マツダ・ロードスター990S(後編)
2022.07.28 谷口信輝の新車試乗 「マツダ・ロードスター990S」は、ロードスターのなかでも軽量化や足まわりのチューニングがポイントとされる一台だ。ステアリングを握ったレーシングドライバー谷口信輝は、その走りをどう評価する?いつまでもフワフワ
各自動車メディアで高く評価されているマツダ・ロードスター990S。ところが、いつものワインディングロードでその試乗を終えた谷口信輝は、運転席から降り立つと、なぜかけげんそうな表情を浮かべていたのである。
「あのー、運転するのが難しいですね、このクルマは……」。この言葉に続いて、谷口は次のように990Sの印象を語ってくれた。
「まず、サスペンションはわりと柔らかめですよね。ダンパーの減衰率もそれほど高くないので、足まわりは自由に動いている感じ。だからコーナリング中は結構ロールするんだけれど、このときサスペンションが動くだけじゃなくて、タイヤもよれちゃうんですよ。つまり、足まわりとタイヤが一緒に動いちゃうので、どこがどうなっているのかが、僕にはわかりにくい」
谷口にも「わかりにくい」ようだが、聞いているこちら側にとっても「わかりにくい」ので、さらに具体的に説明してもらうことにした。
「例えばコーナリングすると、さっきも言ったとおり、足もよれるしタイヤもよれる。それがある程度以上まで進んで、ビシっておさまってくれればいいんですが、このクルマはそこでも落ち着かずに、なんかフワー、フラーっとしている。そこでさらにステアリングを切り増すと、なんかポーンって押し返されちゃったりするんです。だから、何が原因かはよくわからないけれど、コーナーのRに沿ってぴたーっと回り込むように走らせるのが難しい。そうしたくても、なかなかできないんです」
しかも、この「フワー、フラー」の症状は、真っすぐ走っているときにも起きるという。
「ハンドル切ったときに倒れ込むだけだったらまだいいんです。でも、このクルマは真っすぐ走っているときも、なんかフラフラしているんですよね。まるで、おそば屋さんが使う出前用のバイクに付いているスプリング付きの荷台みたいに、走っている間、ずーっとフワフワ上下しているんですよ。うーんって感じですよね」
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