トヨタGR86 RZ(後編)
2022.02.10 谷口信輝の新車試乗 「僕がこんなことを言うなんて、本当に珍しいですよね」。レーシングドライバー谷口信輝が、先代モデルや兄弟車「スバルBRZ」との違いにも触れつつ、FRスポーツカー「トヨタGR86」の本質について語った。その存在には意味がある
GR86のワインディングロードでの走りを絶賛した谷口信輝は、前半の最後で「この時代にスポーツカーを出す意味」について語り始めた。谷口は何を言いたかったのか? 彼の言葉に耳を傾けてみることにしよう。
「スーパースポーツカーが素晴らしいエンジン、素晴らしい足まわり、素晴らしいブレーキ、素晴らしいボディー剛性を備えているのはよく承知しています。でも、いまのスーパースポーツカーくらいパフォーマンスが高いと、公道でその性能を全部使い切るのは、相当難しい。ところがGR86だったら、スーパースポーツカーの消費税くらいの値段で、本物のドライビングプレジャーが味わえる。86は本当にメチャクチャ楽しいし、どっちに乗っているほうが楽しいかといったら、僕は86のほうじゃないかと思うんですよ」
ちなみに「GR86 RZ」(6MT)の車両本体価格は334万9000円。モノにもよるが、たしかに谷口が指摘するとおり、「スーパースポーツカーの消費税分」程度の価格にすぎない。
「いまの時代に、この価格帯でスポーツカーを出してきて、もしも走らせる楽しさがなかったら『なに、これ?』って話になるじゃないですか。だけど、86はこのボディーサイズ、このエンジンパワー、この車重のなかで、ドライビングプレジャーっていうか、走る楽しさをしっかりと表現している。だからこそ、この時代に86を出した意味がすっごくあると思うんです」
多くのファンが気になる「GR86とスバルBRZの比較」についてはどうなのか? 今回はBRZを持ち込んでいないが、以前、試乗したときの記憶から、86とBRZを谷口に比較してもらった。
「フロントサスペンションのナックルは86が鉄製でBRZはアルミ製なんですよね。結果的に鉄製を使ったGR86のほうがハンドリングははるかにシャープ。そのほか、前後スタビライザーの取り付けがGR86とBRZでは違うんですけど、そういったこともあってBRZはとてもマイルドで、ちょっと厳しい言い方をすると、クルマの印象が少しぼやけているような気がします。だから、僕が2台のどちらかを選ぶなら断然GR86。ただし、オートマチックのギアボックスでノンビリ流すのを楽しむならBRZもありかもしれません」
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