第234回:年販5000台規模を視野に
ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン社長に聞く
2014.04.08
エディターから一言
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2013年に全世界で2121台を販売し、3年連続で業績を伸ばしたランボルギーニ。新型スポーツカーの「ウラカン」の発表に続き、SUVの「ウルス」の市販化も決めている同社が目指す先はどこなのか。ランボルギーニの今、そして将来について、ステファン・ヴィンケルマン社長兼CEOに聞いた。
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研究開発費の売上高比率は20%
昨年、設立50周年を盛大に祝ったアウトモビリ・ランボルギーニ社。そのかいあってか、2013年の売上総額は前年比約8%アップの5億800万ユーロ(約723億円)となり、世界販売台数も2083台から2121台へと増加。中でもフラッグシップの「アヴェンタドールLP700-4」は、なんと、1001台をデリバリーした。12気筒ミドシップの歴代旗艦モデルに比べて販売単価が上昇しているため、史上最高の売り上げ規模となったアヴェンタドールは、名実ともに今や、ランボルギーニ社の大黒柱となっている。
そして、昨年末、50周年イヤーの最後を飾って、10年にわたりブランドを支えてきた「ガヤルド」の後継車の名前とスタイルを発表した。「ウラカン」だ。ジュネーブショーでの正式披露を前に、日本を含む主要マーケットでVIPクライアントを招いたスニークプレビューを開催。1000台以上の予約注文を獲得している。
節目を終え、次の半世紀、そして100周年に向けて絶好のスタートを切ったといえるランボルギーニ社。社長兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏にジュネーブで話を聞いた。
「ウラカンはランボルギーニにとって、新たなるステップといえます。われわれはこの10年で大きく成長しました。最も分かりやすい例が、販売台数です。われわれがクルマを造り始めてから1万台を世に送り出すまで40年かかりましたが、この11年間でその2倍にあたる2万台以上を生産しました。今後も、ブランドの価値とのバランスを図りながら、ある程度、生産台数を伸ばしていくつもりです。そのために、この規模のスーパーカーブランドとしては異例に積極的な研究開発や生産施設への投資も継続していく予定です。現在は、売上総額のおよそ2割を研究開発に充てていますし、雇用も昨年だけで100人増やしました」
「われわれが最も大切にしていることは、時代によって変化する顧客ニーズを常につかんでおくということです。ウラカンを見れば分かっていただけると思いますが、ユーザーの嗜好(しこう)を的確に捉えながら、常に革新的なスーパーカーブランドであり続ける。それがランボルギーニらしいクルマ造りの基本であり、世界最高のラグジュアリー・スーパースポーツカー・ブランドとしての、他にはない大切な役目だと思っています」
日本はポテンシャルのある市場
ランボルギーニ社は、バイクメーカーのドゥカティとともにアウディ傘下にある。またフォルクスワーゲングループには、ほかにポルシェやブガッティといったスポーツプレミアムブランドも存在している。その中でランボルギーニブランドの果たす役割とは、いったいどこにあるのだろうか。ヴィンケルマン社長はこう考えている。
「各ブランド、特にハイエンドブランドは、互いに決してオーバーラップしない存在としてグループ内では認められています。それゆえ、戦略的には完全なフリーハンドが各ブランドに与えられているのです。先ほども言いましたが、われわれランボルギーニとしては、最高のイタリアン・ラグジュアリーブランドとしてグループ内でも常に技術的に新しいことを実現し続ける、言ってみればテクニカルイノベーター的な役割を果たしつつ、同時に世界で最も有名なスーパーカーブランドとしては、自動車産業に夢を与える存在であり続けたいと思っています」
また、ランボルギーニ社の販売状況における特徴として、市場バランスの良さがある。欧州、北米、アジアパシフィックの販売台数比率がキレイにほぼ同率で並んでいるのだ。好調を持続する日本市場について、社長はどう考えているのだろうか。
「日本には、昔からたくさんのランボルギーニファンがいます。そして日本は、今でもわれわれにとって5、6番目に大きな市場です。古いモデルに対してシンパシーを抱く方が多いのも事実ですが、逆に言うと、それだけ潜在需要があると言うこともできます。事実、アヴェンタドールには依然として旺盛な需要がありますし、ウラカンの受注も滑り出しは好調です。『カウンタック』や『ミウラ』といった過去のモデルのイメージが強い日本で、いかに新型車のプレゼンスを高めていくか。それ次第では、まだまだポテンシャルのあるマーケットだと思っています」
最後に、ハイエンドプレミアムブランドは常に販売台数とのバランスが問われてくる。ランボルギーニも、ウラカンに続き、クロスオーバーSUVの「ウルス」を2017年に登場させることが決まっている。いったい、どれくらいの規模を目指すのだろうか。
「ウラカンの生産が軌道にのって年産3000台くらいでしょうか。将来的に新たなモデルが加わったときには、現在のおよそ2倍、4000から5000台規模を目指したいと思っています」
今この瞬間もしっかと目を見開き、はためく赤をにらみつけるサンターガタ・ボロネーゼの猛牛。踏み出す新たなステップこそが、新技術を満載した新型車、ウラカンなのだった。
(文=西川 淳/写真=ランボルギーニ)

西川 淳
永遠のスーパーカー少年を自負する、京都在住の自動車ライター。精密機械工学部出身で、産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰(ふかん)して自動車を眺めることを理想とする。得意なジャンルは、高額車やスポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域。
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