助手席前とドア内張に配され、シフトレバーにも同じ色が使われる。せっかくだからドアオープナーのクロムメッキも、つやをなくした方がよかったかも。
(前席)……★★★★
ボディサイズにあわせて、ボルボ車としては小ぶりなシート。見た目は平板だが、厚めの革が使われ、オシリへのあたりはソフトだ。運転席、助手席とも電動で調整可能。なお、アニバーサリーモデルには、9つのスピーカーを駆動する「ハイパフォーマンス・スピーカーシステム」が奢られる
(後席)……★★★
実用的なリアシート。クッションがたっぷり入った座面は長さじゅうぶん。ただし引き出し式のチャイルドシートが備わるため、前半分がやや盛り上がる(インテグレーテッド・チャイルドクッションは、パワーチャイルドロック、サイドサポート付リアヘッドレストとのセットオプション:3.5万円)。背もたれを寝気味にして、ヘッドクリアランスを稼ぐ。膝前空間はボディサイズ相応。
(荷室)……★★★
床面最大幅135cm、奥行き100cmのラゲッジスペース。マルチリンク式リアサスペンションのストラットタワーほか、ホイールハウスの張り出しは大きめで、幅は約90cmに狭まる。ボルボのエステートは、単に荷物を運ぶだけでなくライフスタイルを演出するから、頭文字が「V」(Versatility=多様性)というのが、ボルボ側の説明だ。
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【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
850シリーズ以来のボルボ自慢のモジュラーユニット、の4気筒版。83.0×93.0mmという「4」「5」「6」気筒共通のボア×ストロークから、ターボの加勢を得て200ps/5500rpmの最高出力と、2500-4000rpmにわたって30.6kgmの最大トルクを発生する。スロットルの開度が小さいときにはフラットな出力を反映してノッソリした性格だが、全力加速を敢行すると、出力曲線を急激に上昇させる。普段は温和だが、ときにヴァイキングの血を感じさせるエンジンってか。5段ATと組み合わされる。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
T-4は、ハイプレッシャーターボのアウトプットに合わせて足まわりも強化されたが、突き上げはよく抑えられ、コンフォートにもじゅうぶん配慮される。ただ、太くなったアンチロールバーゆえかときに乗員は左右に揺すられ、また、路面によっては頑強とはいえないボディ剛性を露呈することがある。ハンドリングはビッグマイナーチェンジを機に、大幅に改善された。たとえばターボバンドに回転数をキープして、カーブでタイヤを鳴らして走る、なんてことも可能だ。が、いまひとつ路面からの情報がビビッドに伝わらないので、ドライバーはすぐに「ボルボらしい温和な走りに戻ろう」と思う。ハイスピードクルージングでは、「どこか“鈍”」が転じて「フラットライド」に昇華する。
(写真=難波ケンジ)
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【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2002年4月1日から2日
テスト車の形態 :広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:--
タイヤ: (前)205/50ZR16 87W/(後)同じ(いずれもPirelli P6000)
オプション装備:インテグレーテッド・チャイルドクッション+パワーチャイルドロック+サイドサポート付きリアヘッドレスト=3.5万円
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態: 高速道路(6):市街地(3):山岳路(1)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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