新型「ホンダ・プレリュード」の半額以下で楽しめる2ドアクーペ5選
2025.10.09 デイリーコラム300万円あれば輸入ブランドも選べる
24年ぶりの復活となった新型「ホンダ・プレリュード」は、幅広い世代からなかなかの支持を集めているもよう。そしてアラ還のベテラン世代、つまり1980年代に2代目や3代目プレリュードをリアルに「デートカー」として使っていた世代からは、「いま見ると2ドアクーペは新鮮」「もう一度スタイリッシュなクーペに乗りたいかも」的な声も聞こえてきている。
実際に発売から1カ月の受注台数は、月販目標である300台の約8倍となる2400台に達したと発表されている(2025年10月6日現在)。一部の販売店では、受注停止の措置がとられており、その人気の高さをうかがわせる。
もちろん乗り出し価格600万円台半ばにて新型プレリュードを注文してみるのも一興ではあるが、さすがにちょいとお高いということで、本稿ではその半額ぐらい、すなわち総額300万円前後で買える中古車のなかから、酸いも甘いも噛み分けたベテランドライバーをも(たぶん)満足させるスタイリッシュなクーペを5車種ピックアップしてみたい。
候補1:BMW 4シリーズ クーペ(F32)
2020年10月に登場した現行モデルはさすがにまだ総額400万円以上が相場となるが、2013年から2020年にかけて販売された先代の「4シリーズ クーペ」であれば、走行3万km前後の「420i Mスポーツ」を総額250万~300万円ほどで入手可能だ。
新型プレリュードと違って最新世代のハイブリッドユニットではないが、最高出力184PSのBMW謹製の2リッター直4ガソリンターボエンジンを「使いきる歓び」は格別。また電動フロントシートや、車線逸脱警告システムや前車接近警告機能、エマージェンシーブレーキからなる「ドライビングアシスト」も標準装備ということで、「令和のデートカー」としての資質も十分以上である。
さすがに総額300万円だと2017年5月以降の後期型を買うのは少々難しいが、最高出力306PSの3リッター直6ターボを搭載する「435i Mスポーツ」を見つけることも可能だ。
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メルセデスの2ドアクーペも候補に
候補2:メルセデス・ベンツCクラス クーペ(C205)
メルセデスの「Cクラス」と「Eクラス」のクーペが統合されて「CLEクーペ」になる直前の世代、すなわちC205型「メルセデス・ベンツCクラス クーペ」も、なかなか良質な中古車を総額300万円前後の予算で見つけることが可能だ。
ご承知のとおりC205型Cクラス クーペは、先代W205型「Cクラス セダン」のAピラー以降のボディーを専用設計とした2ドアクーペ。流通の中心となっている「C180スポーツ」が搭載するパワーユニットは最高出力156PSの1.6リッター直4直噴ターボで、駆動方式は当然ながらFRである。
中古車価格は、2018年6月までの前期型C180スポーツでOKならば走行3万km前後の物件が総額250万~290万円といったところで、ビッグマイナーチェンジを経た2018年7月以降の後期型を狙いたい場合は、同290万~350万円付近が目安となる。
候補3:メルセデス・ベンツEクラス クーペ(C238)
2024年に上陸したメルセデス・ベンツCLEクーペの前身にあたる先代W213型Eクラスのクーペ版、C238型「Eクラス クーペ」も、流通台数はやや少なめだが総額300万円前後でなかなかの一台を入手できる。
これ以前のEクラス クーペは、実は同時代のCクラスをベースにしていた。しかしこちらC238型はれっきとしたEクラスベースで、全長×全幅×全高=4855×1860×1430mm、ホイールベース=2875mmというボディーサイズからは「大人のクーペ」としての余裕が十分に感じられる。
総額300万円前後で狙えるのはマイナーチェンジ前の前期型で、グレードとしては最高出力184PSの2リッター直4直噴ターボを搭載する「E200スポーツ」が中心。前出のC205型Cクラス クーペでも十分といえば十分なのだが、より「大人のクーペ感」、あるいは「大人の余裕感」が強いのはこちらだろう。
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レクサスの現行モデルも選択肢に
候補4:トヨタGR86またはスバルBRZ(現行型)
あくまで私見ではあるが、先代の「トヨタ86」および「スバルBRZ」は、なかなか素晴らしいFRクーペであること自体は間違いないものの、「大人が乗るクーペ」としては、デザインの面でいささか選択が難しかったと思っている。
だが2021年10月に登場した両者の2代目モデル、すなわち現行型は──これまたかなりの私見ではあるが、どこか少し「アルピーヌA110」も思わせる上質なエクステリアデザインをまとった──、筆者のような中高年のおっさんにも似合う国産クーペであると確信している。
ボディーカラーはお好きなものを選べばいいというのが基本だが、個人的には、還暦を迎えた際には赤いちゃんちゃんこならぬ赤い「トヨタGR86」またはBRZでキメたいところだ。
そんな無駄話はさておき、もしも総額300万円ほどの予算を投じるのであれば、相当にいい感じの中古車が入手できるというのもこの両車の美点。GR86であれば、走行1万km台までのC型(2023年9月~)が総額300万円付近の予算にて検討可能で、現行型BRZは、同じく2023年9月以降のC型低走行物件が総額300万円ちょいというイメージである。
候補5:レクサスRC(現行型)
第2世代のGR86とBRZはステキだと思うが、アラ還世代によりフィットするというか似合うのは、やはりレクサスブランドなのかもしれない。そしてレクサス車のなかから2ドアクーペを探すとなると、当然ながら「レクサスRC」が候補となる。
2014年10月の発売時から生産が終了される2025年11月まで、さまざまなタイプとグレードが登場したレクサスRCのなかから、できればエクステリアデザインと足まわりなどが変更された2018年10月以降の後期型を選びたいところではある。だが後期型の中古車は、まだまだ総額380万円以上である場合が一般的。新型プレリュードの約半額、つまり総額300万円付近で狙えるのは2015年~2017年の前期型だ。
しかし前期型であっても比較的低走行なフルノーマル物件は多数流通しているため、「後期型以外は認めない!」とかたくなに思っている人でさえなければ、普通に「レクサスならではのクオリティー感」を堪能できるだろう。
グレードというかパワーユニット的には、最高出力245PSの2リッター直4直噴ターボエンジンを搭載する「200t」と、同178PSの直4エンジンを143PSのモーターがサポートする「300h」が中心。どちらを選ぶかはお好み次第だが、ゆったり系の落ち着いたクーペライフを楽しみたいなら300h、スポーティーにいきたいなら200tというのが順当なところだ。
(文=玉川ニコ/写真=BMWジャパン、メルセデス・ベンツ日本、トヨタ自動車、スバル/編集=櫻井健一)
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玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
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