アルピナ、2モデルを世界初公開
2011.12.02 輸入車■アルピナ、2モデルを世界初公開
アルピナは第42回東京モーターショーで、「B6ビターボクーペ」と「B3 GT3」の2台のワールドプレミアを発表した。また、プレスカンファレンスでは本社のアンドレア・ボーフェンジーペン代表取締役社長が登壇するなど、力の入った展示となった。
■日本は大のお得意さま
1989年の初出展以来、22年間にわたり東京モーターショーに参加してきたアルピナ。前回は輸入車メーカーがほぼ全部キャンセルしたが、そういった状況でも出展をやめなかった数少ないブランドである。アルピナが積極的に日本市場に取り組んでいる理由は、同社にとって日本は“数をさばける”重要なマーケットであるため。ボーフェンジーペン社長も、「ドイツ本国、アメリカと並び、日本はセールスの観点から、最も大切なマーケットのひとつ」と述べている。
その日本重視の姿勢は展示内容にも表れている。ワールドプレミアを何と2台も用意してきたのだ。アルピナの地元であるフランクフルトモーターショーでも、今年は初公開は1台だけだった。彼らぐらいの企業規模で、1つのモーターショーで2台のニューモデルを発表することは極めてまれ。東京をお披露目の場所に選んでくれたことを、われわれは素直に喜ぶべきだろう。
■サーキットも走れるアルピナ
その1台は、フランクフルトモーターショーで発表した「B6ビターボカブリオ」のクーペバージョン「B6ビターボクーペ」である。540psを発生する4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載するなど、ボディー以外は基本的にカブリオと変わらぬ内容となっている。アルピナの象徴ともいえるブルーに最近はやりのツヤ消しを組み合わせた「アルピナ・マットブルー」(つや消し色)という新色をまとっていた。
もう1台は「B3 GT3」。2011年のドイツADAC GTマスターズシリーズでドライバーズタイトルを獲得した「B6 GT3」をイメージした限定車である。「B3Sビターボクーペ」をベースに、カーボン製のフロントスポイラーとリアウイング、車高調整式サスペンション、前6ピストン&後4ピストンのキャリパーを持つブレーキ、レカロスポーツシートなどといったハードな装備がおごられ、サーキット走行もこなせる内容に仕上げられている。世界99台限定で、そのうち30台が日本に導入されているという。ボディーカラーは販売台数の3分の1が、B6 GT3をイメージしたグリーンとなる予定だ。
■ディーゼル「D5」を導入予定
ところで今回、ボーフェンジーペン社長から2つの重大な発表があった。1つはハイブリッドに関すること。「EVやハイブリッドに関して調査したところ、日本以外ではハイブリッドの要望は低いという結果が出た」ということで、年産1200台規模のアルピナとしては当面、こういった環境対応技術は導入しない。ガソリンとディーゼルエンジンでユーザーの期待に応えていくという。
2つ目は、「BMW 5シリーズ」ベースのディーゼルモデル「D5」を日本にも導入する予定があること。これは、同社にとって日本初のディーゼルとなった「D3」の成功を受けたもので(2009年と2010年合わせて180台を販売したという)、2012年末までに日本スペシャル仕様を発売する予定とのことだ。
(文と写真=新井一樹)
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