ホンダがオートバイ用の新世代エンジンを公開
2011.09.26 自動車ニュースホンダがオートバイ用の新世代エンジンを公開
本田技研工業は2011年9月26日、自動二輪車用に開発したふたつの新型エンジンを発表した。
■互換性がミソな125cc
今回発表されたのは、125ccクラスの単気筒エンジンと、700ccクラスの並列2気筒エンジン。どちらも、東南アジアや欧州をはじめとするグローバルなマーケットでの展開を視野に入れて開発された、次世代のパワーユニットである。
前者は、現在ラインナップしているスクーター「PCX」の125ccユニットをベースに改良が加えられたもの。シリンダーの中心軸とクランクシャフトの中心軸を意図的にずらすことでフリクションを低減させる「オフセットシリンダー」や、冷却効率を高めたラジエター、より細かな電子制御でスムーズな動作が可能になったアイドリングストップ機構が採用されたほか、ロッカーアーム部やトランスミッションなどのフリクションも低減。クラス最高レベルの動力性能を発揮しながら、従来比25%増しの燃費を実現したという。
そんな新型エンジンは、動力性能と燃費の向上だけでなく互換性の高さも特徴で、ホイール径の異なる幅広いモデルに搭載することができる。
世界の市場でホンダが抱える108cc〜125ccのエンジン3種類も、順次この新型エンジンに入れ替えられる予定。さまざまな場所で生産できるとともに複数のモデルで共有できることによる、経営上のメリットも非常に大きいという。
■「ズレ」が効いてる、味のナナヒャク
もうひとつ公開された新エンジンは、700ccの水冷並列2気筒ユニットだ。
こちらは、「日常の足から週末のツーリングまで楽しめる」ことを前提に、ミドルクラスのオートバイの心臓として開発されたパワーユニットで、情緒に訴えかける鼓動感や中低速域でのトルキーな出力特性、さらに、扱いきれる満足感がセリングポイントとなっている。
特に“味わい”には力が入れられており、ふたつのシリンダーの爆発間隔を270度の不等間隔としたり、バルブタイミングをあえてバラバラにしたり(!)と、故意にズレを設けることで独自のフィーリングを演出したという。
多くの四輪車にも見られるデュアルクラッチ式のトランスミッションとも相まって、同クラスのスポーツバイクに比べて40%以上優れるという燃費(27km/リッター以上:WMTCモード・ホンダ測定値)も自慢。
シリンダーを大きく寝かせたことにより車体レイアウトの自由度も高くなっており、利便性の高いスペースを作り出せるほか、将来的に多様なモデルへの搭載が可能になるという。
こちらは、2011年11月に開催予定のミラノショーで、ニューモデル「インテグラ」に搭載のうえ出展される予定。125ccユニットとともに、今後世界的な普及が見込まれている。
(webCG 関)
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